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伊香保温泉③松本楼 ぴのん
石段街を観光した後、バスターミナル右側の道を徒歩で6分ほど直進。
路面電車が展示されている峠の公園と共に、
ホテル松本楼が前方に見えてきます。
最後にホテルに対して左側の道を歩き進めば、松本楼ぴのんに到着です。
観光地から歩いても約12分ほど。
真夏はキツいかもしれませんが、
それ以外の季節ならば問題なく歩いて行ける距離です。
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PM3:00。
チェックイン開始時刻なので、すでに4組の宿泊者の方々がお越しでした。
ワタクシはレストラン側で待機となり、
その間ぶどうジュースをいただきました。
順番がきて、館内と朝夕の食事について一通り説明を受けた後、
地下1階の部屋へ案内されました。
【部屋:シングルルーム 地下1階】
勝手ながら「地下」と聞いて、薄暗い印象を持っておりました。
ですが、従来の地下と同じように考える必要はございません。
光が差し込むタイプの地下です。
調べていないので個人的な見解ですが、
恐らく坂道に建設しているが故の構造かもしれません。
玄関が1階で、ワタクシの部屋が地下1階。
玄関側が坂の高い方。部屋が低い方という造りです。
実際、後述する貸切風呂は地下2階に位置していますが、
連絡通路から見えるのは住宅街です。
穴倉や洞窟の内部ではございません。
TVはYouTubeやNetflixなどに対応している中型タイプでした。
シングルルームにしては大きい方です。
ローカルTVのCMを楽しんだ後は、
にじさんじのMVやライブ、西園寺トラベル、ぽんぽこちゃんねる、私立パラの丸高を延々と眺めていました。
【貸切風呂:地下2階】
今回1番のメインです。
地下2階に4種類(泉質は2種)の貸切風呂がございます。
部屋の端末から空き状況と滞在時間が閲覧できます。
ワタクシは地下1階の部屋だったこともあり、
空きを確認し次第、すぐに向かうことができたので、
移動中に先を越されてしまう心配がありませんでした。
これは大きなメリットでした。
①黄金の湯【こがね籠もり湯(2ヶ所)】
じんわり身体を温めてくれます。
湯のまろやかさが足先を浸した瞬間からわかります。
部屋から空き状況を見るたびに、
「入浴中」の文字が表示されている回数が多いのも、こちらの湯でした。
皆さんにとっても、お気に入りの湯となっているようです。
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さて、【こがね籠もり湯(2ヶ所)】と表記した理由です。
次にご説明する白銀の湯は完全に部屋が分かれていますが、
こちらの湯は天井が繋がっております。
つまり、会話が丸聞こえになる可能性があります。
「大きい声で話さないように」という注意書きがあるのと、
ワタクシが伺った日は常識的な方々ばかりでしたので、
会話していることがあっても、
小声のため内容まではわからないという状況でした。
白銀の湯に比べると、浴場がやや暗い雰囲気なので、
シャワーの音がしたり話し声が聞こえると、
個人的には安心感がありました。
今回8回ほど入浴しましたが、その内の6回は黄金の湯です。
今まで経験した温泉の中で、最も自分に合うと感じました。
いつも熱い湯に5分も入っていることができないのですが、
気づいたら15分経過していたのも、こちらの湯です。
②白銀の湯【月の桜】・【藤ウサギ】
黄金の湯よりも後に発見された湯だそうです。
色は誰もが見慣れている無色透明。
【月の桜】は木製チェアが2台。
湯から上がった後に横になることができます。
浴槽には背もたれ付きの腰掛け台があり、肩湯を楽しめます。
正直ワタクシには熱すぎて、肩湯は到底不可能でした。
肩と背の厚みがあと8cmくらいあれば、耐えられたかもしれません。
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【藤ウサギ】
段差はどの浴槽にもありますが、
こちらには寝そべることができるくらい浅い箇所がございます。
「使い方を誤っている気がする」と思いながらも、
全身をこれでもかというくらい伸ばして入浴しました。
打ちあがった死体でもこんな格好をしないでしょう。
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【入浴に関するあれこれ】
・貸切風呂すべてにアメニティやドライヤーが完備されています。クレンジング~乳液まで揃っているので、何も持っていく必要がありません。男性用の商品も置いてありました。長い髪の人は髪留めくらいでしょうか?
・入浴前後の飲水は、廊下の向かいにある【ゆあがりサロン】でいただけます。常温と冷水が選べます。エアコンがあるので、寒さを凌ぐのにちょうど良かったです。
・浴場では空き状況が把握できません。扉に少し触れて鍵がかかっているかで判断してください。電気がついているかは、消し忘れなどもあるので関係ありません。連続で入浴したい時は【ゆあがりサロン】で待機し、様子を伺っていました。
・本館であるホテル松本楼のお風呂が利用できます。徒歩2分程度で到着できる位置なのですが、ワタクシは面倒くさくて寒くて断念しました。
【ディナー】
フレンチです。
フレンチなのですが、随所に中華を感じます。
中華好きにとっては嬉しい限りですし、食べていて面白いなと感じました。
パンの種類が選択できるのですが、ワタクシは蒸しパンにしました。
大当たりでした。ぴのん製だろうとなかろうと、とにかく美味しい。
ほのかな甘みがクセになります。
スタッフの方から言われる前に、お代わりを要求する卑しい女に成り下がりました。
レストランは開放感のある高い天井に、
アンティーク家具で統一されたクラシカルな空間。
一見セミフォーマルな装いをした方が良さそうですが、ご安心を。
館内着の浴衣でOK。お箸の使用OK。
かしこまる必要はございません。
ワタクシ自身、坂道や階段に対応するためスニーカーでした。
リュックサック1つで替えの靴も持っていかなかったので、
不安しかなかったのですが、いらしている方々も軽装。
もちろん浴衣の方もいらっしゃいました。
お部屋や貸切風呂だけでなく、レストランまでリラックス空間とは恐れ入りました。
【モーニング】
中華を選択。
お粥・スープ・点心・サラダ・メロンのセットです。
(その他、洋食。ホテル松本楼のバイキングが選べます)
視覚から入る情報より、意外とお腹に溜る量です。
朝からお粥が食べられても、
点心を提供してくれる場所は少ないのでありがたいです。
【総評】
サービスに対して、宿泊費が安すぎて怒っています。
一人旅は割高が当たり前です。
訪問時期によるのでしょうが、
15,000円程度でこれだけの幸せな滞在を味わえる宿は珍しいです。
立地、問題なし。温泉、異論なし。料理、賞賛しかない。
スタッフの方々のご対応、植木鉢付きの花丸。
宿泊費だけです。
文句があるのは。
ぴのんのコンセプトの1つでもありますが、
女性一人でも安心して来てください。いや、むしろ来い。
煩わしいことから解放されて引きこもるのも、
悪くないですよ。