読書記録R6-98『その世とこの世』

著者 谷川俊太郎 ブレイディみかこ
絵 奥村門土(モンドくん)
岩波書店 2023年12年第3刷
(2023年11月第1刷)

谷川俊太郎
1931年東京生まれ。詩人。1952年『二十億光年の孤独』でデビュー。幅広く作品を発表。その作品は様々な国の言語に訳されており、2022年には詩の国際大会「ストルガ詩祭」の最高賞「金冠賞」が授与された。

ブレイディみかこ
1965年福岡市生まれ。ライター。1996年から英国ブライトン在住。著書多数。

奥村門土(モンドくん)
2003年福岡市生まれ。画家。国内外で大きな注目を集めている。俳優としても活動。

ブレイディみかこと谷川俊太郎の往復書簡形式の作品。所々に奥村門土の白黒の絵がある。

帯によると

生きること、老いること、孤独ー
各々の土地、各々の暮らしを背景に面識や接触を持たぬままに重ねた、詩と文による、言葉の逢瀬

人間は時々、あわいの世界、
somewhere in betweenを訪ねたくなるのかもしれない

とある。

それぞれに魅力的な文章が交換されるのだが…たまに谷川俊太郎の詩が添付されている
それがまたいい
その詩は以前からあったものか今回の内容に合わせて書かれたものか、私には分からない。


ブレイディみかこから谷川俊太郎への最後の手紙に最近好きな詩として「臨死船」を挙げている
こちらもチェックしてみたくなる。『トロムソコラージュ』という作品に収録されているようだ。

そして更に最後に谷川俊太郎の詩

自分だけ

二時過ぎ他人が来た
高校の頃から知っている友達だが
自分とは違う人間だから他人と言うしかない
(略)

妻がビールを出してきた
妻も他人だが
妻は私を他人だとは思っていない
妻がビールを飲んでる他人に言う
この人は私を苗字で呼ぶんです
(略)

急に気恥ずかしくなった
この世は他人だらけである
他人でないのは自分だけだと思うと
寂しい

最後の最後はモンドくんの絵
谷川俊太郎の顔?

最近、谷川俊太郎のことちょっと見直している😘


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