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「軽井沢のセンセ」からの暗号(19)〜浮かび上がる未来都市、ひらかた♡

ひろがる未来、枚方市(ひらかたし)

 関西に出てきてからお世話になっている知人女性のありすさんが、趣味の歴史探索ツアーをがんばりすぎて足首をねんざされたらしい。果物でもお届けしたい、と豪華マンションの「リバーサイドなぎさ」に向かった。
 
 中学は地元ではなく、北区隣の文京区に通っていたひろこは、東京の地元に、あまり友人はいない。

 むしろ故郷を離れたところで、ご近所づきあいのようなことをさせて頂けるとは。

 はりきって向かったのだが、慣れない道を迷ってしまい、なかなか目的地に行かれなかった。

 焦りから、自己嫌悪になりかけた時、ぱっ、と、すごくひらけた風景に出会えたのだ。

 通っている道が少し高台のようになっており、広く見渡せる風景、下の方を流れる川とのコントラストが美しかった。

 ありすさんは、遅れたことを責めず、「えらいゆっくりやったなぁ」と迎えてくれた。

 名字はたしか吉田さん、だったかな?名前も性格もちょっと外国風で、詳しいことは知らないのだが、何でも実家が超お金持ちで、関西のいろいろな場所に土地があり、その土地代で生活に困らないらしい。どこかに住んで、飽きたらあっち、みたいな悠々自適ぶりだ。

 「ちょうどよかったわ。もう来るかと思ってランチとスイーツ配達してもろたとこやねん。食べよ食べよ」

「遅くなってごめんなさい。でもよかった~。お元気そうで・・・。小ぶりですけれど、果物です。」

「やっ、美味しそうやねぇ、嬉しいわぁ。元気は元気やけど、めっちゃ暇やわぁ」

 話は盛り上がり、あっという間に、気が付けば外は暗くなっていた。

 夕食の時間まで居座っては迷惑かと、名残惜しい気持ちと共に、そこをあとにした。

 夜に、昼間の道を通ると、ところどころからの光で、マンションが浮かび上がり、周囲の景色とあいまって、まるで未来都市のようだった。

 数年後に、そのあたりがアニメや実写で映画の舞台となり、聖地となって有名になり、巡礼されているかもしれない。

 本当だ。


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たきのさくら
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