ふわっと理解するDX~マイクロサービス~
1. はじめに
デジタル技術が発展する中、DX(デジタルトランスフォーメーション)は私たちの生活にもどんどん浸透しています。そんなDXに関わるキーワードの一つに「マイクロサービス」という言葉があります。ちょっと専門的に聞こえるかもしれませんが、わかりやすく言うと、サービスやアプリの機能を細かいパーツに分けて、それぞれ独立して運営する方法です。
たとえば、普段使っているアプリで新機能が追加されても、他の機能に影響が出ないのは、マイクロサービスの考え方が活かされているからなんです。今回は、マイクロサービスが何なのか、そしてどうやって私たちの生活を便利にしているのかを解説していきます!
2. マイクロサービスとは何か
マイクロサービスとは、一つの大きなシステムをいくつもの小さな「サービス(機能)」に分けて、それぞれが独立して運営できる仕組みのことを言います。
従来の開発方法では、システム全体が一つの「モノリシック(モノ=一つ、リシック=構造)」な形で作られることが多く、一つの部分を変えると他の部分に影響が出てしまうという難点がありました。例えば、ECサイトで支払いシステムを変更したい時、全体に影響が出てしまうことも少なくありませんでした。
一方、マイクロサービスでは、システムが独立した小さなサービスに分かれているため、例えば「ログイン」「商品検索」「支払い」「レビュー」などの機能ごとに独立して運営・開発できます。このため、それぞれの部分を個別にアップデートや修正できるんです。結果的に、よりスピーディに新しい機能を追加したり、問題が発生した場合に部分的に修正することが可能になります。
3. 具体例は?
では、マイクロサービスの例をいくつか挙げてみましょう。
SNSアプリの通知機能
例えば、インスタグラムやツイッターのようなSNSアプリでは、投稿・コメント・メッセージ・通知といったそれぞれの機能が独立しています。マイクロサービスを使っていることで、新しい通知方法を追加しても、他の機能に影響を与えないようになっています。これにより、ユーザー体験をスムーズに保ちながら、新機能をスピーディに実装できるのです。Uber Eatsの配達追跡機能
Uber Eatsのようなサービスでは、「メニュー表示」「注文」「支払い」「配達追跡」などが、それぞれの機能に分かれています。配達員が今どこにいるかをリアルタイムで確認できる機能も、マイクロサービスによって独立して管理されているので、アップデートや不具合修正も素早く行われます。また、新しい支払い方法が追加されても、配達の追跡機能には影響を与えず、部分的な改善が可能です。Amazonのショッピング機能
Amazonでは、商品の検索、カートへの追加、支払い方法の選択、発送の確認といった各機能が独立しています。例えば、支払いに関する機能に変更があっても、検索機能やカート機能には影響が出ないようになっており、各機能がそれぞれ別の「小さなサービス」として動いています。これにより、様々な機能の拡張や改善が、ユーザーに迷惑をかけることなく行われています。
4. マイクロサービスのメリット
マイクロサービスには、たくさんのメリットがあります。代表的なものを見てみましょう。
迅速な開発・リリースが可能
マイクロサービスにより、各機能を個別にリリース・アップデートできるため、必要な部分のみをスピーディに改善できます。これにより、新しいアイデアをすぐに実装しやすくなります。障害の影響を最小限に抑えられる
マイクロサービスでは、ある機能に問題が生じても他の機能には影響が少ないです。例えば、支払い機能が一時的に停止しても、商品の検索やカートの利用は引き続き行えるという利点があります。チームの分業がしやすい
マイクロサービスを導入すると、各機能ごとに開発チームを分けることができるため、異なるチームが同時に開発や改善に取り組めます。これにより、開発のスピードと効率がアップします。
5. 終わりに
マイクロサービスは、現代のDXの中で重要な役割を果たしており、柔軟でスピーディなシステム開発を可能にしています。普段使っているサービスやアプリが頻繁にアップデートされ、新しい機能が追加される背景には、このマイクロサービスの仕組みが活かされています。
次にアプリやサービスを利用するときは、それぞれの機能が独立して作られていることを少し意識してみると、マイクロサービスのありがたみを感じられるかもしれませんね。