プライムは 表も裏も あるんだよ①
表裏一体の構造《structure》, プライムに秘められし二面性とは!?
新年あけましておめでとうございます。
俺の初日の出・・・ それは赤くて丸いチェッカーだ!
バックギャモンについての解説記事です。
今回はプライムについてアレコレと記してみました。
早速ですが以下のポジションをご覧ください。
ロール[41]は、2ptのブロットをカバー出来て、24ptのバックチェッカー(文字数削減のため、略称"BC"にします)を23ptへと進められる良い目。
7pt(バーポイント)を作るプライミングのプレーの方が良く、上記プレーはブランダー(悪手)と出ています。
roll[4],[1], それぞれに良いムーブがある上、ブロットのカバーは往々にして価値あるプレーになるゆえに実戦だとすごく気づきにくい、見落としやすいプレーだと思います。
このプレーの意味としては
・相手BC3枚の脱出条件を「1を振った後に6を振る」
に出来る。
(最も強力な5プライム形に閉じ込める。さらに6プライム形に
リーチがかかっている)
ではどうすればこういった見落としを防ぐ確率を上げられるのか?
については・・・ コレガワカラナイ(話題を流す際の常套句)
7ptを作るプレーも2ptを作るプレーも、プライムの長さを5連結形まで伸ばすのは変わりません。
しかし双方のポイントを作る価値に大きな開きがある・・ 7ptの方が2ptよりも大きく価値があるのは画像の解析結果の通り。
上画像ポジションでの7pt,2ptメイクの、相手24ptチェッカーに及ぼす影響について
・7ptメイク
ブロック:[6] and [15]
脱出条件:[6 after 1]
・2ptメイク
ブロック:[1] and [15]
脱出条件:[6]
ただ「6を出す」のと「1を出した後に、6を出す」のでは後者の方が条件が増えている分、難易度が高いですね。7ptを作られた赤にとってはかなり厳しいゲームとなります。
分類・2つのプライム形「純正」「穴あき」
「プライム」とは
・「フロント(前側)にある、特定の6か所内にブロックが4つ以上
密集している形」
の呼称です。3つ密集の形をプライム、と呼ぶことは基本的にはないはずです。
プライム形は 純正プライム と 穴あきプライム の2つに分類されます。
(英語だと "Solid Prime" , "Broken Prime" と呼ばれるみたい)
ブロックが連続している純正プライム形は強力な構造ですが、穴あきプライムも純正プライムに準ずる良い形。
この記事内で単に「プライム」と書いていれば、それは純正プライムのことを指します。穴あきプライムにも共通する部分はありそうですが、以下は純正プライムの話のみを書いていることをご了承ください。
プライムは 表も裏も あるんだよ
プライムの前側の端にあたるポイントには「エッジ(edge)」という呼称があります。
プライムに捕まっている側にとって、エッジに駒を進めることは相手のプライムを飛び越え、アウター(18pt~13pt)に逃げるための準備になります。
4プライム形:[6543] のエッジは 2pt (相手にとっての23pt)
4プライム形:[8765] のエッジは 4pt (相手21pt)
5プライム形:[87654]のエッジは 3pt (相手22pt)
5プライム形:[76543]のエッジは2pt (相手23pt)
ただ、プライムを構築している側にとってのプライムのエッジ・・
作ることによってプライムの長さを伸ばせるポイントは2か所あります。
僕自身はいつの間にかそれを「表のエッジ」「裏のエッジ」という風に呼んでいました。
ここで改めてプライムの形と「表」「裏」のエッジの場所を示すと
[6543] 表: 2pt, 裏:7pt
[8765] 表:4pt, 裏:9pt
[87654] 表:3pt, 裏:9pt
[76543] 表:2pt, 裏:8pt
相手BCを逃がさないためのプライム形を発展させるにあたっては
「表」と「裏」、どちらのポイントも作るターゲットになります。
その意識を持っていれば、「表」だけではなく「裏」を作る、ないしは作る布石となるプレーにも気づきやすくなるかもしれません。
分類:バックチェッカーの2つの状態「スリープ」「アウェイク」について
ホームボード(24pt - 19pt)内にあるチェッカー(駒)には
「バックマン」や「バックチェッカー」 という呼び名があります。
BCをホームボード外(アウター)に逃がすプレーは
「飛び出し」と呼ばれています。(英語だと多分 "Run" , "Escape")
そのBCの状態は、大別すると次の2つに分けられます。
ダイスの1つの目のみで飛び出せる状態 (アウェイク)
ダイス2つの目の組み合わせでないと飛び出せない、もしくは飛び出し不可の状態 (スリープ)
「スリープ」「アウェイク」というのは僕が勝手に作った用語です。
これはポジションを構造的にとらえるにあたり、ものすごく重要な概念なのですが、それを示す用語が恐らくないようなので僕が命名しました。さらに今もこうやって紹介する訳です。
赤BCは白7ptを作られることにより、ダイスの2つの目の組み合わせ [61] の (全36通りの内の)2通りでしか脱出が出来ないスリープへと移行します。
白のBCは現状[16,34,35,36] :計8通りでしか飛び出せないスリープです。
[1 or 3] で前に進めるとアウェイクになります。
アウェイクは飛び出せる目が最低でも11通り以上はある状態です。
さらにいうと、同じアウェイクでも飛び出せる目が多いほど、次に逃げ出せる確率が上がってきます。(これも地味に重要)
BCを逃がすことを目論む際には、飛び出しが出来ない目であってもスリープからアウェイクの位置へと駒を進められるなら、そうすることが重要になります。
同じ長さのプライムでも、プライム内の相手BC、またはアンカー(2つ以上重なっているBC)がスリープかアウェイクかでは、プライムの効力(相手BCの逃げやすさ)に大きな差があります。
・バックチェッカー(BC)はスリープかアウェイクかで
逃げやすさに大きな差がある
・BCを逃がすことを目指すなら、スリープ→アウェイクへと
移行させるプレーの価値は高い
・相手BCをプライム内に閉じ込めるにあたっては、アウェイク→スリープ
へと移行させられるポイントを作る価値は非常に高い
くどいですがこれはものすごく重要です。
BCがスリープかアウェイクかというのは、現在の形勢・キューブ判断、その後のチェッカープレーの方針にも大きく関わってくる要素です。
この記事を見てくださっている方には、上の太字部分だけでも、是非頭の片隅に入れていただきたく思います。
ポジションクイズ
今回記した内容に関連するポジションクイズの画像を2つ掲げておきます。すぐ下に答えの画像も2つ貼っておくので、どう動かすか考えてみてください。
解説記事の続きについては未定です。
一応今回はテーマ「プライム」の1回目としておきます。
それではまたどこかで、ごきげんよう。 by for now.