女性ライブアイドル ネットワーク分析 2024年版(修正1)
2024年12月に女性ライブアイドルのネットワーク分析を行ったのですが、一部データ処理を見直しましたので、改めた分析結果をこちらに残します。
前回のまとめはこちら。
女性ライブアイドルのネットワーク分析を実施しましたので公開します、第三弾 最終版です
— 針井さん:) (@harry_cookieoj3) December 18, 2024
今回もスレッドに続きます
今日は女性ライブアイドル界を3つの世界に分け
た、オルタナ(ポスト主流)領域と、全体の数字について
この分析はイギリスのlast fmが提供しているサービスを利用しております
前提
データ提供元
本資料はLast.fmが公開・提供しているサービスを利用し作成されています。
イギリスの音楽SNSで、日本のアーティスト情報をカバーしています。
こちらのサイトより、日本の女性ライブアイドルに関する情報を取得しました。
アーティスト情報には類似アーティスト情報(おすすめアーティスト的なやつですね)が付随しており、これをアーティスト同士の関連と定義してネットワーク分析を行っています。この分析では、女性ライブアイドル業界のファン層がどのような繋がりかを可視化しています。
注意点として、Last.fm はイギリスのサービスであり、取得したデータは若干ですが偏っています。海外で人気のアーティストはデータが多いです。また、繋がりは恣意的に剪定しています。関連が低い数値を足切りしたり、ライブアイドルから離れる情報は落としています。できるだけ公平を心がけましたが、判断基準は全て私の一存なので、これも偏る理由です。
あと、普通ならなんとか分析をどうこうしましたと長ったらしい説明を入れるのですが、研究資料でもなんでもないただのヲタクの独自研究なので、割愛します。質問があればお答えします。
前回との違い
処理を見直したことにより前回とグループ分けが多少変わっています。
前回はネットワーク処理をかける前に、閾値を設けてデータを間引いていました。このデータ量だと処理に余裕があることがわかりましたので、手持ちのデータ全てを入れて処理を行い、処理結果としてネットワークに寄与していないものを外す形に変えています。このため、元は同じデータですがグループ分けに細かい変化が生じています。ちょっとパラメーターを変えるだけでもグループ分けは変化しますので、その程度の精度のものであるとご理解いただくのが良いです。
女性ライブアイドル 全図
![](https://assets.st-note.com/img/1737593871-2Wgj3zPCbmKA6kMZ9y8sUqcG.png?width=1200)
ノード数 (アーティスト数) 638
エッジ数 (アーティストの関連数) 有向:6957
ネットワーク直径 20 (一番遠いノード同士の距離)
色分けは、ネットワークデータ集計上でのグループ分け。
地図は、同じデータを利用しているが物理演算によるシミュレーションでの配置。
拡大すれば全部読めるように解像度高めの画像にしています。
図の概説
アーティスト名が地図上に配置され、線で繋がれています。
これはそれぞれのファンが、どのアーティストに流れやすいかを表しています。データ元のLast.fmは音楽SNSなのであくまでもオンライン上の流れですが、ライブ現場に通っている方であれば現場感覚とそれほど違わないことが見えると思います。
アーティスト名がついたノード(円)の大きさは、重み付き次数(=繋がった線の数×各線の流れやすさの係数)です。ノード(円)が大きいものはファンの流通が多いことを指します。
なお、アーティストの音楽性や人気度、ファン数などは計算に含まれていないため、これらは全く関係無いです。あくまでファンの流れやすさです。
同じ色のグループや、距離の近いアーティストは、ファンの関係が近いことを表しています。兼任ヲタができやすいと見て良いです。
距離が遠いアーティスト同士は、ファンの交流が少ないことを表しています。ファンの嗜好が合わなかったり、対バンすることが少ないのかもしれません。
このファンの交流やノードのかたまりを可視化することにより、女性ライブアイドルの界隈が見えるようになります。
これ何に使うの?
ライブアイドル界を俯瞰で理解する一つのツールです。ファンの流れから見たジャンル分けなどに利用されます。後に説明を入れますが、王道アイドルや楽曲派などが目に見える形です。
また、別の情報と重ね合わせることにより新たな知見を得ることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1737612036-CY0apZqtkuOFJTwQnrEbMd4l.png?width=1200)
例えば、ある年末恒例ファンイベントの情報を図に重ねてみます。
このイベントに参加・注目している人たちの嗜好の偏りが如実に現れており、イベント自体への理解が深まります。
ライブアイドル界 グループ分け
ネットワーク分析により現ライブアイドル界の簡単なグループ分けができました、それぞれを見ていきますが、特に解説はしません。
天上のアイドル
![](https://assets.st-note.com/img/1737614994-iylVCsoPjKULgh56XkER2uJS.png?width=1200)
西部 赤色の領域 スターダスト、WACKが中心
南西部 紫の領域 坂系、48系、ハロプロが中心
王道のアイドル
![](https://assets.st-note.com/img/1737615048-lyecf78K9XFE4b6oUMngP0a5.png?width=1200)
南部 水色の領域 iLiFE!、デビアン、群青などアイドル界の主力
南東部 ピンク色の領域 MyDearDarin'、APPARE!、Chula、UtaGe!、等
いわゆる楽曲派
![](https://assets.st-note.com/img/1737616662-CsVPLg8JHFO6QlitASrqpmbo.png?width=1200)
北西部 黄色の領域 曲のセンスが目立つ、いわゆる楽曲派系 ミラミラ、クマリ、タイトル未定、リンワン、等
新勢力 名前はまだ無い
![](https://assets.st-note.com/img/1737616981-Wpyite0UIru4ZCxk69n8gGFa.png?width=1200)
北東部 緑色 ストレートなライブが目立つチームと地方アイドルで1グループとなった新勢力 オケトー、yosugala、ジエメイ、INUWASI、等
まとめ
ライブアイドルを応援しているファンの、業界内での流れや偏りが見える図になりました。各アイドルを応援する客層の偏りは可視化できたと考えられます。
前回はTiktok勢がグループとして浮き出ていたのですが、今回は出てきませんでした。多少のパラメータ変更で、図も変わっていきますのでこの分析はざっくり大枠で見ていただくのが良いと思います。
アイドル界の勢力図は日々書き変わっていますので、半年後ぐらいにまたやってみたいと思います。