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莉調律
その日は12月25日のクリスマス真っ只なか。日本には関係ない行事とはもう言えなくなっている風潮。この日にネットで出会った同県のかたとお近くの山形に日帰りで旅行をしてきた。前々からクリスマスの予定はないだろうなと思っていて、お声がけしたら喜んで承諾してくれた。
それからはどこに行くかとか色々と話し合って計画を立てた……が、後から落ち度がたくさんあったことに気付かされることになる。
当日は待ち合わせ場所まで車で来てもらって自分の運転で向かったーいくらか時間が押していたからちょっと急いだ。と言うか車のナビとスマホのナビに誤差があってーそんなこともあるのかー帰宅してきてから通ってきた経路をザッと改めて調べてみたら、1時間ほど遠回りをさせられていたらしい。元から行きかたは一番時間がかかる道で決めていたのだけれど……。
そして鶴岡までの道はいいとしてそこからの目的地までが問題だった。走っている途中で上から来たはずが下から回ってないかと言う錯覚になった。看板に書いてある区域の名前を見て。まぁそのおかげで月山の綺麗な雪景色を眺められたわけではあるが。
23日からの3日間は雪まじりの天気予報だったけど最後の日は一番に天気がよくて日が差す時間も多かった。右も左も太陽が雪を照り返して白銀の世界でキラキラしてたし、林が粉雪を被って集まったところはヨーロッパのおとぎ話しに出てくる世界感で雰囲気があった。でもさすがに永遠と続く道には不安になるし疲れるはで、やっと街が見えてくるとすごく嬉しがった。
それでお目当ての銀山温泉に行ったはいいが、ここは観光問題が色々とあったらしく……らしくと言うことはその通り、帰って調べてから気づいたのである。なにも知らず両脇に旅館が立ち並ぶ道を車で進んで行ったら眼前にはそれらしき情緒ある建物が見えた。でも別にそれはあの綺麗な写真の趣きある建物でもなんでもなくて硬い感じの旅館だった。けれど頭に雪を乗せたそれでさえも遠目から雰囲気あるな〜と思わせるのだからスノーマジックはすごいなぁ〜、ほんとに温泉街に来たんだなってちゃんと実感はした。しかしその手間の橋には無数の人が歩いていて眺めていればタクシー一台が通るのもやっとの状態で自家用車なんてものは一台もなかった……と言うことはまず引き返さないといけなくなる。行こうと思っていたカフェとかご飯屋さんなんかもその向こうにあるんだけど……と、思いながら渋々。
それから上まで登ってきて共同駐車場があるみたいだからと探したけどなかった。雪も多かったし空いてるところにちょっと車を止めてどうしようかと言ってたところ、向かえの駐車場管理の人がこっちに来てくれた。そのかたに聞いたところ、もっと下の来た道にあった大きい施設でバスに乗るしかないと言われたがそんなん分からんて……って思ったのが正直。調べておかないのも悪かったけれど。たまにここの道も警察が見回りに来ると言われればなおさら苦笑いしかできない。まずかったやんて……。
その大きい施設もクリスマスの時期的にか混んでたみたいで時間かかったら困るしで結局は諦めた。銀山温泉は外国人観光客が多くなったためにかそれに伴って対策を始めたようで? マイカー規制もその一つ? ちょうど被っていたらしい。なにかで見たら日帰り客用の駐車場もあったみたいな感じだったが。
今まぁまぁこんな交通の便であれば訪れるのはちょっと考えるところ。旅館に確実に泊まるのが策と覚えたほうがよさそうだと感じた。
そこから次に山にあるお地蔵さんも見に行こうとしてたけどその途中の曲がる道が工事をしていてダメだった……? でもこれも帰ってから再度マップで見たところ、友達が追ってくれてたマップとなんか変だなって感じがしていた。途中からもう全部任せっきりにしていてしまったからナビも一応つけておけばよかったかなと言う反省。
その後の新庄城跡は見て回れて近くの人気なカフェでご飯を食べた。クリスマスだからカウンターの椅子にサンタクロースが座ってたりピノキオの飾りとか置物があってかわいかった。それにすごい安いし向かいに座った友達が見かけよりよく食べることに驚いた。食べるのも早いし。初対面の友達との新鮮さってこんなところにあったりなんて思ったりしていた。
店を出たら一気に雲が垂れ込めて暗くなり出していた。それでもまだ4時ぐらい。カフェに駐車場はなくて駅に停めたから行き帰りと駅内を横切ったけど、新しめなのか綺麗で思わず写真を何枚か撮った。この時期はどこもそうだけど、イルミネーションが輝いていて目を引く。
最後は完全に暗くなってから鶴岡の物産館で滑り込みセーフのお買い物をしていった。選ぶ時間もないから超てきとうにだけど。
店を出たら暗闇に自分の車一台しかないことが非日常感を漂わせ、光っていた塔? がなんか綺麗で温泉街の代わりだと写真を一枚撮ってきた。行き慣れたはずの場所が朝と夜で見せる顔がこんなに違うんだと思った瞬間。
そして自分の町へ帰り着くにはこれからまだまだずっと夜道を走らなければならない。私はぶっちゃけ数年ぶりくらいに夜の運転をしていたけど、まぁ意外といけるんだなと分かった。
結局のところ行き帰りで合計で役10時間くらいにはなったかもしれないからこれであれば一泊したほうが最善。
旅って難しいしうまく行く行かないのって言うはなんなんだろう……と考えたとき、今までのことも振り返ると事前に調べていくことの重要さと限られたなかでの時間の使い方を思い出した!! もっと近場の鶴岡でも楽しめたところはいっぱいあったと後悔のようなものが脳裏を過っても、こうと決めたからには変えたくなかった意地もあったし楽しめたからまずいい。第二の候補は次行けばいい、他に行くところももう決めてあるし、初めての人とはよくやったとお互いが自分のことを讃えてあげていればいいなーなんて思う。そんな色んなことを感じた初旅だった。