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理解してから得る喪失感

継続は力なりなのか、本人の努力の賜物なのかと聞かれたら後者かもしれない。

ここで話にした婚活サバイバーご卒業のお知らせ。お相手と一緒に。

エグいわエグいわ言ってて逃げてる自分も腹をくくらなければいけない心持ち。
無い無いと高を括っていた結婚ラッシュが引き金になったのは言うまでもない。

いい奴だから、早いこと気付いてくれる人がいないこの世界って…と呆れたりもしていたけれども、でも捨てたもんじゃないなと思わせるおめでたい発表をこの前された。

確かにおめでたい。

ただ、帰路へ向かう車で考えてみると…

あれ、俺は誰と旅すればいいの?

カレンダー通りで休みが訪れる彼と、平日休みしか訪れない当時の自分。
物理的に生活圏が離れてしまったし、尚更会わなくなるのは自明だった。

だからこそ、なんとかして年に一度は会って、好きな旅に出ようじゃないか、と買ったばかりの車を引っ張り出して毎年出かけていた。

そこで我々は互いの傷をパテ埋めするように、

「彼女がいたらその子と行くんだけど〜」

負け惜しみの男たち①

「彼女がいないから!今回は仕方ないから〜」

もはや素直でもない男たち②

とお互いにボケなのか本気の負け惜しみなのかわからないことを言いながら、行ってみたかったところから行ったことのないところ…かなりの回数旅行したはず。

はたから見れば苦々しい言い訳を並べながら散策している男臭い奴等で、そもそも"そういう人がいたら行くわけない"と互いに間接的に伝えながら旅をしていて、はたしてそれは互いの傷をパテ埋めしながらとは言えない気もするが、愚痴を吐き合ったり相談もしたりして、違う働き方をしている社会人ということも手伝って、移動時間も飽きなかった。

その"そういう人"が現れた以上、こちらに時間を割くよりは、勿論"その人"に時間を存分に割きまくって欲しい。
真のパートナーたる二人で旅をして共有してもらいたい思いは存分にある。

けれど、片割れの自分の居場所は何処…

発表もサプライズとばかり、もう帰るかというときに言われて、彼の言葉にしばらく

「え?」

しか発せない人間になっていたから、そのことに気付いたときの喪失感といったらなかった。
まるで、メールで告白したら以降返ってこなくなったときのような、一歩進んでしまった結果無に帰した後…言ったら戻れないけど言ってしまったが砕けた感じの、あの儚さ。
けど、直接言ってたらもっと終わってたからそれよりは…と取り戻しに走る一抹の思いと。

彼とは親友であって、それ以上でもそれ以下でもないから、人生を共に歩んでくれる人が現れたのはかなり嬉しい。
自分のことのように喜びたいが、どんな喜びか体感していないのでいまいち乗り切れてないのが悔しいくらいだ。

ただ、それと同時に寂寞の思いに駆られる夜はいつもより寒く感じた。

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清水青庸
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