給水塔百景 (世界の給水塔 中編 ヨーロッパ編)
前回の続き。
モスクワからフィンランドのヘルシンキまで電車の旅。
夜行列車で1泊2日。
サンクトペテルブルク経由でフィンランドに行くまで車窓に広がる世界は綺麗だろうなぁーと想像しながら乗車するが、陽が暮れてからの出発となりモスクワからしばらくは地下。
車窓に景色が何も見えない。
映画「コンパートメント No.6」と途中まで同じ道程。
コンパートメントは二等車。
軽食にクロワッサンとサラダが置いてある。
フィンランド行きの一等車はコンパートメント貸切となるので、かなり高額になる。
家族で貸切とかには良いが、一人旅には向いてない。
ロシア人二人と同室、一人が英語で「フィンランドとの国境に着くと車内に警察、税関職員入ってくるから、パスポートとチケットを提示するんだよ。」と教えてくれた。
夜中に税関の人らしき人たちがぞろぞろと各車両に入ってくる。
日本と違い全身タトゥーだらけの職員ばかり。
パスポート返して貰ってすぐ寝る。
翌日の昼前にヘルシンキに到着。
建築物としても有名なヘルシンキ中央駅。
フィンランドではドミトリーのゲストハウスに泊る。
北欧が好きで毎年来ているという同室のタイ人旅行者と仲良くなった。
タイ料理はオイリーなものが多く身体に悪いけど和食は身体に優しいと言っていた。
前年は日本の白川郷など行っていたということで旅行好きな方。
ヘルシンキではタイフェスティバルが行われていて、何故かたこ焼きの屋台がタイ人によって出店されていた。
それ、タイ料理じゃないだろ。
食べてみるとタコが入ってない、たこ焼きにもなってない。
海外のゲストハウスで何度か経験あるが、酔っぱらったアングロサクソンの宿泊客が夜中に騒ぐ。
明け方4時。
「飲みいくぞー、スマホの充電がたりないー、起きろー!!」
うるさい。
若い頃は自分も似たような事をして周りに迷惑をかけたがたいして覚えてない。
歳を取ったら若い人や馬鹿に合わせずに済む旅や生き方を考えないといけない。
ヘルシンキの街にSaab 99のタクシーが走ってた。
これは乗って見たかった、旅の後悔。
Saab 99が現役で走っていること自体すごいのに、それが現役でタクシーをやるとは世界で唯一のタクシー。
オンリーワンなタクシー。
ヘルシンキはどこに行っても老若男女皆さん、幸福指数が高いのかスーパーのおばさんから駅員、バスの運転手、バーテンダー、街中で道を聞いてもすべての人が笑顔で対応してくれる。
愛想笑いをあまりしないロシアから来ると違和感すら感じる。
入国前にミッドサマーを観てたら恐怖感だったかも。
エストニアのタリン行きのフェリーの広告を見かける。
バルト諸国は行ってみたい国。
フェリーに乗ってエストニアに行こう。
ヘルシンキからエストニアのタリンまで行くフェリー出航の港が二ヵ所あり、間違えて他の港についてしまった。
「出航は別の港ですよ。」と笑顔で教えられて、即座にフェリーの出航時間、港までのバスの出発時間、到着時間を調べてくれて、「あそこのバス停でバスに乗ればまだ間に合いますよ。」とまた穏やかな笑顔で教えてくれた。
教えてもらった通りに移動してフェリーに無事に乗れた。
片道2時間の船の旅。
ヘルシンキからの日帰り旅行にちょうどいい。
天気も良くて、ヘルシンキ湾を船上で過ごすのは気持ちいい。
ビールのみながら海を眺める。
タリンについて、観光名所の旧市街を観光コースに沿って歩く。
観光向けに整っており綺麗な旧市街。
中国人の団体ツアー客も少なく、心地よく観光できる。
豚肉が名物と教えてもらい、ランチに頂く。
北欧の幸福笑顔に疲れた。
日本の形式張った過剰接客サービスとも違う疲れ。
スペインのバルセロナ行きの飛行機のチケットを購入する。
朝食の時、それまでお互いに外人と思ってたルームメイトが日本人だった。
フランスの田舎にある大学に留学されていて、夏休みでフィンランドに遊びに来ている学生さんだった。
今日、フランスに帰るという。
私のバルセロナ行きとほぼ同じ時間に出発の飛行機なので一緒に空港に向かう。
周囲には日本人や日本に関するものは何もない中で数年になるという。
日本語を話さない生活が長かったストレスか、コミュニケーション能力が高いのか、とにかくよく喋る。
スペインに到着、17年振りのバルセロナ。
ワインと料理が美味しい街で飲み歩きが楽しい街だった記憶。
バルセロナでは民泊。
サグラダファミリアの真正面にあるアパート。
ベランダからサグラダファミリアが一望できる。
民泊人気がないのか、5000円位で宿泊できた。
バルセロナではとにかく食べ歩き、飲み歩きがしたかった。
(国内、海外、どこにいても飲み歩いてるが…)
美味しいワイン、肉料理、南欧の魚料理。
バル巡りの日々。
小さなこじんまりしたバル、おじいちゃんが一人でやっているバルが気にいって毎日行っていた。
一人客なので、おつまみは少しづつ色々と盛り合わせにしてくれる。
日替わりでお勧めのワインを出してくれる。
お客さんも地元の年配の方が多く、スペイン語で話しかけられるが何を言わてるのか分からない。
日本人であることは理解してもらった。
みんな明るい陽気な人たちだった。
数日バルセロナで食べ歩き、ポルトガルのポルトに移動。
こちらも食べ歩きが目的。
念願だったポルトガル。
ポルトガルは観光産業がとても成熟されており日本のインバウンド対策とは比べ物にならない。
交通や観光施設、地域イベント、宿泊設備、英語での案内など整備されていて、とても旅行がしやすい国だった。
ヨーロッパの田舎、とても綺麗で料理の美味しい国。
ワインと南欧のシーフード。
(スペインとほぼ同じ目的)
ポルトではワインの蔵巡りやマリンリゾート、歴史的な遺産巡り、ドウロ川のクルージングなど景勝地巡りもでき、小さな街で居心地がよかった。
坂道が多く歩くのが疲れることが難点。
ポルトで2週間近く食べて飲んで過ごしてリスボンへ移動。
写真を撮った唯一の給水塔。
ポルトからリスボンへ移動する長距離電車の中から撮影。
リスボンもポルト同様、坂道が多く歩いてて疲れる。
ごちゃごちゃした坂道ばかりの旧市街にオフィスビルの並ぶ新市街。
東京にも通じる雰囲気がある。
ロカ岬に行って大西洋を眺めてご飯食べて帰る。
この翌日に大西洋を渡ってカナダへ移動。
エコノミーに3万円上乗せするだけで、正規のビジネスクラスが取れた。
古い飛行機で座席がフラットにならない。
長距離の飛行機は辛い。
ヨーロッパ楽しかった。
2017年7月