中小企業の高賃金の目安は年齢の●●倍

 今日は、中小企業の賃金の目標について。

最近、財務の本を集中して読んでますが、京都発で、小企業を世界に冠たる大企業に育てたカリスマ経営者である稲盛和夫氏、永守重信氏の2冊
・『稲盛和夫の実学―経営と会計』
・『永守流 経営とお金の原則』
は財務面での座右の書になるのは間違いないです。

 永守さんの本で「高賃金・低労務費」というテーマを掲げておりますが、中小企業の経営者から、「賃金の目安をどうすればいいか?」というご相談をいただくことがよくあります。賃金を上げていきたいけれど、収益性が下がってしまうことの懸念もあります。そんな状況を打破する思考を永守さんが説いています。

「高賃金・低労務費」
 売上高に対する労務費全体の比率はどこよりも低いが、個々の社員の給料は他のどこの企業よりも高い。そんな「少数精鋭集団」を目指すことだ。
経営の効率化を図るには、機械の導入による自動化・コンピューター化などが重要だが、何にもまして、企業全体のモラールの高さ、そして社員一人ひとりの意識、しっかりした基本的な物の見方、考え方が大切になってくる。
 社員の意識を高め、仕事のレベルを上げていくためには、何より上に立つ人間が一生懸命に働かなければならない。トップがいちばん努力し、頑張っている背中を社員に見せることである。以上引用。

 人件費を上げると、通常、労働分配率が上がっていきますので、人件費をアップしつつ、分配率を下げるというのは、一見矛盾しています。
 しかし、人材採用が困難になってきた時代というのもありますが、少数精鋭で一人当たりの生産性・付加価値を最大化していけば、高賃金・低労務費も実現ができます。

 では、高賃金の目安はどこか?についてですが、
日経トップリーダー令和3年11月号で「人を大切にする経営学会」会長の坂本光司先生は

『きちんとした賃金を払っていると言っていい目安は、社員の年齢の15倍程度。 30歳で450万円40歳で600万円の計算になります。20倍払っていると高い賃金を支払っていると感じます。』

と、まずは年齢の15倍、さらには20倍が目標になります。
中小企業は情報量不足により、目標とすべき基準が不明確なケースも多いので、何かしらの基準があることで、挑戦マインドが発動されていきます。

国税庁から『民間給与統計実態調査』が発表されており、こういった基準を目安にするのもありかと思います。

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf

いずれにせよ、「高い基準値」「高い水準」「目標」があるからこそ、現状との差が生まれ、挑戦する意欲が涌いていきます。
自分自身も接点を持つ相手に「高い基準」を提示できるような存在になっていきたいと思います!

【今日の習慣】
高い基準値に触れ続ける=現状とのギャップに気づき、差を埋める努力が生まれる


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