人間ドックを人間的にするには

今日ようやく今年の人間ドックが終わった。40を過ぎてから加わることになった胃カメラ検診が嫌で、この日が終わるのを、学生時代の試験日のような気持ちで待っていた。諸々検査が終わって、1分くらいの問診を受け、「何も異常はないようですね」と告げられてホッとする。

勿論検診を受けて、何もないのにこしたことはないし、定期的に体をチェックして、いろんな難しい病気が重症化してしまうのを未然に防ぐことは大事だ。でも毎度思うのは、この検査、そもそも健康な状態でないと、検査を受けることに耐えられないのではないかとも思う。

待合室にいらしゃった、車椅子に乗った高齢者の方や、点滴を受けながら検査に臨もうとされている方を見ていて、自分もさらに年を取った時に、果たして今のような検査のやり方に耐えられるのだろうか、と思ってしまった。

人間ドックの中で特に体への負担が大きいと思われるのは内視鏡による検査だと思うが、それ以外にもエコー検査やX線検査など、一定程度体に負担を強いるものはある。そして何より待たされる。予約をするにも2か月待ちとかの状態なのだ。特にコロナで感染対策が徹底されており、2週間以内に県外に出たり、体調が少しでも優れない場合、検査を受けることもできない。

院内感染を防ぐため、諸々やむを得ない事情があるのは理解できるが、最近では血液や尿からガンや生活習慣病のリスクを察知するための簡易な検査キットも出来ており、こうした物を組み合わせることで、よりスピーディかつ体への負担を和らげる検査の仕組みを構築できないものだろうか。

内視鏡検査は、最終的には便から排出される、超小型のカメラ付ロボットの研究開発なども行われているようだが、こうした技術面での開発と共に、体への負担、不快感をなくすようなデザイン面での研究も期待したい。

Human Centered Design(人間中心のデザイン) ということが、アメリカのデザイン会社、IDEによって提唱されているが、特に医療、検査分野でこの取り組みがもっと進められたらと思う。

人間ドックが人間らしくなる日、その日が近づくことを切に願っている。

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キダッチ
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