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特別編 つながるメロディー

※本記事は冬コミC105(29日東ヒ03a)にて刊行するサークル「さやえんどう」新刊「北宇治高校吹奏楽部 指導解説本」の試し読み、及び話数全文購入に関するものです。

概要はこちらからご確認いただけます。

以下本文です。
※ハヤブサさんは、サークル「さやえんどう」の共同代表で新刊小説の執筆者です。


第四章 特別編 つながるメロディー (対談)

Takashi(T):終楽章として、ここでは京都アニメーションが製作した「響け!ユーフォニアム」について、それぞれのアニメを観る視点であったり、卒業生や北宇治高等学校の将来をサークル相方のハヤブサさんと語っていきたいと思います。

ハヤブサ(H):よろしくお願いします。

オープニング

T:こうやって対談をするのは、サークル「さやえんどう」を立ち上げて1冊目以来になるけれども、ハヤブサさんはユーフォとの出逢いはどんな感じでしたか? 

H:吹奏楽とか全然知らなかった人間だけど、「たまこ」は好きだったし、山田尚子さんがシリーズ演出という形でそこに特化するの初めてだなと思って観始めたかな。

T:シリーズ演出を置くのがハルヒ1期のヤマカン(山本寛)以来だったね。

H:単純に京アニだったからブランド追いかけてたのもあった。2014年末のコミケで並んでたら、 ビッグサイトのでっかいスクリーンにP Vが流れるんだけど、あれで初めてユーフォ見て、すげえクオリティだなみたいな。衝撃だった。

T:「Starting the project」っていうビッグバンド音楽にのせられたPVだよね。僕も当時京アニ追いかけていたし、アニメで吹奏楽やるのマジかよ!っていう(笑)ただでさえ大変さが伴うアニメで、合奏を描かなければならないような作品に挑戦するとか正気の沙汰でないと思いましたね。

T:それまでで合奏を描いている作品だと、「のだめカンタービレ」があったんだけど、正直なところ色々ショックで(笑)ユーフォは当時のアニメ界隈ではまだ名もなき作品だったし、吹奏楽のアニメもなかった。初めてまともに吹奏楽作品が出来るとなると、世の中の吹奏楽に対する第一印象に大きく影響を与えると思ってたから不安も大きかったんだよね。

H:作画カロリー的なところもそうだけれど、いかに音楽に精通している人を引き入れるかっていうのが勝負どころなんだろうなと思った。そこのところは音響監督の鶴岡さんやっぱすごいね。おそらくこれはめちゃくちゃやりたがっていただろうし、気合い入ったんじゃないかな。「けいおん!」でその辺りのノウハウも持っているだろうし。

T:いやー!でもなんだろう、吹奏楽って結構特殊な世界だから、バンドともまたちょっと違くて。経験者とそうでない人での見える世界っていうのが全然違うっていうか。だから、それって結構難しいなとは思った。

H:なるほど。

T:うん。ハヤブサさんは吹奏楽って言われると、どんなイメージがある?

H:うーん・・・(笑)

T:じゃあ、クラシックとかオーケストラとかだったらどんなイメージある。

H:クラシックは昔からよく聴いてて、父の影響もあるんだけど、上品なイメージかな。吹奏楽部っていう1つのブランド化されたものがあって、 そこで吹く人はなんか綺麗だったり、上品だったり、なんかそういう感じ。

T:吹奏楽は上品なイメージなんだね。

H:実際は中学で同級生の女子たちが入ってるイメージで、上品っていうのは第一印象ではあるし、 楽器吹けるのは単純にすげえなっていう。

T:なるほどね。

H:だから、本当にね、概念がよくわかってなかった!見た目でしか判断してなかったかな。もちろん耳でも聴いてはいたけれど。そもそも吹奏楽とオーケストラは何が違うのかさっぱりわかんなかった!はっきり言ってね(笑)

T H:笑

T:例えば、クラシックやオーケストラでなにか知ってる曲あげてって言われたら、モーツァルトとか、ベートーヴェンとか、何となく出そうではあるけど。

H:そうだね。あるね。

T:吹奏楽でなにか知ってる曲ある?

H:吹奏楽のために作られた曲っていうのは、多分わからなかった。

T:1曲も知らないとかあるよね。

H:あるある、全然あると思う。吹部(吹奏楽部)の中ではみんな知ってるけど、みたいな。クラシックの有名曲をアレンジしたブラスバージョンみたいなやつは多分触れてる機会はどこかしらであったんだと思う。吹奏楽だけの曲っていうのはわからない。

T:そうだよね。いきなり「たなばた」って言われてわかる?

H:何それ(笑)7月7日のこと?七夕じゃないの??(笑)

T:(笑)吹奏楽やってる人からしたら、あぁ「たなばた」ね、「いたる」ねーみたいな(笑)※酒井格作曲「たなばた」のこと。

H:いたるって?(笑)

T:この本を書いてみて、吹奏楽やってる人とやってない人での見える世界が全然違うなぁっていうのが改めて見えてきたなと。

作品について

T:今回改めて、吹奏楽のことは知らない京アニファンのハヤブサさんからみて、ユーフォはどうだったんですか。

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