見出し画像

No.7 「実写化賛否論」

先に言っておくがここから先は僕個人による痛烈な実写化に対する否定的な意見が書かれているので読むのには注意が必要である。

1月24日

住野よるの「かくしごと」という小説が映画化するらしい。しかも実写で。中三の頃から高三の今迄、何度も僕を救ってくれた小説が。こんなことを言う様な人間はファンとは言えないかもしれない。でも、僕はどうしても言いたい。僕は、この本を、実写化して欲しくない。僕はどうしても実写化が苦手だ。既に小説を読みながら自らの頭の中で構築してきた登場人物達を既存の人間に思いっきりぶち壊される様な感覚に襲われる。内容が改変されたり俳優の演技が解釈不一致、っていうか下手糞だったらもう論外だ。実写化するのを知ったのは昨晩のTwitterを見た際だった。余りの驚きに悪夢に魘される程だった。今読んでいる夏目の「草枕」を一旦中断して「かくしごと」を読む。電車の中で読んでいると、ふと過去の思い出がフラッシュバックする感覚に襲われた。この作品には余りにも思い出が詰まりすぎている。中でも僕が最も好きなのは「パラ」という登場人物の回だ。本当の自分を押し隠して理想のキャラを演じ、疲れ、悩む彼女に親近感を覚える。つい昨日迄高校なんて早く卒業したいなと思っていたのに、読んでいるうちに、未だ卒業したくない、寂しい、だなんて思わされる。青春小説を読むと良くそう思わされるのだが、この作品は特にだ。やっぱりこの作品だけは実写化して欲しくない。そう思った。

いいなと思ったら応援しよう!