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毎日新聞がDACの記事~岩石ーCO2反応でCO2吸収

下記リンクは長持ちしないので、引用しておく。「北海道大(札幌市)のキャンパスの一角にある畑。一面に育った飼料用のトウモロコシが黄色の実をつけ、収穫時期を迎えていた。これは「二酸化炭素(CO2)を回収する畑」だという。当真要教授(土壌学)らの研究チームが作った。」から「英シェフィールド大の研究者が2020年に英科学誌ネイチャーで発表した論文では、畑に1ヘクタール当たり40トンの玄武岩をまくことで、1年間で2トンのCO2を回収できると試算。」あたりまで紹介されてる。とりあえず拍手。これは、ムーンショット型開発研究事業採択の「新たな風化促進技術“A-ERW”の開発」早稲田大学の一環なのかな。岩石-CO2反応は東北大岡本研なども他にあるし、多くの大学で研究されてます。

神への挑戦・人知の向かう先は:第3部 気候変動 CO2回収、岩石の力で(その1) 畑にまき、世界で可 | 毎日新聞

「日本で仮に1ヘクタール当たり200トンの玄武岩を水田に入れたとすると、1年間に27トンのCO2を吸収できると試算」しているそうです。
これは練習問題です。ChatGPTの助けを借りて、速戦即決で算盤をはじいてみます。
「1トンの玄武岩をシルトにまで粉砕するエネルギーの概算」
→ Bondの粉砕エネルギー式を用いて概算する。1トンの玄武岩を初期粒径 100 mm からシルト(粒径 0.02 mm)に粉砕するために必要なエネルギーは、約 105 kWh と概算。
「玄武岩をシルトにまで粉砕する、年に1万トン処理できるプラントの建設費用の概算」
→ 初期破砕機(ジョークラッシャーなど)/中間破砕機(コーンクラッシャー、ハンマーミルなど)/微粉砕設備(ボールミル、超微粉砕装置など)
年間1万トンの玄武岩をシルトに粉砕するプラントの建設費用は、約8000万円~1.5億円と見積もり。
ここは自力で考える。「一年目に投入量の13.5%のCO2を吸収したとして、最終的な割合はいくらになるか」玄武岩中のCaO(酸化カルシウム)とMgO(酸化マグネシウム)の合計は30%くらいで、最終的に溶け残る成分もある。年々漸減しながら合計30%くらいまで行くかな。
ここから1トンのCO2吸収するには1/0.3→3.33トンの玄武岩が必要で、必要なエネルギーは350kWh/TON-CO2と試算される。CO2の排出原単位が0.5kgCO2/kWhだとすると粉砕だけで175kgのCO2を排出して発電することになる。壊滅的ではないが目減りが激しい。電力は太陽光で試算を続行する。
1年間に10000(トン)×105kWhを供給する利用率17.5%の太陽光発電設備は、684kW。一声1MW一億円という。800kWh、一億円くらいと考える。設備の方も修正が必要で、太陽光の電力があるときだけ動く想定だと稼働率は電力と同じ程度に下がってしまう。ざっと5倍の設備4億~7.5億。ここに「製造ラインの規模が大きいほど、トン当たりコストは低下」する規模の経済を加味して、5億円くらいと一応推算する。
太陽光発電設備+砕石プラントで6億円。全設備の耐用年数の平均がざっくり10年だと、年に6000万円の減価償却。
う~ん、年に6000万円を投入して、1万トンの玄武岩シルトを生産し、3000トンのCO2吸収能力を得るのか。2万円/TON-CO2である。

「A-ERW」は もっと効率的かもしれないので、お莫迦な試算だと ご笑納ください。ただDACの世界では約2(1.5-3)万円/TON-CO2くらいの数字が割と頻出するので、これもそうかと笑ってしまいました。他の方式のDAC、CCS、世界の炭素税、2万円/TON-CO2の炭素税のある世界、、、等々につづく。











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