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破綻時に元本1000万円以上を守るためのシンプルな対策

昨日のブログで、『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』の下記の引用を踏まえて、「想定外」を「想定内」にしておくという記事を書きました。

とてつもなく大きな好況の時代ととてつもなく大きな破綻の時代は、他のことでも同じだが、一生に一度の割合でしか起こらない。だから、歴史のパターンを何世代にもわたって研究した人でない限り、びっくりすることになるのだ。

政治制度や経済制度、貨幣、帝国が、永遠に続いたことはない。それなのに、制度が破綻すると誰もがまさかと思い、メチャメチャにされてしまうのだ。

「想定外」というフレーズをグルグルと頭に回していて、ふと思ったのが、銀行の破綻リスクとペイオフについてです。

 ペイオフとは、預金保険制度に加盟している金融機関が破綻した場合の、預金者保護の方法のひとつである「預金者への保険金の直接支払い(ペイオフ方式)」のこと。取扱金融機関が破綻し、かつペイオフ方式が適用された場合は、一定額まで払い戻しをすることになる。
平成17年4月以降は、
1金融機関1預金者あたりの元本1,000万円までと、その利息等が保護の対象。
・保護の基準を超える部分は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われる。

つまり、金融機関が破綻した場合、最低1000万円までは保護されるけど、それ以上については、どうなるか分からないということです。

まさか、金融機関が破綻することはないだろうと考えていると、このペイオフについて深く考えなくて終わってしまいます。しかし、改めて調べてみると、現実的に起こっています。

2010年9月10日、日本振興銀行が経営破綻し、預金の払い戻しを制限する「ペイオフ」が戦後初めて発動。日本振興銀行は、個人などから集めた定期預金を中小企業に融資し、日本の産業振興に貢献する理念を掲げて2004年に開業されて、当時、注目を浴びていたのを覚えています。
(余談ですが、日本振興銀行の創設者の木村剛氏の書籍に感銘を受けて、会計や財務の面白さに出会い、会計業界に入ったので感謝しています。)

業界にインパクトを与えたものの、事業は早々に行き詰まり、2010年に民事再生法の適用を申請。

2002年4月以降、保護するのは「元本1,000万円までとその利息」と定められましたが、翌2003年に足利銀行が破綻した際、政府は金融システムの混乱を回避するために一時国有化し、預金は結局全額保護されました。
しかし、日本振興銀行の破綻時には、こうした預金者の救済措置は発動されず、法律の定める範囲内で預金を保護するに至りました(=1000万円以上は保護しないということ)

こういった事実を踏まえると、滅多には起きないかもしれないけれど、現実的に起こってしまったら、極大リスクになり得ることなので、特に、企業は対策を打っておきたいところです。ただ、実際に中小企業で、ここまで考えているところは少数のような気がします。

改めて仕組みについて図解するとこんな感じです。

引用:金融庁

これを見ていただくと、金額問わず、全額保護されているものがありますので、対策としては、シンプルで、

「利息のつかない当座預金・決済性預金に資金を移動する」

のみです。

「定期預金金利が100倍になった?」といったニュースが流れていましたが、元々の金利が低すぎるので、100倍になったところで、金利はたかがしれています。(100倍という数字に踊らされては駄目ですね!)

この情報を担当しているお客様にお伝えしたら、すぐに動かしていただきましたので、全てのお客様に情報提供してみようと思います。

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