![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169868936/rectangle_large_type_2_19ab2834151d2122ad94d9d2d760fea9.jpg?width=1200)
2025 インド漂流記⑤
この覚え書きも⑤となりました。残りはこれを含めて2つの予定です。がんばります。
インドで迎えた新年、ホテルではおせちビュッフェが行われた。あの日本のお正月に欠かせない音楽が会場に響くなか、おいしくインド流おせちをいただいた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170190745/picture_pc_073a0ba5e971d93061e3595b8ad468fd.jpg?width=1200)
さすがにインドで日本100%のおせちは出てこなかったが、おせちを知らない人が作ったと考えると120点以上なのではないか。
手前の筑前煮に入っているのは魚のつみれ。かまぼこは魚肉ソーセージに感覚が近かった。栗きんとんの栗は栗ではないなにかだったが、きんとんの部分がなめらかで美味しかった。ちなみにお雑煮は昨日の年越しそばの出汁と同じ味だった。いつもは関西風の白味噌の雑煮を食べているので、関東風?のお雑煮をインドで初体験した。インドでおせちが食べられる喜びを噛み締めた。
腹ごしらえも終わり、今日はオールドデリーの観光へ。1月1日にも関わらず、いつもの運転手さんと部下の人が迎えにきてくれる。ありがたいやら申し訳ないやら複雑な気持ちだ。
まず初めにオールドデリーを車のなかから覗き見る。アーメダバードの旧市街も観光したが、オールドデリーはまた違う顔を持った街だと思った。所狭しと屋台が出ていて人々の顔つきもなんだか鋭い。アーメダバードを案内してくれた部下の人が「オールドデリーには気をつけて」と言ってくれた意味がわかった気がした。
そのまま車に乗って「red fort」へ向かった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170652328/picture_pc_401ba3ee5e68b652f74d0fa6c4fd85ed.png?width=1200)
このred fort、入り口が警察のバリケードで塞がれていた。しかし、「行けますよ〜」と部下の人がバリケードの隙間を縫って入り、手招きしている。まあインドだしなと思い、そのまま着いていくと、後ろからインド人もたくさん入ってきて、その人たちは警察に怒られていた。怒られている人たちにごめんねと思いながら、広場へ向かった。部下の人がいうには「中身は昨日のagura fortと一緒なんで」ということだったので、そとから眺めるのみだった。
車に戻り、インド門を目指す。車に戻る道のりは2分程度だったが、インド滞在中で最もどきどきした体験だった。道じゅうに落ちているフンや唾液を踏まないように、屋台の押し売りにあわないように、あんなにぎゅうぎゅうの道を歩いたのは初めてだった。ふと顔をあげると、道端でシャワーを浴びている人がいて、もう何が何だか訳がわからなかった。へとへとになりながらようやく車に乗り込んだ。
インド門には非常に穏やかな時間が流れていた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170653000/picture_pc_d17720ace454aab057e677b4bf337882.jpg?width=1200)
学生時代、世界史を専攻していたくせにインド独立については全くの無知な自分が残念だ。
インド門は近くで見ると、名前がたくさん刻まれている。これはインド独立のための戦いで命を落とした人たちの名前だそうだ。世界中どこにでも、追悼するための施設があるのだなあ。国によってやり方はさまざまであるが、このインド門もその一つである。思わず手を合わせてしまった。どうか安らかに。
神妙な気持ちでインド門を後にして、フマユーン廟へ向かった。道中ではインドの国会議事堂や軍の施設をみることができた。その立派さにこの旅何度目かの「インド人、やればできる」を感じた。本当に素敵な建物たちだった。可能なら近寄って一つひとつ眺めたいところではあったが、次へ急ぐ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171862658/picture_pc_ee8d6e7420f6ba0646036eb9f98fd775.jpg?width=1200)
フマユーン廟は再建されたばかりだそうで、とてもうつくしかった。インドにきて世界遺産や素晴らしい建築をいくつも見せてもらったが一番印象に残っているのはここだ。タージマハルとは違って人が少なかったこともあるが、緑の中に建つフマユーン廟はとても荘厳で、でもゆったりしていて、日本の寺に近いものを感じた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171863072/picture_pc_aecfdf6357bcc7c7438973f46a2ed140.jpg?width=1200)
フマユーン廟もタージマハルと同じく墓である。
亡くなった王のために女王が建てた墓らしい。亡くなった旦那さんのためにこんなに大きなお墓を建てるなんてすごいなあ、とぼんやりした感想が浮かんだ。そういえばうちの祖母も祖父のためにわざわざ墓を建てていた。今も昔も墓とはそういうものなのかな。
良い時間になったので昼食へ連れて行ってもらう。またしてもインドカレー。ハマりすぎである。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171863540/picture_pc_402f2a302452aa172997c1c239b58bed.jpg?width=1200)
店の名前も忘れてしまったが、インド人しか来なそうな立地のお店に日本人の老夫婦がきていたのには驚いた。どこで知ったのかな。
ここのバターチキンカレーは普通に美味しかった。
昼食後、母の念願のカーンマーケットへ。
いわく「インドの表参道」だそう。たしかに可愛いお店がたくさん並んでいて、ふらふらと入ってしまいそうになる。インドのお店づくりのセンスが刺さりすぎて、この通りまるごと日本に持って帰れないかなと思うくらいだった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171864195/picture_pc_975ae212e20e2ddfa084671a7c3d8915.png?width=1200)
まずはKAMAへ。私たちが入ると日本人のお客さんがぞろぞろ入ってきたのが面白かった。気持ちわかるな〜笑。KAMAでは有名なローズウォーターや石鹸などめちゃくちゃ買った。ここを逃すといつ買えるかわからないもんね。そのあとはアノーキやファブインディアで布小物をみた。ファブインディアでは思っていたより欲しいものがなく、がっかりしていたら、部下の人が「家具のお店がありますよ」と教えてくれた。なんと少し離れたところにファブインディアファニチャーがあるではないか!!
もうここは天国だった。元々家具を見ることが大好きなこともあるけれど、山ほど積まれたクッションカバーの可愛かったことよ、、、。
また行きたい。クッションカバーを何枚か買ってカーンマーケットの旅はおしまいとなった。
運転手さんと合流して、車に揺られるとすぐに睡魔が襲ってきて、弟と2人してぐうぐうと眠ってしまった。なんだかパッシングうるさいなと目が覚めると部下の人が「あれです!みて!」と何か言っている。指さす先をみると何かの塔?棒?が立っていた。「人が多いから無理だな」と父と部下の人がやりとりしていているのが聞こえた。なんなの、あの棒。あの棒にそんな魅力が?あとからきちんと調べるとあの塔はどうやら建てられてから1600年も経っているのに錆びないという不思議な塔らしい。なんだそりゃ。眠くて薄めで見ただけだったが、そんな不思議な塔ならきちんと見たかったな〜。
不思議な塔を横目で見ながらホテルへと向かった。またその道中ではぐうぐう眠ってしまった。
ホテルについた。デリーを案内してくれたこの部下の人とも今日でお別れである。この人は家族もいるのに、年末年始を上司のインド案内に費やしてくれた。しかも自主的に。なんとお礼を言ったらいいのかわからないくらいだ。本当に親切なインド人はいる。ありがとうございました。
インドの旅も残り一日となった。あっという間に過ぎたように感じる。すっかりインドに魅せられた自分が怖い。あと一回、お付き合いください。