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ふたご座流星群撮影記
2024/12/14
本日は2024年ふたご座流星群の極大。しぶんぎ座流星群・ペルセウス座流星群に並ぶ三大流星群で、個人的には最も派手だと感じている流星群がふたご座。そのため毎年楽しみにしているのだが、今年は極大日がどうやら満月と重なるだけでなく月の入が明け方近いため、常に月光が煌々と輝っているという難条件。しかしながら天気予報は良さそうなので、あまり期待をせずに街明かりが少なく観測条件が少しでも良い金精道路に向かった。
午前2時、カメラと三脚を担いで(車に乗せて)った。夜のいろは坂は車がいなくて走りやすい。金精トンネル手前の駐車場に到着。2分後に誰かが来ることは無いけれども、始めようか天体観測、ほうき星を探して…いや、雪降ってるんだが?
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…どうにも白根山西側の雪雲がこちらにも流れてきているようだ。金精道路は道路脇に雪が積もっており、その量を増すがごとくに雪舞い風が吹き荒ぶ…吹雪と言える状態。肝心の月光と反対側で展望が開ける男体山・日光市街地方面の景色はというと、辛うじて星空は見えているが予期せぬ大きな雲の発生により流れ星を見ようという状態では到底有り得なかった。
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仕方がないからトンボ帰り、家周辺は星空が見えていたのでその辺でいいところを見つけようと足掻いて、近所を何ヶ所か探索し、辿り着いたるは水無湧水庵。7月にホタルを撮影した場所だ。
厳密には湧水庵その場ではなく近傍の田んぼ道だが、この辺は周囲に住宅が少ないため比較的に観測条件が良い。撮影開始は4時半くらいだったろうか、三脚にカメラを置いて撮影開始。
今回は初めて単焦点レンズを用意した。今まではZ5にNikkor Z 24mm-120mm f4 Sのセットで戦っていたが、解放値4は厳しいと今更ながら悟り、解放値1.4の35mm単をD5300にセットして撮影した。これがもうすごいのなんのって、すごく明るくて最初の1枚は白飛びしたレベル、今までの感覚では明るすぎてしまう状態。あまり感度を上げず、SS短めでも暗い星までよく写る。あぁ…これはZの単焦点も欲しくなっちまうな。なおD5300はAPS-C機のため35mm判換算でだいたい50mmということになり、画角は限られての挑戦であった。
レリーズで連写している間は腰を下ろして空を見上げる。なんということか、あっという間に流れるではないか。体感2分で3つ観測した瞬間もあったほどで、条件が優れる場所なら誇張抜きに1時間で150個ほど見ることもできるのではないかと考えられた。やはりふたご座流星群はスケールが大きい…そう思った。
はてさてこれが写真に撮れているか、画角に入っているか。先述の理由で画角に収まってくれるかは難しく、いいところに流れたと思って確認してみると見切れているということがしばしば。夜の終わりが刻々と近付いてくる中それでも粘り強く待っていたら、それは刹那にして私の魂を震わせるものだった。この日見た中で一番明るいのではないかと思わせる輝度をもって、大きな流星が夜を切り裂いていった。比較的ゆっくりとした流れ星だった。だからこそ、体感する時間も長く、それで明るく、更に同時にもう一つ、一個目の明るいのが流れる間に流れたことが、大いなる感動をもたらしてくれたのだ。それも含めて見事に画角に収まってくれて、流星群撮影における私の最大値を更新に文句ない一枚を収められたのだった。
それから間もなくして東の空が白み始めたので、撮影と観測を終了とした。夜明けが星空を迎えるその下で、大きな達成感と満足感を胸に、帰路に着いたのだった。
本日はここまで。
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