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【中学受験】小学生でもわかる世界史 ぴよぴーよ速報

どこで聞いてきたのか、息子がいつの間にか見始めた「ぴよぴーよ速報」のYouTube。
ボコすぞ、戦争してぇ、など、なかなかの言葉遣いのため、視聴を止めさせようと思ったのですが、世界史という重厚な設定ながら、子供ウケは抜群。

二兎を追う者は一兎をも得ず。。。ということで、YouTube視聴を黙認しておりましたが、どうやら人気のようで、本が出版されました。
動画よりも、活字の方がマシ。ということで、買ってみました。

この本を息子に読んでもらった背景・理由

  • 歴史を、年号や条約名称などの暗記だと思わず、ストーリーとして味わってほしい。中学受験に1科目くらい、息抜き科目を作ってほしい。

  • 日本史に織り交ぜる形で、日本に影響のあった世界の出来事として、世界史にも広がる中学受験の範囲。

  • ドイツの鉄血宰相ビスマルクじゃないですが、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」として、ビジネス界でも大人気の歴史もの。きっと、中学高校の歴史の先生も、賢者は歴史に学ぶ派。

  • 一方で、ローマの歴史家クルチュウス=ルーフスは「歴史は繰り返す」、と言っている。過去も歴史を学んでいたはずの人類は、同じ歴史を繰り返しているようにも見える。歴史を勉強するアイロニーを味わってほしい。

この本を通じて理解してもらいたかったこと(親の期待値)

  • 「歴史から学ぶ」はとても深い言葉であり、中学受験で触れる歴史事象は入口にしか過ぎない。

  • 人類の歴史は侵略の歴史、と言い換えても過言ではないほど、力のある集団が、力のない集団を征服してきたことで作られてきた。

  • 男の子である以上、歴史の偉人への憧れを抱くことは正当な成長。ただし、その偉人達は、血塗られた人生を過ごしたから、年表に記載されるほどの有名人になったことには留意すべき。
    歴史は、教科書に出てくる偉人達だけが作ったのではなく、無数の先人達の積み上げで作られてきた。大きな出来事の裏側に存在する、民衆の喜怒哀楽、歴史と共に忘れられた敗者達の声、そのようなものにも目を向けてほしい。

  • 大きな歴史サイクルを考えると、大国の栄光は続かない。永続した国家は過去に存在しない。現代社会に当てはめると、アメリカ一極集中の世界情勢が変化をするタイミングであることを認識すべき。

  • リーダーになるのであれば、自分が正しいと信じる道を、孤独に決めなければならない。歴史の先人達が行ってきた意思決定とその帰結は、疑似体験として意思決定の質を高める有益材料となる。

  • 技術革新のスピードは著しく上がっている。だけど、その技術を使いこなすべき人類は、種別としての進化が止まっている。種別として進化しない以上は、人々の毎日の積み上げ、つまり歴史的蓄積で、その進化を代替するしかない。

息子の読書後の反応(結果)

YouTubeと同様、何度も繰り返し、面白く読んでいます。息子は、ザックリとした大きな流れと、地域別に書かれているところが良いと言っていました。
歴史勉強は、モナリザの塗り絵のように、繰り返し重層化していくものだと思いますので、その一助になったかなと思います。

この本による中学受験への効用

領土獲得という、シンプルな軍事要素に特化した歴史ストーリーのため、男の子ウケは抜群です。
小学館・角川・講談社・集英社から出ている鉄板、世界の歴史マンガシリーズは、年代別に歴史事象を編集しています。
それに対して、ぴよぴーよ速報の「小学生でもわかる世界史」は、欧州・中東・中国や、モンゴルやソ連などの主要国を切り口として、各国の成立から現代まで編集しているのが、独自ポイントとしての競争差異となっています。特に、インドは、子供向けの歴史本ではなかなか取り上げられなかった切り口だったので、斬新でした。

大人目線では、今後の経済発展も期待して、アフリカも入れてほしかったなと思いました。
歴史を暗記科目ではなく、興味を持って取り組んでほしいという場合、その取っ掛かりとしては、とても有益な一冊だと思います。


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