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運営バカの頭の中


はじめに

 初めまして。大阪大学2022年度入学の石塚陽広(コケノヒト)です。名前の知らない人も多いと思いますが、たぶん姿は見たことあるでしょう。今年のCC7の募集画面で走ってた人です。あの画像すごいいいですよね。お気に入りです。

CC7 2023でデモンストレーションをするコケノヒト

 運営を経験した人の中には、運営が辛く、しんどく、もうやりたくないと思った人もいると思います。僕も今年一番ブラックだったといわれている中高生選手権では他では味わえない経験をしました。しかし、一部の人はそれを経験してもまた運営しているのです。

 いつも運営している人はなぜ運営しているのか、何を考えているのか。そんな、いつも運営している運営バカの頭の中をお話ししていきたいと思います。前半は運営で考えていること、中盤は運営の思い出、後半は第6回阪神奈大会についてです。長く散らかった文章なのでおなか一杯になったら、読むのをやめてください。

運営中何を考えているのか

目的と目標を意識した形作り

 大会運営で大切なのは大会の目的目標です。これは明確な文章になってなくても必ずあります。
 
個人的には目的と目標を次のように考えています。
目的:大会を開催する理由
目標:どのような大会を作り上げたいか

大会の規模感や競技への追求度合いも一緒に考えるといいでしょう。

6月の壮行会ではこのように設定しました。
目的:壮行会の目的は日本代表の壮行費を集めること
目標:参加者には日本代表を身近に感じてもらう

 それぞれの大会に合った目的と目標の設定が、大会や練習会の個性になっていくと思います。また、運営上の判断で困ったときの基準の一つとしても使えるでしょう。

運営パズル

 大会の大枠が決まれば、あとは大会の目的や目標に会うように各仕事をパスルのように当てはめていくことが大切です。この時のピースの数は運営経験の数に比例すると思っています。

 「申込よろしく」と大きなピースで渡してしまうと、相手も仕事の内容がつかみづらくパンクしやすいです。「要項の内容収集」、「要項作成」、「JOYの設定」のようにピースを分けてお願いすると作業の負荷は減ります。

 ただ、どこで仕事を区切るかは非常に難しいです。これは三役の腕の見せ所でしょう。

大会中はずっと不安

 運営中の僕は基本的にずっと不安です。不安の内容は、競技者が怪我していないかと、渉外問題が起きていないかの二つがほとんどです。もちろん、競技が成立するかも心配ですが、そんなことよりも参加者の安全です。

 大きな怪我は地元の方々に危険なスポーツの印象を与え、なにより競技者人生に一番影響を与えます。遭難していないか、崖から落ちていないかずっと心配しています。もう未帰還者がいると表彰式も楽しめません。未帰還者がいなかったら撤収に行かないといけないので、それどころではないですが。

 あとは、目の前の作業に忙殺されています。実は計セン担当もいつ優勝確定なのか、分かりやすいリレーでも分かっていないことがあります。中高生大会も気が付いたら優勝が決まってました。一緒にお祝いしたい気持ちはありますが、その間にも選手は帰還してきます。休んでる暇はないね。

運営のモチベーション

現実逃避のため

 最近、現実逃避のために運営をしています。提出できなかった課題と落とした単位は帰ってきません。前を向きましょう。なんと、オリエンをやっている間はまだ出していないレポートのことも、寝坊した授業のことも考えなくていいのです。素晴らしいじゃないですか。

 昔から一人で動くことは嫌いではありませんでした。一人で青春18きっぷを握って旅行に行ったり、電車を見に行ったり。
一人でいれば周りの評価から一時的に解放されます。勉強しなくても誰からも怒られません。まして、次の電車を考えることは一人旅では大切なことであり、他のことより優先するべき事項です。

 オリエンも同じだと思います。オリエン中にレポートのことを考え始めたら終戦です。雑念を取り払い、頭の中をオリエン一色にして走ることが大切なのです。スマホを持ったまま出走しないので、連絡を気にする必要もないしね。

 個人的には運営は心の避難場所です。どうしようもないとき、運営を言い訳に使って問題を考えることをやめるのです。そして、やる気が出てきたらまた課題に戻ります。

頑張る人のため

 やっぱり運営が辛いときもあります。できるだけ考えないようにしていても、なんで運営しているんだろうって考え始めることもあります。でも、そこで流れてくるのはオリエン部のトレーニングの記録です。毎日コツコツとトレーニングを積んでいる仲間や、大会に向けて調整している報告を聞くとやらなきゃと思えます。

 ぜひ自分のトレーニングを発信して下さい。それは、ライバルへの刺激となり、運営者のモチベーションになります。中高生選手権は心が折れそうになったときに、大会に向けてトレーニングしているツイートをみて何とかスタリを完成させました。俺が見るから発信してくれ。

頑張る人のため2

 オリエンの構造はクイズと一緒だと考えています。問題を考えるCPがいて、その問題を解く競技者がいる。つまり、オリエンのトレーニングをするには絶対に競技者以外の人が必要なのです。

 自分が競技で活躍できない分、競技を頑張る人のトレーニング機会を提供する。部のトレーニングを企画するときはその一心で運営しています。近い大会は何か?その大会で必要とされる能力は何か?運営者も競技者と同じぐらい対策する必要があるってことですね。

 今年のインカレスプリントでは、阪大のキャンパスで大量の立ち禁を使用したコースでトレーニングしてもらいました。大会当日は僕の想像を上回る立ち禁が張られ、エリート選手も立ち禁に困惑している様子が見られました。これは対策側の敗北です。阪大の皆さん。来年の予想コースは今年のやつより対策レベルを上げます。期待しててください。

運営リレーのバトン

 運営は実質リレーです。誰か一人でもDisqをすると大会は開催できません。とにかく自分でDisqにならないことを考えます。なんとか次の人にバトンをつなげるように。ヤバかったら代走を用意してもいいのです。とにかく、止めてはいけないのです。辛くなって心が折れそうになっても、他の運営者からのバトンだと思いもうひと踏ん張りします。

大会の重役はこのバトンが途切れないように、考え続けましょう。運営者の様子を気遣い、ヤバそうなら交代する、余裕そうならペースアップを提案してみる。各走者のコースを知るという意味でも、各役職を一度経験することは大切でしょう。

運営の歴史

 運営の真面目な話はここまで。ここからは今までに運営した主な大会を思い出や学んだこと一緒に振り返ってみようと思います。

第2回crazy festival 2022/11/19
計セン・印刷
初めての運営なのに、めっちゃブラック。大会数日前に部室のプリンターが故障し、石塚の家でほとんどを印刷。実委はeeeki

途中で力尽きた部のプリンター

2022年度阪神奈新人運営練大会 2023/1/14
コースプランナー・印刷
てれゴン生誕記念祭。晴れていたら頂上から奇麗な景色が見えたのに、雨が降って大惨事になった大会。いい会場、いいテレイン(北側)だった。

雨で何も見えない山頂
是非晴れた石部・雨山へ

エキチャンズカップ 2022/3/25
ほとんど
初めての一人運営。追いコン前のイベントとして運営したが、初計センで1日2レースは無理があった。とはいえ、計センの中身などを理解でき大きな経験になった。

桜舞うスプリント

藤澤ゆい壮行会 2023/6/24
大会責任者
タイムスケジュールの見積もりを甘く考えてしまった大会。全てバタバタだったが、先輩方になんとか成り立たせてもらった。タイムスケジュールの感覚を身に着けるいい経験になった。
募:運営者で帰り際にアイスを食べた写真

クラブカップ7人リレー2023 2023/9/17
計センとか
初めての全国規模大会。ここで世界が変わる。全日本にかかわっているsahoさんやRitoさんとお話しし、運営に誘われる。また、他の大学生運営者ともたくさん話し運営仲間が一気に増える。いつも相談に乗っていただきありがとうございます。

ちゃんと運営してる えらい

キャンパスOツアー at 大阪大学 2023/11/18
大会責任者
表彰式をやろうと思ったら、事前にお勧めしていた大学のカレー屋にみんなが行き過ぎて誰もいなかった記憶。みんなも鯨屋のカレーを食べよう!
とはいえ、表彰のタイミングや時間を特に気にし始めたのはこの大会がきっかけ。

自分で撮ったとは思えない宣伝画像

全日本スプリント2023 2024/1/7
スタート
オンラインコントロールを使用した出走者チェックでは計センの知識が役に立つ。スタートは当日役職で軽く見られがちだが、計時システムの知識がある程度ないと細かいミスが生まれる気がした。風でデフが飛んだ時ほど肝が冷えた瞬間はない。

圧倒的存在感の遅刻枠

2023年度阪神奈新人運営練大会 2024/1/13
イベントアドバイザー
同期と二人体制でEAを行う。二人いることの素晴らしさに気がつく。試走等もどちらかが行ければいいので日程調整に余裕ができたし、競技面、運営面の苦手部分をお互いに補えた。初運営でSIACを使いこなした後輩たちは神。

eeekiに鶴見緑地で印刷ミスの大柳生の地図を渡してファシュタさせようとする

阪大OLC45周年大会 第5回阪神奈大会 2024/2/23~24
計セン・備品・グラウンド企画
45周年大会では計センのほとんどを管轄。Eカード変更やバックアップラベルのチェックを1人で行っていたため常にパンク寸前だった。計センに有識者を2人置くか、受付にmulkaに詳しい人を置くことが大切だと感じた。
阪神奈大会ではグラウンドでmaze-Oを開催。同期の神コース?により好評を得る。準備も簡単だし、またやろう。

楽しい

ハンシンナの岩崎松本橋本川瀬壮行会 2024/6/16
ほとんど
いつも通っているキャンパスなので、夜中に修正したりやりたい放題。大学の備品を借りた結果、備品配車も無しで運営終了。逃走中のハンターはみんな速くて絶望レベル。

速すぎるハンターたち

FRENSON JUNIOR CUP 2024 2024/8/23~25
計セン・会計・備品?
前年にPCのデータが吹き飛び贖罪のために入った運営だったが、いろいろやることに。オンラインコントロールの使い方など、計セン上級編の内容についていろいろ学ぶ。

夜中の3時に撮られた画像
前日の片付けと翌日の設定を終わらせしばしの休憩 

クラブカップ7人リレー2024 2024/9/28~29
BGM・いろいろ
昨年とは変わり、ほとんどの運営者が大学生になる。特に千葉大運営者とはまっちさんしか話したことが無かったので、すごい新鮮だった。仮設トイレの難しさを学ぶ。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

激ムズポスト、撤収でも迷う

阪神奈秋の公開練習会 2023/10/5
大会責任者
龍谷大スプリントが中止になったため急遽開催した練習会。とにかく走りたいという参加者のために走り放題プランを設定。結果として、ほとんどの人が5回出走とかに。走りすぎじゃない?某王じゃないんだから。

全日本ミドル・ロング選手権大会 2024/10/19~20
計セン
ミドル後に降った大雨によりユニットの故障が発生し、多くの選手がピンパンチ対応となった。SIと雨の相性の悪さを実感した大会。計セン以外でも仕事の進め方や、判断の仕方について参考になる大会だった。

設置中に見つけてしまった地図にない道

第6回阪神奈大会 2025/2/22~23
実行委員長
羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊
3年間の運営経験をすべて詰め込んだ神大会。羊かわいい。最強の同期と後輩と一緒に運営する神大会。羊かわいい。地元の人が優しすぎる神大会。羊かわいい。みんなで行こう阪神奈大会。羊かわいい。
羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊羊

ひつじの散歩
注:大会ではひつじの散歩は行いません

第6回阪神奈大会へ向けて

第6回阪神奈大会では実行委員長を務めさせていただいています。最近、要項2を出しました。申し込みもそろそろ始まります。

第6回阪神奈大会の魅力

第6回阪神奈大会に参加したくなる魅力を紹介します。
広報担当が貯めていたネタを勝手に放出していきます。本当にごめんなさい。

まずは。2月は出産の季節だそうです。運が良ければ生まれたばかりの子羊も見られるかも。200円で買える羊せんべいに対する食いつきは抜群です。若い衆は他の子の上に乗っかって食べに来ます。圧がすごい。
みんなでフォローしようめえめえ牧場のインスタグラム@meemeemakiba_staff
ヒツジの日常は全人類が見るべき

羊せんべいに群がるヒツジたち

大会公式マスコットキャラクターの「あすてる」もかわいさでは負けていません。神野山は関西でも有数の星空観察スポット。オリエンのフラッグと星を持ったかわいい2匹のヒツジたちです。牧場にも白と黒の二種類のヒツジがいます。ぜひ会いに来てください。また、グッズも発売予定です。お楽しみに!

黒い方が「あす」、白い方が「てる」

つぎに、具だくさんの豚汁。こちらは地元山添村産の野菜と味噌を使った特製豚汁です。なんとこちらは事前予約限定。申し訳ありませんが、当日販売の予定はありません。寒い中レースを走った後の温かい豚汁は格別です。1日目も、2日目も、会場のすぐ横で温めて渡してくれるそうです。絶対買った方がいい。

神野山の皆様のご厚意により、一部施設を特別に開放していただくことになりました。当日は寒い可能性が高いですが、暖房の利いた部屋を少しだけ用意することができました。特に、二日目の大会会場付近のレストランでは薪ストーブが温めてくれます。

レストラン映山紅の薪ストーブ

そして、最強の運営者たちです。今まで何度も開催してきた壮行会や練習会で鍛えられてきた運営者が皆さんをお待ちします。まだまだ紹介しきれない魅力にあふれた阪神奈大会の最新情報は阪神奈大会公式Xからご確認ください。
@hanshinna5_

実委の覚悟

 さて、阪神奈大会の本音を話しましょう。
正直、怖いです。いつも逃げ出したいと思ってます。今までの運営経験を全て詰め込んでいるとはいえ、あくまで21歳の大学生です。自分でとれる責任などたかが知れています。新規テレインの開拓、新たな人たちとの渉外、その過程で語弊があって問題が発生しないか常に怖いです。運営をたくさんしたとはいえまだ3年目です。知らないことの方が多いのです。

 とはいえ、運営者の中で一番運営を知っているのは僕でしょう。3年間その自信を持つために無理にでも運営に参加させてもらってました。たくさんミスをし、たくさんエラーを吐かせ、たくさんの対処法と対策を学んできました。

 常日頃から完璧な人間などいない。ミスをしたらお相子様と思いながら生活しています。どこかで自分がミスをするかもしれない。誰かが問題を引き起こすかもしれない。でも、ミスをしてもリカバリーをすればいいのです。悩み事の9割は何とかなるってだれか言ってました。僕のレポートだっていつもそうだ。

 運営のみんなにはたくさんのわがままを聞いてもらってます。新規テレインで二日間大会を開催するって決めたときから何があっても成功させるって誓いました。運営者の皆さん。もう少しの間、わがままに付き合ってもらえるとありがたいです。しんどかったら早めに言ってください。何とかします。

 大会開催まであと2か月。参加しなきゃもったいない。羊と星とオリエンの神野山で皆さんをお待ちしております。全ての運営者と参加者、そして地元の方々に感謝して、それでは、また大会会場でお会いしましょう。

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