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20241004-05 小諸・乗鞍
計画
乗鞍岳の紅葉が見頃ということで、乗鞍ヒルクライムぶりに畳平に行くことにした。
わたらせクリテ以降乗り込みが足りていないことだし、せっかくだからと二日間体制にして初日に予てより気になってた東御嬬恋線の地蔵峠に行って、二日目にこれまた何年も前から行きたかった安房峠旧道とスカイラインの組み合わせでの山岳ロングライドを敢行することを決定。
初日のルートに関しては小諸市内→地蔵峠→嬬恋パノラマライン→草津温泉→渋峠ピストンなども考えたが群馬県内が悪天候のため地蔵峠→浅間サンライン→車坂峠に変更。
それじゃ、振り返りスタート!
1日目
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概要
距離:81.32km
獲得標高:2,803m
合計運動量:2,517kJ
加重平均パワー最頻値:200W-224W(Z3)
100kmに収まる中で超級山岳2つなんて二度とやらねぇと誓った。
距離に対する獲得標高がエベレスティングを超えてンのよ
飯綱山公園からまずは東御市に進む。モチベーションに溢れていたのでR18からコマクサ峠まで、という標高差が大きくなるコース取り。
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地蔵峠は10km10%の登りだ。頭がおかしい。登り始めから容赦なく、ここまでくると笑えてくる。
間違いなく人生で最難関のヒルクライムになるので、今の自分がどれだけ戦えるのか知りたくてタイムトライアルをすることにした。
走っている間に考えていたことといえば、
「ターンパイクよりきつい」
「湯の丸ヒルクライムここ登るの?やばすぎでわ?」
といったところ。
それから、地蔵峠からさらにコマクサ峠までの4km/8.2%も控えているから、だいたい14km/9.5%ということになる。タヒねるて。そんなわけで最初から全開は出さずに85%くらいの感覚で、終盤にかけて垂れないようにした。垂れたけども
感覚としてはターンパイクに近く、休むところが存在しない。しかも頑張って踏まないと全然進まない。
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途中工事している箇所があり、2分ほどの停止をする羽目になった。足はいくらか復活したけどこれがなければタイム縮んだし平均パワーもうちょい上がったかなと思うと悔しい。ま、仕方ない。
終わりの見えない地蔵峠だったがクリアし、コマクサ峠へのラスト4km。道が細くて凹凸もあったが10km平均10%をクリアした俺にはややぬるいぜ!という強がりをして最後まで出し切って登頂!
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日本で9番目の高さにして2,000m超の舗装路の末席、標高2,061mのコマクサ峠に到着である。セグメントタイムは80分54秒。工事がなければ70分台あったなぁ。日本百名登で有名な才田さんは55分で登ってる。やばすぎ。
全開も全開、最高到達点に至ってすぐに草地に倒れこみしばらく起き上がれなかった。過去一きつい峠で過去一出し切ったというわけだ。心拍は200bpmに達した。
駐車場のスタッフに協力金を渡したところ、プレハブ小屋に招き入れてくれてホットコーヒーをご馳走になってしまった。石油ストーブが入ってて暖かくて大いに体を休めることができた。ありがてぇ…
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浅間サンラインまで一気に下り、サンライン経由で車坂峠に向かう。サンラインもアップダウンが激しく、というかほぼ登りだった。
車坂峠の振り返りはサクッと。
11.7km/8.7%と普通に鬼きついが?
80分全開で走ってから踏める筈もなく、平均184Wで72分かけて何とか登頂。途中から雨が本降りになってくそ寒かった。
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結果シューズがずぶ濡れになったので、翌日走る予定がある時の雨ライドはやめましょう。
路面が川になった12kmの峠道のダウンヒルは地獄でした。
R18に再合流し西進、公園に戻ってライド終了。
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2日目
この度の最大の目的、位ヶ原の紅葉と乗鞍スカイラインを楽しみに行く。
曇り空の下、松本市郊外の公園から抜けない疲労と共にR158を上高地方面に進む。
梓川沿いのR158では現在改良工事が行われており(奈川渡改良)、川沿いの道は国道でありながらコーナーが連続する難所である。北アルプスを深部に向かう道だから険しくて当然だが。
そんなわけで工事が進む新道と言動が混在するというなんとも嬉しい光景が拝めるのだ。
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上の写真、実にいい表情をしている。 S字を描くR158は路面がうねっていてそんな区間を将来バイパスすることになる立派な橋のコラボレーションは心に刺さるものがある。
順調に走り釜トンネルに到着。時間があれば上高地に寄っていこうと考えていたが、この先の旅路を思い、また8月に訪れていたこともありやめておく。
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そうとなれば始まるは安房峠旧道のヒルクライムだ。距離も勾配もいろは坂くらい、のんびり行けばきつくない。
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こんなような絶景ポイントもあり、晴れてる時間に来てよかったと思った。
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峠には広場になっているところがあり、車を停めて休んだり景色を楽しんだりできるようだった。ここからも穂高岳を拝むことができた。
景色を堪能したら平湯温泉へダウンヒル。途中で1人登ってくるサイクリストに出会った。
平湯に到着し、予定通り昼休憩。
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カフェ マスタシュでパフェとコーヒーをいただく。美味。
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平湯バスターミナルでしっかりめの食事と補給の羊羹を買って足湯に浸りながら食べる。
そしたらいよいよ乗鞍スカイラインを登る!
平湯から乗鞍への道のりは平湯峠ヒルクライムから始まる。これが最もきつい区間で、距離は短いものの10%勾配が続く。まじできつかった。
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なお、ここら辺は豪雪地帯で冬には上の写真のゲートは雪に埋まる。
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峠まで来ればついに乗鞍スカイラインが始まる。なんか工事してた。
天気は回復も崩れもせず曇天。
乗鞍スカイラインは平均7%ちょっとということで昨日の2峠よりは楽だと思ってたけど、全然そんなことなかった。桔梗ヶ原まで体感8~10%ばっかりだった気がする。
標高を稼ぐにつれて紅葉が綺麗になってくる。
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この日のテーマはがんばらないこと、つまりゆるポタなのでヒルクライムの途中でもいい景色があれば軽率に停車する。こういうのでいいんだよ。
いつしか森林限界を超えるとそこは天空の楽園、グランツールの世界。これから登る道と、稜線がはっきりと見えてくる。こうなればこっちのもんできつい登りも感動が上書きしてくれる。楽しい区間始まり。
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晴れていたらもっとすごいんだろうなぁ、なんて考えていたら少しだけど晴れ間が…!
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松本方面には青空も見えてきて夢に見たスカイラインの光景の片鱗を感じさせてくれた。まぶいぜ。
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そして到達した桔梗ヶ原は残念ながら曇り。標高2,600mにある広大な草原はカムイミンタラという言葉を思い起こさせる。晴れていたらきっと空の天井が抜けたかのような大パノラマを味わえるのだろう。
なおここからはかなり緩い坂になり、タイムトライアルなら高速で踏んでいくようなセクションだ。もはや踏めない自分の足には助かる。大パノラマとは行かずとも雰囲気を楽しみながら、畳平が見えてくる。
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気付いたら畳平のゲートが見えていたので、最後だけ思い切り踏んでみる。標高2,700mは日本の道路の最高地点、乗鞍岳畳平に到着した。
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そこそこ天気はよかった。3度目の畳平だが(今年の乗鞍ヒルクライム試走・本番・今回)、一度も晴れた例がない。試走の日も曇りだったし本番は雨だったし、今回が一番天気良いまである。
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山脈の東西で天候が大きくが違っていた。
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羊羹を食べてエコーラインを下る。当然寒かった。
そしたらこのライドの本懐、位ヶ原のダケカンバを見てみようじゃあないか。
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位ヶ原のダケカンバは実に見事だった。これを見るために計画した旅だったが本当に良かった。
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位ヶ原から山頂を見上げたら雲に包まれていた。それにしてもこの景色は実に絶望感に溢れている。現に標高2,000mを超える高地にいるのに、これから登っていく道が遥か上空にあるのだから。本当にスケールが大きい。流石は日本の屋根、飛騨山脈である。
日没が近付くので下山。
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ここには乗鞍ヒルクライム関連で来ていたが、自走は初めて。ワクワクダウンヒル。
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R158に再合流を果たすと気温もそこそこ上がったので防寒着を一枚しまって、すっかり暗くなった奈川渡を公園に向かってひた走った。
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上高地に寄っていたら暗くなる前に下山できなかっただろうから、英断だった。
北アルプスの紅葉の景色はもちろん、その地形すら自ら走って堪能した、充実のライドだった。
距離125.13km
獲得標高2,744m
合計運動量2,852kJ
2日で206.45km/5,547m上昇。上出来でしょう。
片付けと買い出しを済ませて松本南の快活CLUBに向かった。翌日は箱根ヒルクライムの観戦に向かう。自分が走るわけじゃないのでパフォーマンスを気遣う必要から解放され、安曇野浪漫しらかばを飲んで机に突っ伏して寝た。
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しらかばは一番好きかもしれないビール。机で寝るのはクソネミな時以外まじで寝られんと分かったから今後はやめとく。
素晴らしい2日間だった。
以上。