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子供に「赤ちゃんってどうやってできるの?」と言われたら?

こんにちは。READY BOXのブログ担当yukiです。こちらのブログではユネスコが発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を参考に、お家でできる月経教育・性教育のコンテンツを発信していきます。今回は同書「性と生殖に関する健康」の章から妊娠・避妊について考えていきます。

「赤ちゃんってどうやってできるの?」は性教育のはじめのチャンス!

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身の回りのたくさんのことに興味を持ち始める幼児期には「赤ちゃんってどうやってできるの?」「私はどうやって(どこから)うまれたの?」など、少し戸惑ってしまうような疑問を投げかけられる場面が増えてくるのではないでしょうか。

そういった時、みなさんはどのように対応しますか? どうしても性行為のことなどまで言わなければいけないのではないか?と勝手に想像してしまい、「コウノトリが運んできてくれる」「仲良くしたらできる」などなんとなくはぐらかしてしまうこともあるのではないでしょうか。

ですが、こういった疑問がお子様から出たタイミングがおうちでの性教育、つまりお子様の心と体を守るための知識を伝えるチャンスです。

というのも、今後公教育過程においてもお子様が得られる知識は非常に少なく、ご家庭で教える以外に、正しい知識にたどり着ける可能性が限りなく低いからです。たとえば中学校での性教育は、学習指導要領で主として保健体育のカリキュラムの中で教えていくこととされていますが、その内容の取り扱い方として「妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精・妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする」と定められています。つまり現状では「妊娠の経過」である「性交」は取り扱わず、「避妊」「人工妊娠中絶」も指導内容に含まれていません。幼少期に疑問をもったものが中学生になっても、正しい知識にアクセスできないのが、日本の現状なのです。

性行為に触れなくても、システムを伝えることは可能です

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とはいっても、いきなり何から説明すれば、、と戸惑ってしまう親御様もいることと思います。まずは性行為に触れずとも、卵子と精子が出会って初めて赤ちゃんの卵ができるというシステムをわかりやすく伝えることからスタートしてみてはいかがでしょうか。

年齢によっては専門用語は難しく感じるかもしれませんので卵子や精子は「赤ちゃんのもとになる小さなタネ」など言葉を変えてイメージしやすくして伝えると良いかもしれません。具体的に「おまたの少し上のところの左右に卵巣があるよ」など実際に体の位置を意識しながら伝えたり、「ママもここに卵子があって、〇〇ちゃんが生まれる前はここにあった卵から育ったんだよ」など実例をお話できるとよりイメージしやすいです。

また、男の子には精子が射精によって体外に放出することもぜひ伝えてみましょう。卵子などと比べ「射精」はどうしてもいやらしいイメージがあるかもしれませんが、中には射精を知らないお子様が夢精した際に、「病気かもしれない」と不安になるケースなど、知らないことによって不安や嫌悪感を抱くこともあります。むしろ幼い頃から伝えてあげることによって、射精は自然なことだという認識にもつながります。

それでも「性行為」に関する説明が必要な時は、、、

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卵子と精子が出会うと子供ができることはわかったけれど、「どうして女の人の体にあるものと、男の子の体にあるものがくっつけるの?」などのより踏み込んだ質問が出た場合には、不自然に隠すのではなく、性行為について年齢に合わせた伝え方が必要だと考えています。

例えば幼児の場合は「女の人と男の人のそれぞれのタネがくっつけるように心も体もくっつけるんだよ」などと伝えてみるのはいかがでしょうか。

小学生以上であれば、ある程度器官の名称などもわかるので、「女の子の体にはうんちとおしっこの穴以外に膣という穴があって、そこが赤ちゃんを作るお部屋につながっているんだよ。精子は男の子のペニスから出てくるから、そのペニスを膣に入れると受精ができるんだよ」などと説明するのも良いかもしれません。女の子であれば一度手鏡などで膣の位置を自分で確認してみる、というのも自分の体について知れる大切なチャンスです。

いずれにせよ大切なのは、隠さずに事実を正しく伝えること。親御様がそこで隠したリ、怒ったり、嘘をついてしまうと、今後お子様が性に関わるあらゆる疑問や不安を親に相談できなくなり、結果的に1人で抱え込んでしまうというリスクにもつながります。

いかがでしたでしょうか? どきっとしてしまう子供からの質問。保護者としてどのように答えるのかか、今回のブログが少しでもお役に立てれば幸いです。次回以降も、家庭教育で役立つコンテンツをお届け予定です。疑問や感想など、ぜひコメントお待ちしております!

【参考】
・東京都福祉保健局 「妊活支援ポータルサイト」
・教育新聞「子供を守る性教育 タブーの意義を問う」
・内閣府 男女共同参画局
・奈良市「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」って、ごぞんじですか?

【参考図書】

『「赤ちゃんってどうやってできるの?」にきちんと答える親になる! 学校もママ友も教えてくれない明るく楽しい性教育』

【この記事を書いた人】
・三上ゆき(READYBOX副代表・ライター)
2018年新卒で㈱LITALICOに入社し、発達障害をもったお子様の授業プランニングなどを担当。その後転職し、㈱リクルートにて法人営業を3年間担当。現在はフリーランスとして活動している。


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