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ふわっと理解するDX~メンバーシップロックイン~


1. はじめに

みなさん、サブスク(サブスクリプション)サービスやポイントカード、メンバーズプログラムなどに登録したことはありますか?
いつの間にか「このサービスから離れられない」「他に乗り換えづらい」と感じたことがあれば、それは「メンバーシップロックイン」の仕組みが働いているからかもしれません。

今回は、この「メンバーシップロックイン」という言葉をふわっと理解できるように解説します。日常で見かける具体例も交えながら、「あ、そういうことか!」と思える内容をお届けしますね。



2. メンバーシップロックインとは何か?

「メンバーシップロックイン」とは、特定の企業やサービスにお客様を固定化する仕組みのことです。
簡単に言うと、「この会員制度やサービスから抜けると損だな」と感じさせることで、利用者がその企業やサービスに留まり続けるようにする戦略です。

たとえば:

  • サブスク型の音楽や動画配信サービス(SpotifyやNetflixなど)

  • 会員限定のポイント制度(楽天ポイント、Tポイントなど)

  • プロプランやプレミアム会員の追加特典が魅力的なサービス

これらは、便利さやお得感を提供することで、「他に乗り換えたくない」と思わせる工夫をしています。


3. メンバーシップロックインの具体例

【例1】音楽配信サービスのサブスク

SpotifyやApple Musicでは、毎月定額料金を支払うだけで、何百万曲もの音楽が聴き放題になります。
使い続けるほど自分好みのプレイリストが作られたり、お気に入りの曲やアルバムがライブラリに保存されたりします。
これにより、「他のサービスに乗り換えると、またイチから設定し直さなきゃ」と感じ、離れにくくなるのです。


【例2】ポイントプログラム

楽天市場やAmazonでは、買い物をするたびにポイントが貯まります。
ポイントを使うにはまたそのサービスを利用する必要があるため、「ポイントを無駄にしたくない」と思い、自然とリピートするようになります。

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こうした特典があることで、利用者は「他を選ぶ理由がない」と感じる仕組みができています。


【例3】フィットネスクラブやアプリの会員制度

月額制のジムやヨガスタジオも、メンバーシップロックインの典型例です。
入会金を払ってスタートし、コースやクラスに慣れれば慣れるほど、「続けないともったいない」と思う心理が働きます。
また、健康管理アプリが提供するプレミアムプランも、同じように「有料会員のほうが便利だから続けよう」と感じさせる仕掛けです。


4. メンバーシップロックインとDXの関係

デジタル技術を活用することで、メンバーシップロックインはさらに強力なものになります。
以下のポイントがその具体例です。

(1)利用データの活用

サービスを利用するたびに蓄積されるデータをもとに、個別に最適化された提案が行われます。
たとえば、Netflixが「あなたにおすすめの作品」を提案するように、ユーザーの好みにぴったり合ったサービスを提供します。

(2)利便性の向上

アプリやオンラインプラットフォームを使うことで、簡単に利用履歴を確認したり、次回の予約や購入がスムーズに行えたりします。
これにより、サービスを使い続ける価値が高まります。

(3)コミュニティの形成

会員限定のオンラインイベントやフォーラムを開催することで、利用者同士のつながりを作る仕組みも有効です。
ブランドやサービスを中心にしたコミュニティが形成されることで、離れにくくなる心理的なロックインが生まれます。


5. 終わりに

「メンバーシップロックイン」とは、私たちが日常でよく目にしている便利なサービスの裏に隠れた戦略です。
DXの力を活用することで、この仕組みはさらに進化し、利用者にとってよりお得で魅力的な体験を提供しています。

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