読者記録R6-134『図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語』
ヴィッキー・マイロン著
羽田詩津子訳
早川書房2008年11月再版発行
(2008年10月初版)
ヴィッキー・マイロン
1948年、米国アイオワ州スペンサーの郊外で生まれる。22歳で結婚し、娘を授かるが、夫のアルコール依存症で離婚。福祉援助を受け、マンカト州立大学とエンボリ州立大学で図書館学、人類学などを修める。32歳で地元スペンサーの公立図書館に勤務し、34歳から5年間は副館長、その後の20年間は館長を務めた。
この本も図書館2階の特集コーナー「ずっととなりに」で見つけた1冊
そしてまた猫が出てきます🐱
どことなく聞いた気がするタイトル
1988年のこごえるような冬の朝、館長のヴィッキーはスペンサー図書館の返却ボックスにうずくまる子猫を発見した。
生まれて2週間ほどのこのオス猫はデューイと名付けられ18歳で死ぬまで図書館で暮らした。
その名前は公募されたのだが…
図書館にちなみデューイ十進分類法からデューイと名付けられた。
正式名はデューイ・リードモア・ブックス。
いかにみんなから愛され、みんなを
愛したか、長い物語が始まる。
その愛らしさ、頭の良さ、高いプライド…全ての要素が他の猫とは異なると著者は述べる。
一度だけ脱走したことがあるデューイ。ひどい目にあったようだ。
二度と過ちは繰り返さなかった。
デューイの物語であるが、館長ヴィッキー・マイロンの物語でもある。
そしてスペンサーという街の成り立ちや歴史、現在に至る変遷も。
公共の図書館だから街の経済や人々の動向も必然的に影響を受けるのだ。
デューイは世界中で有名になり、日本からもドキュメンタリーTVの撮影にNHKからクルーが来たという。
そしてやがて訪れる老齢と激しい痛みを伴う病
図書館の猫デューイは図書館の館長であるヴィッキー・マイロンの決断に依って苦しみから救われる。
その死から約1年後、マイロンもその職を辞し、この長編の作品を書いた。