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社長が体調不良に#4:84歳社長が死んだら終わる会社

就職先は地方の家族経営の町工場。84歳社長が全てを取り仕切っている。
社長が死んだら、どうなるか誰にも分からない。

前回の記事では、方針転換した理由を予告していたけれど、イベント発生したら、リアルタイム情報を書きます。


昨日の朝、明らかに社長の体調が悪そうだった。

話を聞くと、下痢で一晩中寝れなかったらしい。

それなら、会社に来ずに、病院に行って寝ててほしいが、もう、会社に来ることが習慣になっている。


朝からずっと、椅子に座っては、寝ている。目が覚めたかと思えば、コクリ、コクリと。

1日中ずっとそんな感じだった。

帰って、寝たら?と言っても帰ることもなく、結局、夕方までぐったりしていた。食欲がなく、ご飯も全然食べてないらしい。

僕は、事務所に机が有って飲み物を置いていたので、自然に見に行けるが、他のおじさんたちは、普段あまり事務所に入ってこない。

そうすると、工場のおじさんたちから、1時間も経たないうちに「社長が息をしているか見てこい」と、かわるがわる言われる。


オジサンたちも、年齢が上な分、いろんな経験をしている。
「うちの爺さんは、椅子に座ったまま、いつの間にか死んでいた」と言われると、10分前に行ってても、見に行こうかと思う。
昨日は、息を引き取ることもなく、夕方に帰宅。


毎日6時くらいには会社に来ているらしいけど、今日は、8時頃に会社に来た。引き続き、調子が悪いらしく、病院に行くとの事。

病院に行ったら、そのまま家に帰って寝ているかなと思ったけど、病院終わりで会社に来る。

点滴を打ってもらったら、少しは良くなったらしい。
医者に夏風邪をどこかでもらってきたのだろうと言われ、苦い薬を飲んでいた。


84歳のお爺ちゃん。
毎日6時くらいに会社に来て、夕方帰っていく。1年中、土日も祝日もほとんど会社に来ている。
そのうえ、このクソ暑い中、帰ってから、毎日畑の草取りをしていたらしい。

去年は暑くなかったけど、今年は暑いとか、もう、ボケているのか、体が熱を感じなくなっているのか、分からない発言もしている。
水分は取っていると言っているが、怪しいものである。


事務所は去年までボロボロのエアコンで、扇風機をかけても暑かったが、今年はエアコンを新しく導入して、事務所と工場内の温度差がすごい。
それを1時間に1回くらい行ったり来たりしている。

84歳の色々持病のあるお爺ちゃんが、こんなのを毎日何回も繰り返していたら、冬場のヒートショックと同じ現象が起こりそうで怖い。


50年以上、自分のやり方で生きてきた、創業社長。

家族や従業員が何かを言っても、素直には聞かない。本人は大丈夫だと言っている。


会社や自分の仕事や将来よりも、単純に84歳のお爺ちゃんの健康が心配である。

次回 今回の話の続き

前回

最初から



登場人物 会社の人たち

僕:この物語を実況している人。入社3年目のアラフォーおじさん。

社長:50年以上前に創業した町工場の社長:84歳
奥さん:社長の奥さん。お金周りを担当:70代後半
専務:創業時からいる社長の弟。最近間違いが多い:80代
孫くん:社長の孫。最近会社に来ていない:20代前半
娘さん:社長の娘。月に1週間くらい来て事務をする:50代
ベテラン職人:何でもできるがこだわりも強い。社長の義理の弟:70代半ば
取付職人:現場の取り付け担当。最初だけ丁寧:70代半ば
営業:いつも適当な図面を描いてくる:60代後半

中堅職人:新卒で就職したが独立、従業員ではないが、手伝ってくれている:50代

登場人物 社外の人たち
またそのうち。


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