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氷を溶かす熱と、犬。
また母のリクエストで見てきました。
原作は佐藤愛子(サトウハチローは異母兄)の同名エッセイ。すんません、流行り廃りに疎いもので、ベストセラー事実しりませんでした💦前回の大泉さんがシリアスなら、コチラはコメディ、ホッコリ気分が続き、なかなか良かったです。
地味なんだけど、知らないうちにグイグイ引っ張られる。最近の、普通ぅ〜の日本映画も捨てたもんじゃないな、と思いました。
それに、案外お客さんが多い😳ギリギリに入ったので暗くて客層見えず。後で書きますね。
あらすじは、唐沢寿明演じる口悪編集者と引退した直木賞作家佐藤愛子を演じる草笛光子との、バトル映画🤣🤣🤣コレは唐沢くん配役、アタリです。並の若僧俳優なら、草笛光子という大女優に負け、くすんだ映画になったと思います。彼が小汚いイメージにしたことで、御年90歳の草笛さんの若々しさ、美しさが際立つ。ホントに90?!うちの母より若そうなんだが😳(母は84)
実際、見たほうが面白いんで、思ったこと書きますね。
草笛さん、ヤッパリ上手い。昔の女優さんは目で演技してらした。高峰秀子さんなんかもそうですが、怒り、悲しみ、慈しみ、悔しさ、苦しさ、楽しい、笑う、泣く。全て目が物語っていると言っていいほどでした。
草笛さんは、市川崑監督の金田一シリーズで、大滝秀治と共に重要なちょい役で出演する事が多かった。巨匠が必ずその人をちょい役でも出す。これは如何に演技力が半端ないかの現れなのでは?と思います。
実際、彼女がナレーション入るだけでも、ピンと空気が張る。聴きやすく、諭されるような、どことなく皆の中に居る母親に言われてるような。女優さんの中でも朗読される方は多いが、彼女は別格です。ピンと張る糸が目に見えるのです。
唐沢さん、母に言わせると「あの、杉原千畝(岐阜八百津出身、同郷に池井戸潤)、やった人やろ?最初全然わからんかったわ」と。😆それほどの、昭和世代の編集者的ハチャメチャぶり🤣その性格災いして、家族も離れて行ってしまう😔
そして、知らんぷりしつつも、大事な所で家族を繋げるため、立ち上がる草笛さん。
泣けた。いや笑えた、どっちやねん!と怒られそうですが、これはふたりの友情物語なんです。
氷を溶かすって、よく言いますよね。
全力出し切って絶筆したから、書かない。これ、僕も経験者で。
無類の読書好きだった故、児玉清さん(華丸の「アタックチャーンス!」のモノマネで有名🤣)審査員の第一回アガサ・クリスティ大賞に応募したことあります(笑)。原稿数400枚以上。何だかガチャガチャしたミステリーで、とてつもないデカイ話でしたが、腱鞘炎になりながらも書き上げまして。書き上げた瞬間、「できたー!」の声と一緒に、机の前に置いてたメモ貼る物語プロップボードがいきなり倒れて来て。まるで誰かが手で倒したみたいな。それはいいとして、僕の全力だったからか、それ以来短編は書くが長編はダメでした。書けない。わかるんですよ。
まるで凝り固まったかのように、動かない。運動前にストレッチするものの、身体が、頭が言う事聞かない。氷を溶かす熱が、もう消えてしまうんです、、、
「なに言ってんですか!先生!書きましょうったら書きましょう!」熱がね、導火線に火つけるマッチがくるわけです🤣
唐沢さんの役は実在かは知りませんが、佐藤愛子に熱が入ったことは事実でしょう。でなければベストセラーもなし。この映画の草笛さんも見れなかった。運命、だったのかな?
あと一つ。コンタクトが流れるほど号泣したシーンがありまして。犬、です。佐藤さんの別荘に捨てられた犬。前のが死んでから飼わない(僕も🥲)と誓ったが、結局飼うことに。しかしその頃バリバリの作家さん、犬と向き合うことはなかった。晩飯の残りのゴチャゴチャ飯、これでウチの歴代犬は長生きした、と与え続けたら、ある時食べなくなる。頑なに食べる事拒否した犬は腎不全でなくなります。ペットと喋れると豪語するお友達が、その犬の墓前で言う「僕はあなたの事、嫌いじゃなかったですよ。でも、あの、ゴチャゴチャ飯、何ですか?あれ」。一晩ぢゅう、泣いたそうです。
僕の犬は、誤って化学肥料食べてしまったことがあり、病院に1週間だったかな、点滴受けて入院したことあります。「もう大丈夫!迎えに来てあげて下さい!」電話もらって行って、名前呼んだら奥の扉から、あの首につける傷口舐めんようにするのと、まだ抜けてない点滴チューブぶら下げて、走って来るんですよ。笑いながら。絶対に笑ってた。忘れられない。その時は我慢したけど今でも泣いちゃう。抱き締めて撫でたらオシッコ漏らしたことも覚えてる🤣その顔が思い出され。夜一人でホームセンターのペットコーナーで、犬見てきました。一言。犬って高ぇーな🤣
明かりがつくまで、感動噛み締めてらっしゃるのかな、お客さんだれも立たず。
面白かったねーと母と話し、出ようとすると、なんとまあ、殆どの人が母と同じように杖をついた方!😳なるほど~、場内暗いし、すぐ降りて来られん母みたいな人達の、おそらくはリピーターも含めての大ヒットなのでは、と思った所で今回も長文失礼、マル。