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宿題の横取り case①

 私には愛すべき3人の子ども達がいる。

 長女・長男・次男である。
 現在長女は中2、長男は小6、次男は小1である。

 こんな私でも、子育てに悩み苦しみ、格闘してきた毎日であった。それは今もまだ、続いているけれど。

 子どもが大きくなり、小学校に就学すると、宿題が出るようになる。
 未就学児の時は、宿題なんて全くなかった物だから、長女が小学校に進学し、宿題が出た時、私も初体験であったため、かつフルで働いていたこともあり、大いに迷い戸惑ったものだ。
 
 平日は毎日、決まった種類の宿題が出る。主に音読やドリルなどである。夏休みなどの大きな休みなどには、大きな課題が出るのだ。ドリルや絵日記は必須で、読書感想文や自由研究は、選択制だ。
 私は、少しでも経験の幅を広げてあげたくて、読書感想文も自由研究も、6年間のうちで一度は経験するよう、仕向ける。私も率先して協力し、考える。
 子どもの意見を聞きながら、それらを文章にまとめ、グラフや絵を添付する。

 娘が小学2年生の時の自由研究は、模造紙に書いた。大きな紙を机一面に広げながら、鉛筆で下書きをした上から、油性マジックで清書する。子どもには良い経験だと思う。勿論実験や観察自体もだ。

 今、自由研究のまとめは、A4サイズのレポート用紙に、サイズが変わった。
 
 長男は小学3年生の時に、初めて自由研究を経験した。題材は、「梅干しを作ろう」。私の専門分野だ。私が考えた題材でも、ある。

 梅干しは、私が毎年漬けている。
 自由研究を手伝った時は、仕込みの段階から、自由研究用の写真を撮った。

 梅干し用の梅は、6月中旬から7月上旬に出回る。時期を逃さずに買わねば、手に入らない。手に入れた熟れた梅を、優しく丁寧に洗い、塩で漬けていくのだ。その時の光景を、自由研究のために、写真で撮っておく。
 
 そして塩漬けした梅を2ヶ月くらい、漬け込む。
 8月になり、夏休みまっただ中、天気予報を見て雨の降らない3日間を狙い、天日干しし、梅干しは完成する。

 動機、方法、まとめ、考察、と、息子と一緒に考える。といっても、8割以上私が考えたものを、息子が清書するだけだが。
 絵やグラフは専ら、私が書く。子どもは、文章の清書だけだ。そして、私が色鉛筆で色を塗り、仕上げていくのであった。

 小学校も中学年以上になってくると、「夏休み新聞」なる物が、課される。夏休み中に自分が体験したり起こった出来事を、新聞仕立てにする。
 B4サイズの白紙用紙が配られるので、どう区切ろうか、レイアウトは全て自由、子ども任せなのだ。
 ある程度用紙が区切ってあって、そこに書くようになっていたり、書き方がある程度指定されたほうが、人間は楽なのだ。

 何もないところから書き始めるのは、本当に難しい。難しいから娘も息子も、私に助けを求める。私がそういうのが得意だと、知っているのだ。
 
 私としては、面倒くささ半分、面白そうだと思うこと半分、しょうがないと、引き受けることになるのだった。

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