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カエルになりたくない息子

運動会の練習でカエルのミドリちゃんを踊るんだと教えてくれた息子(3歳)。
『お腹に緑色の紙をぺったんしたの!』と言うので、衣装のことかな?と思い
「カエルのミドリちゃんに変身したってこと?」
と聞いてみた。


すると、なぜか突然考え込んでしまった。
回りくどい聞き方で理解できなかったかな?

そして、数秒間の沈黙が続いたあと、さみしそうに

『おかあさんとずっと一緒にいたい』

と呟いた。

え…脈略は!?どういう情緒!?カエルのミドリちゃんに変身したのかという質問なんてどうでもよくなるほど、急に寂しくなったの?と、少々パニクる私。

「ずっと一緒にいるに決まってるじゃん!
 急にどうした?」

『あのね、かえるになったら、おかあさんと一緒にいられなくなる…?』

なるほど…!!

息子はちゃんと私の問いに答えていたのだ。

( ぼくはカエルのミドリちゃんに変身していたのだろうか。そんなつもりはなかったのに。もしそうだったとしたら、カエルと人間はいっしょに暮らせない…お母さんと離れ離れは嫌だ! )

これが、あの数秒の沈黙の間、彼が考えていたことだ。なんて愛くるしい発想。


息子よ、よく聞け。
私は、君がカエルだろうとアリだろうと、はたまたゴキブリだろうとも絶対に君を見つけ出すし、それが君である以上、どうしたって君を愛する。そして絶対に離しはしないんだよ…!




子育てとは、通常言わないセリフが平気で飛び交うものである。

こんなことを大真面目に言う日がくるとは。

「カエルになっても、ずーっと一緒だよ」

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