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2022年 コロナのニセコ

2022年。ニセコはコロナの影響を受け続けていました。インバウンドの需要で潤っていた観光地でしたので、外国人が減ったニセコは閑散としていました。

静かなニセコ

5つあるニセコスキー場の中でも人気のニセコひらふスキー場。外国勢にも古くからの日本人のファンが多いゲレンデ。明日どこ滑る?ニセコに来て初滑りを計画する夫と息子も迷わずヒラフを選ぶ。やっぱり初滑りはヒラフに行くでしょ?私も一年振りのヒラフ行きにテンションが上がる。
ニセコのゲレンデはパウダーを求めて朝1番のゴンドラが動くのをゴンドラ乗り場のゲートの前で待つ。吹雪に耐えて待つ姿はまるで皇帝ペンギンさながら。コロナ前のゴンドラは30分待ちもザラで、それでも浮ついたペンギン達はそわそわとゴンドラを待っていた。2022年のコロナでも朝一のゲート前に並ぶ様子は変わらず、でもその列は10分未満で多くは日本人。コロナの影響でここ数年のニセコの熱気はすっかり冷めているのは一目でわかった。さらにゴンドラ乗り場前の大きなレストハウスが2022年はクローズ。1番お客様が利用するレストランが営業していないのだ。この衝撃は大きく、東京で例えるなら駅直結のアトレがクローズしているようなもの。衝撃を受けながらも、息子と夫を待つ間にそのレストランで過ごそうと思っていた私は仕方なく坂を下り、居心地の良さそうな場所を求めて氷点下の中を歩き回る事になった。

目に映る真っ白の世界、近代的でおしゃれな建物が立ち並ぶニセコのひらふ坂。その風景はスイスのリゾート地のようで、なぜか日本的でない。忘れられたように古いホテルがどこかの温泉地を彷彿させる姿でたまに現れる。その様子がすごくシュールで、ニセコがまだ発展途中だったことを思い出させてくれる。コロナでなければ大勢の人で賑わっていたのだろうけれど、その建物の半分はクローズしたままで、ああ、これがゴーストタウンってやつなのかな?と見てはいけないものを見てしまった感じがする。お店の看板はあっても営業しておらず、大きなホテルが丸々営業していなかったりして、静かを通りこして何か不安になってしまった。東京オリンピックの時の東京でも感じたけど、このまま観光客が戻って来なかったらこの町はどうなってしまうんだろう。お茶をするところを探しに来ただけなのにそんな気持ちになってしまった。

コロナのニセコはレストラン難民

このコロナ禍でもオープンしているお店もあれば、外国人が来なければ営業しないよとばかりに完全にクローズしたままのお店も多くあった。開いていないレストランでも雪かきは定期的に行われていて、雪国での経営の難しさを肌で感じた。4対6でクローズ側が多くて、夜は飲食店がお酒を提供してはいけない令が出ていたため、夜間に開いているレストランが少なく、その上席数も減らしているため、早目に予約しないと夜はレストラン難民になってしまいがちだった。週末だけ開けるタイプのお店もあったり、営業中と書いてあるのに行ったら閉まっていた何てことも何度も経験して、このコロナという状態で営業側の試行錯誤も感じられた。

それでも日本人相手にきちんと商売しているお店やコロナ禍でも人気のお店もちゃんとあって、そんなお店たちがニセコのローカルに笑顔を与えてくれていた。

コロナでも人気のお店もある

あのころのニセコ

2022年の冬は雪も多くて外国人が少なくて、ローカルにはあのころのニセコという言葉で例えられた。もともと倶知安(くっちゃん)ニセコエリアとは、空港からも遠く、大きい町からも遠く、日本人には忘れられたようになっていたスキーエリアだったのだ。

毎日降る雪、こんなご時世でもこんな所までやって来る雪好きの観光客、のんびりした空気。2022年はあのころのニセコ、ニセコが国際的に有名になる前のニセコで、コロナのおかげでそんなゆっくりしたニセコを味わう事ができた貴重な年だったのかもしれない。


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