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就職先は84歳の社長が死んだら終わる会社。はじめてのnote

就職先の会社

3年前に就職した会社は小さな町工場。
84歳の社長が50年以上前に創業した金属加工会社。

時代に乗って、売り上げ10億円を超えていた会社も現在は5千万円ちょっと。
50人以上いた従業員も、今は正社員2人と、昔から働いていた60代後半から80代のお爺ちゃん達。

正社員の1人は社長の孫で、去年からほとんど会社に来ていない。もう1人が僕。

給料は、毎月20万円。ボーナスなし。
職人として給料は安いと思うけど、みんなお爺ちゃんなので、のんびりマイペースで残業もほぼなく、ノルマもない。


事実は小説より奇なり


84歳社長がすべてを仕切る会社。

現在進行形で物語は進んでいて、84歳の社長があとどのくらい生きられるのかは誰にもわからない。

自分がその物語の登場人物の1人でもあり、観察者でもある。

面白い話になるのか、突然あっけなく終わるのか。
現実に起こっている事だからこそのわくわく感がある。


物語の舞台と登場人物たち

自己紹介や入社の経緯などは、後回しにして、会社の話を。


作っているものは、手すりや流し台などの金属加工品。設備は償却が終わっていて、人件費も低く、会社として利益は出ている。

今、仕事の受注や見積もり、取引先との交渉、材料や備品の発注、意思決定等、ほとんど84歳の社長がやっている。
役員として専務(社長の弟・80代)はいても、年齢的にも能力的にも継ぐことはない。社長の奥さん(70代後半)と娘(月に1週間くらい来る)がお金周りの事をしている、典型的な家族経営の会社である。
社長の息子も、昔働いていたみたいだけど、合わずに辞めて、継ぐ気もないらしい。

5年くらい前に社長の孫(20代前半)が入社し、後継ぎはできたけれど、本人は会社にも来ずに色々好きにやっている。継ぎたいと言ったり、それどころじゃないという感じだったり。

会社の土地や建物、設備、仕事や信頼は有って、利益も出ているけど、借金もある。
今は利益が出ていても、主力メンバーは70代後半から。5年後に生きている人の方が少ないかもしれない。

20代の若者に、借金のある会社を押し付けるのもなぁ・・・と思う。


大きな問題

中小企業あるあるだと思うけど、借金が有ったり、社長への未払いの報酬などが膨らんでいて、それを放棄しても、親族が相続しても、超高額の税金が発生する。

会社だけではなく、社長の個人の資産も含めた、相続の問題が発生するので、他人が下手に口出しできる問題でもない。

社長は小さいころからガキ大将で、会社でも地域でも家でもずっと親分をやってきた80代の日本人男性。自分のネガティブな面でもあるお金問題を、家族で話し合うなんてできない。

相続放棄の話を社長が知っているのかどうかは知らないけど、イエやムラの文化を生きてきて、子どもが継ぐものだと思っている感もある。


僕の選択肢

どこかの下請けでもなく、規格品を作っているわけでもなく、全てオーダーメイド品を作っているので、仕事としては面白く、利益率も高く、社会にも必要とされていて、人がいればもっと仕事を受けられる。

でも、やっぱり、こんな小さな町工場で安い給料で求人を出しても人は集まらない・・・

と、思うかもしれないけど、僕が中途半端に優秀なせいで、本気を出したら、こんな潰れそうな給料の安い町工場に、毎週のように若者から応募が来ていた。僕自身も、完全に想定外で、選考方法や教育なんか全く考えておらず、内定者もいたけど、すぐに辞めていった。

たぶん、今やっても、それなりに人を集められると思う。

 

なぜ、やらないのか?


それは、この会社を存続させることが、良いことかわからないから。
そして、入社してくる人に対しても不誠実を感じるから。


理由は単純で、孫くん以外の親族は会社を継ぐ気がない。むしろ、社長が死んだら、相続放棄をしようと考えている。

孫くんもやる気があるならいいけど、1年半くらい会社にほとんど来ておらず、自分でお店を出して、うまくいって、今は継ぎたい気持ちも下がっている。


もし、僕が入社しなければ、社長が死んだら、終わっていた会社だと思う。

もし、僕が言われたことをやるだけの社員でも、社長が死んだら終わりだと思う。

もし、僕がすごく優秀で、お金を稼ぐことが好きだったら、会社を復活させていたと思う。

僕が中途半端に優秀で、やる気がないから、迷っている。

本気を出せば、会社を存続させららるような気はしている。でも、やる気もないし、社長の家族の事も考えると、きれいさっぱり終わらせた方が良いかと思ったり。もしくは、社長が元気なうちに会社を売却するか。


物語化してみる


この数年間、自分一人で楽しんでいた物語。
リアルの世界でゲームをしている感覚もある。

ふと、エンタメとして面白いんじゃないかと思った。

YouTubeでゲーム実況チャンネル風にやれば、人気が出るかもしれないけど、そこまで時間やエネルギーをかける気もない。
写真は得意ではないし、キラキラもしていないので、インスタもなし。
Facebookやブログはもう時代遅れ感だし、特定されやすそう。
Xで140文字にまとめるのも難しい。

絵が描ければ漫画にしたいが、そんな技術もセンスもないので、noteにしてみた。
他の人のnoteを見たこともないし、自分で書いたこともないので、こんなのでいいのかわからないけど、少しずつ書いていこうと思う。


余談


中学生のころから、ジャンプ(フィクション)よりも新聞(事実)の方が面白かった。10代後半は友達と遊んだりゲームをするよりも、ヤフーニュースとWikipediaをとにかく見ていて、株式投資もしていた(収支はかなりマイナス)。
波乱万丈な20代を過ごし、30代半ばで結婚を控えた底辺フリーターが、東証上場企業(年収700万以上も可)から正社員の誘いもあったのに、直感的に今の会社の方が面白そうだと思って入社した。

詳しい自己紹介は別記事で。

そんなちょっと変わったおじさんが書いています。



※お願い
現在進行形の現実世界の話です。詳しい人なら特定できると思いますが、特定しないでください。企業経営に実害が出ると、法的手段を含めた対応が必要になります。


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