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【第2回】カスタマーサクセス戦略

●カスタマーサクセスのもたらす3つの利益
①チャーン(解約)の減少と管理
定期収益ビジネスで致命的となるチャーンレートはカスタマーサクセスへの投資で減少させる効果が期待出来る。但し、他の全ての条件で同じように競争力があることが前提となる。

②既存顧客の契約金額増
チャーンをの可能性を潰すためだけでなく、既存顧客に販売するものを増やすことで、会社の利益にインストールベースからの契約と収益を加えることが目的となる。

③カスタマーエクスペリエンスと顧客満足度の向上
心理ロイヤルティが生まれたことによる「二次収益」の拡大が期待出来る。
 (例1/好意的な評価)
ジョンはあなたの商品を気に入っている。A社からB社に転職しても、そこで再びあなたの製品を購入する。
 (例2/口コミ)
ジョンはあなたの商品を気に入って、そのことを友達3人に話す。話を聞いた友達の一部もあなたの商品を購入する。

●カスタマーサクセスが参考にし得る指標と取り組み
実際に上記3つの利益をもたらすために、カスタマーサクセス部門が参考にし得る指標や、指標に対して定めた目標を達成するために必要な取り組みは下記のような要素が想定される。

【指標】
・総更新数
・純リテンション
・定着率
・カスタマーヘルス
・チャーン
・アップセル
・ダウンセル
・ネットプロモータースコア

【指標を運用するための取り組み】
・ヘルスチェック
・ヘルススコアの計測
・四半期ビジネスレビュー
・積極的なアウトリーチ(訪問支援)
・教育・トレーニング
・リスク評価
・リスク低減プロセス

●カスタマーサクセスはカスタマーサポートではない
カスタマーサクセスの組織を成功させるには、カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの担当範囲に明確な線を引くことが必要だ。
両者の区別は下記基準が簡単な参考になる。

カスタマーサポートの主な役割は、殺到する顧客の問題に対応することであり、指標は「効率」(完了件数/日/担当者)である。対してカスタマーサクセスはデータで予測することで先回りして顧客の困難を回避するものであり、一般的にはリテンションで測定する。

会社として効果を上げるためには、どちらの組織も100%必要である。しかし、両者は達成すべき目標が異なるため、組織としては分けた方が良い。

※語句の説明
収益ドライバー:下記2点で収益を動かす存在
 ①契約更新、②アップセル
成功重視型:会社に売上(受注または収益)をという金銭的利益を求める形式
分析中心:顧客が求めることを先を見据えて予測分析
予測性:顧客が必要と感じる前に、担当者が対処

●カスタマーサクセスが他部署へもたらす影響
企業が新たにカスタマーサクセスやリテンションに力を入れ始めると、組織に新たな影響を及ぼすようになる。
(例:営業部門・製造部門への影響)

【営業部門への影響】
・自社製品を使用して長期的に成功できる顧客のみがマーケティングや営業の対象となる
・初回契約に対して、LTVが期待できないものは重要視されないようになる
・契約更新への意識が全社的に高まる
・潜在顧客に設定される期待値が引き上げられる
・オンボーディングを確実に行って顧客が成功し続けられるよう、ノウハウの移行とアフターサービスの準備にこれまでより注意が払われる
・更新やLTVに対しても報酬制度が定められる

【製造部門への影響】
・自社製品の指標として投資利益率が設定される
・自社製品の実装が容易になる
・機能だけでなく、導入し易さが重視される
・機能より顧客の関心を寄せられるかが重視される
・基本パッケージに全ての機能を実装するのではなく、アップセルできるようなモジュールを作ることが求められる
・顧客が自立しやすくなる

※表紙の本を読んだ個人的なまとめです


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