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【神様ネタのタネ】九十九神の憂鬱(仮)

ごきげんよう、りどもあ。です。

"PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話"(ローレンス・レビー, 井口耕二 著)を会社の移動時間に読んでいて、「トイ・ストーリー」の誕生秘話にめっちゃテンションが上がっています。

声なきものたちの声。
時間がたった古い物に宿る神や精霊。

九十九神の憂鬱(仮)

◯登場人物◯
小学生いじめられっこ
小学生ワルガキ
九十九神様
うっかり者の担任


田舎の学校。
耐震強度がなく、百周年を迎えた今年、夏休みに取り壊しが決まっていた。
そのとあるクラス。いじめられっこがいつものようにワルガキにいじめられている。他の生徒たちも見てみぬふり。
うっかり者の先生はいじめの事実にも気づかない。
「今度逆らったらお前の妹を殴るからな」

いじめられっこはいつも泣いていた。だけど、誰にも弱音が吐けず相談出来ずにいた。旧校舎の古いトイレで泣いていると、どこからか声が。
「おまえの、仕返しをしてやろうか」
学校の神様だった。なんと学校に宿った神様がいじめられっこに力を貸すと言う。
「憎いと思うやつをこのトイレにつれておいで、ひとりだけだ。そして【サヨナラ】と唱える。そうしたら、わしがこの学校とともにそいつを連れていってやろう」

いじめられっこは勇気を出してワルガキを呼び出し、トイレに突き飛ばした。あとは九十九神が鍵をしめる。最初はちょっとおどかすつもりだったが、憎しみが募りそのままその場をかけだした。
しかし、工事のため学校は封鎖されており、いじめられっこも出られない。遠くで重機の音が聞こえた。

とっさに二人で外へでなければと思い、あわてて学校にもどると、トイレの個室で弱々しく泣くワルガキがいた。九十九神が呪文を唱えるかどうか問う。いよいよ泣きわめくワルガキ。そこへワルガキの弟が(実は九十九神の見せた幻)
「お、にいちゃぁぁぁぁん!!!」
自分の妹とダブる。結局許した。
九十九神がほっとしたような声で語りかける。
「お前の父さんもじいちゃんも、優しくて強いやつだった。その思いが受け継がれているのを見れて嬉しい」
そういってふっと気配が消える。
優しさは受け継がれる。大切な継いでいくもの。

長く何かを見守るってすごく大変なことだと思う。
口を出したくなったり、手をさしのべたくなったり。

ため息をつき、憂いながら。
それでも大切な存在を想わずにはいられない。

りどもあ。

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