コンテナ船が 心のシャッターを壊したハナシ
< 食糧を奪いあう人々 >
その朝 テレビのBBC放送から
アフリカ スーダン国境付近の難民キャンプの映像が流れていた。
幼い少女が語る。
「まだ歩けない弟も おじさんも おばさんも みんな殺された
食べ物を奪うために殺された」
彼女は、もはや泣いてさえいなかった。
その時、遠くから砂煙をあげて数台のトラックが入って来た。
国連のトラックが、食糧を運んで来たのだ。
たちまち、あたりの人々が矢のように駆け出した。
それは、少女のインタビュー以上に、見るのがつらい光景だった。
空腹で疲れ切っているであろう人々が、必死で走っている。
難民キャンプでも、食べ物を奪いあわなければ生きてゆけない現実を突きつけられた。
それを観ていた私は、声をあげて泣き出してしまった。
普段なら、これくらいの映像で泣いたりしない。
いちいち感情移入していたら、身が持たないので
心にシャッターを下ろしているから。
だけど、この時はダメだった。
( ごめんね 助けてやれなくてごめんね 何もできなくてごめんね… 同じ人間なのに… )
そんな気持ちで、胸がいっぱいになった。
今 これを書いていてさえ、涙が流れる。
いったい、なぜ こんな事になったのだろうか?
思い当たるのは、ただ一つ。
放送の前夜に見た コンテナ船の写真が引き金になったとしか思えない。
それは ここnoteの記事だった。
物流会社の勤務でアフリカ・アジアの国々と貿易の仕事をされているという方の
コンテナ船の写真に魅了されて、ワクワクしながら記事を読んだ。
ふだん見る事のないコンテナ船のイメージが、私を海の向こうへと誘ったのだ。
一夜明けて、アフリカの惨状を見た時
前夜のコンテナ船の記憶が、あの難民キャンプとわたしの意識の間に
一気に 矢のように ルートを作ってしまったのだろう。
それは、どう説明していいか分からないが、恐ろしいほどのエネルギーだった。
一瞬 アタマが痺れるような感覚だった。
この時、心のシャッターがこわれたに違いない。
あのコンテナ船と難民キャンプの映像が、化学反応を起こして
わたしの脳のどこかを変えてしまったのだろうか。
この現象はCTスキャンに映るのだろうか?
試してみたいが、ちょっと怖い気分だ。
それはそれとして、すでに スカスカだったら もっと怖いが。
#コンテナ船 #アフリカ #スーダン #難民キャンプ #BBC #食糧
#シャッター #CTスキャン #脳