センメルヴェイス反射に陥らないために何ができるのか
オーストリアのウィーン総合病院にセンメルヴェイスという産科医がいた。当時流行っていて原因が分からなかった産褥熱に対処するため、医師による手洗いを推奨したものの、多くの医師から拒絶され、存命中はその手法が陽の目を見ることはなかったという。センメルヴェイスは、産褥熱の原因が接触感染かもしれないという可能性に一早く気づいたのだが、問題は、医師自身が行動を変えない限り、この病気に対処することは難しいということだった。つまり常識的に考えて医療行為を行う自分達の中に病気の原因があるということを認めたくないという人が多かったということだ。
今でこそ院内感染のリスクは常識となっているが、特に専門家の集まりである病院の中で、自分達自身が行動を変えなければならないという提案は受け入れ難いものだったのだろう。
この逸話を元に、皆が常識と思っていることに関しその妥当性を疑う提案があった場合に、その提案を拒絶してしまう反応をセンメルヴェイス反射というそうだ。
こういったことは我々が生きている中でも日常茶飯のように起きている。仕事上も、新規事業を開発していかなくてはならない、といったことが全社的に謳われる一方で、社内の構造改革や人事を一新するなど、痛みを伴った改革には抵抗が強い。結果として小手先の改善に留まってしまっているようなケースは多々あると思う。
個人的にも、日常を壊されるような大きな変化や、自分自身が何かを犠牲にしなくてはならないとなった時、やはり反射的に抵抗をしてしまうと思う。
例えば子供が学校で何か問題を起こしてしまったとして、その問題が本来は自分や家庭内にあるにも関わらず、それを直ぐには認め難いといったようなことは普通にあると思う。
ではどうすればこの反射から逃れられるのだろうか。
私が考えてみたのは次のようなことだ。
1.皆が常識と思っていることを10くらいリストアップしてみて、それら10の常識に対して異論、反論を考えてみる
例えばコロナウィルスに関して取られている対策や政策について常識とされているものを考えてみる。それに対する自分なりの反論を考えてみる。
2.世の中で少数意見となっていそうな人の声を集めて、それがどういう内容で、どういった特徴を持っているのかを分析してみる
一見すると変なこと、おかしなことを言っているような人の声を集めてみて、その人が何故そのようなことをいっているのか分析してみる。
3.普段読まないような本を読んだり、自分とは価値観の違う人の話を積極的に聞いてみる。
普段読まないような本を読んでみる。(自分の場合だと推理小説やマンガなど)また、自分の価値観とは違う人とは、そもそも回りにいない可能性が高いので話しをする機会が少ないかもしれないが、意図的にそうした機会をつくってみる。
といったところでしょうか。これらのことは思考の蛸壺化を防ぐ意味でも有効だと思われるので、早速明日から試してみようと思う。
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