読書記録R6-44『エーミルはいたずらっ子』
アストリッド・リンドグレーン作
石井登志子訳
岩波少年文庫2012年1月第1刷
こちらもアストリッド・リンドグレーン(190〜2002)の作品。石井登志子氏の訳。
「スウェーデンの南の方にあるレンネベリア村に、エーミルという男の子がいました。」と、物語ははじまる。
丸くて青い目に、花のように赤いふっくらしたほっぺたで、ふわふわした金髪の男の子。何もかもが可愛らしく、まるで本物の小さな天使のような5歳の男の子。ちょっとみたところはおりこうそう。
ところが、エーミルはわんぱくでいじっぱり、子牛のように強い子。
作中にもスモーランドでのコトバを話すと紹介される。
3週間毎晩かぶったまま眠った自分のお気に入りの帽子は「ぼくのぼうし」ではなく「おらのぼうす」。
訳者あとがきによると、
『エーミルはいたずらっ子』は1963年、リンドグレーンがまさに作家として油が乗っている頃、まだラベーン&ショーグレン社の編集長として活躍している時期に書かれた。(略)
エーミルのいたずらっ子ぶりが楽しく、アストリッドが子どもの時を過ごしたスウェーデンのスモーランド地方の人々の気質や風景が、ふんだんに取り入れられている作品。(略)
アストリッドの父サムウェル−アウグストは、愛情深く、ゆかいでお話好きな人だった。アストリッドや兄妹たちは父親の話を聞くのが大好きで、並外れた記憶力で、どのお話もはっきりと覚えていた。父の語ったいたずらの数々を元に農場で暮らしたアストリッド自身の経験も加わってエーミルが主人公のシリーズになった。(略)
スモーランドの人々がけちだというのは当時この地方が貧しかったことと関係している。作中、エーミルのいたずらがあまりにひどく、親を気の毒に思った村人がエーミルをアメリカへ送ったらとお金を集めて届けに来て、お母さんから投げ返される場面は社会を反映している。
当時、凶作などにより、北欧諸国からアメリカへの移民が多かった。開墾の未発達なスモーランドの貧しい農家から、ミネソタやカリフォルニアなどへ大挙して渡って行ったことを指している。
もくじ
5月22日(火曜日)
エーミルがスープ鉢に頭を突っ込んだ日
6月10日(日曜日)
エーミルがイーダを旗立て柱にあげた日
7月8日(日曜日)
エーミルがフルフレッドの原っぱで浮かれ騒いだ日
もくじをみただけでも数々のいたずらがちょっと想像つくでしょう?
読んだらもっと楽しいよ🎶
小学2・3年以上
皆さんもどうぞ😘