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不動産の売主必見!契約不適合責任とは?注意点や免責特約を解説

こんにちは!ReWALL(リウォール)チームです。

不動産を売る際、《契約不適合責任》のことで不安を感じる売主が少なくありません。そもそも、どういう責任なの?免責できるの?注意点は?—— と不安が尽きないですよね。

そこで本稿では、契約不適合責任のポイントを分かりやすく解説します。従来の瑕疵担保責任より買主の保護が強化されていますので、売却前に、内容を把握しておきましょう。

契約不適合責任とは

契約不適合責任とは、簡単に言うと「契約で決めた内容と違うものが相手に渡されたときに、売り手が責任を取らなければならないルール」のことです。

2020年4月に民法が改正された際に、買主保護の強化を目的として、従来の瑕疵かし担保責任》と置き換わる形で設けられました。

具体的には、以下が契約内容と異なる場合に適用されます。

  • 種類

  • 品質

  • 数量

不動産取引の場合は、品質に関する不適合が問題になりやすいです。これには、通常期待される品質を欠く場合も含まれます。

たとえば「雨漏り、シロアリ被害、建物の傾き、土壌汚染、地中埋設物」などは目視で確認しづらく、注意が必要です。

また近年では、外壁タイルの浮きや剥落によるトラブルも増えています。あとで責任を問われるのを防ぐために、問題が分かったら事前に修理しておくことが望ましいでしょう。

瑕疵担保責任(改正前民法570条)との違い

契約不適合責任は、従来の瑕疵担保責任といくつかの点で異なります。買主の保護を強化し、売主の責任をより明確にしていますので、把握しておきましょう。

▼対象の範囲

責任の対象範囲は、瑕疵担保責任では「隠れた欠陥 (瑕疵)」に限定されていました (隠れていない欠陥は契約内容に織り込まれているはず、という前提)。

一方、契約不適合責任は、契約内容に適合しないケースに適用されます。欠陥と言えるかどうか曖昧な事象も、契約に適合していなければ責任を問われる可能性があります。

▼請求手段の拡充

瑕疵担保責任では、買主が持つ請求権は、損害賠償請求契約解除のみでした。

一方、契約不適合責任では追完請求代金減額請求が追加され、買主の救済手段が増えました。詳しくは後述します。

▼責任の性質

瑕疵担保責任は、売主の無過失責任でした。つまり、売主に過失がなくても責任を負う必要がある、ということです。

契約不適合責任も、基本的な責任は無過失責任です。しかし、損害賠償請求については、売主に帰責事由(故意または過失)がある場合に限っています。

契約不適合責任における買主の権利

買主の権利を、詳しく見ていきましょう。買主は、契約不適合が発生した場合に以下の請求権を持ちます。

  • 売主に対して、契約不適合部分の修理や代替品の提供、不足分の引き渡しを求める権利(追完請求権)

  • 売主が追完請求に応じない場合や、追完が不可能な場合に、売買代金の減額を請求する権利(代金減額請求権)

  • 売主に帰責事由がある場合、契約不適合によって生じた損害に対する賠償を求める権利(損害賠償請求権)

  • 契約不適合が重大な場合に、契約を解除し、代金の返還を求める権利(契約解除権)

なお、契約不適合を理由に何かを請求するには、法律で決められた一定の期間内に行動しないといけません。

具体的には、買主が契約不適合を知ったときから1年以内にそれを売主に伝える必要があります (民法第566条)。

ただし、売主が契約不適合を知っていた場合や、重大な過失によって知らなかった場合は、この期間制限は適用されません。

また、買主が権利を行使できる期間には「消滅時効」と呼ばれる以下の期限があり、期限内に行使しない場合は権利が消滅します (民法 第166条)。

  • 権利を行使できることを知ったときから5年間

  • または、権利を行使できるときから10年間

つまり、権利があることを知っているのに5年間何もしなかった場合、あるいは知らなかったとしても10年間たつと権利が消えてしまうのです。

期間無制限で、売主の責任を問えるわけではありません。

契約不適合責任の免責特約とは

不動産の売買契約では、契約不適合責任に関して《免責特約》を設けるケースが少なくありません。

免責特約とは、売主が契約不適合責任を負わなくていいようにする特別な約束(条項)のことです。

免責特約には、以下のような種類があり、必要に応じて使い分けが必要です。

  • 責任範囲の限定(建物の特定の部分の不具合を免責)

  • 責任期間の限定(一定期間経過後の不具合を免責)

  • 請求権の制限(特定の請求権の限定や免除)

法律には《契約自由の原則》というルールがあり、売主と買主の間で「この責任を免除するよ」とお互いが合意すれば、特約として有効になります。

しかし、免責特約は無制限に有効というわけではありません。たとえば、以下は無効となる場合があります。

  • 売主が契約不適合を知りながら買主に告げなかった場合 (民法 第572条)

  • 売主が宅建業者で、買主が消費者の場合の、買主に不利な特約 (宅地建物取引業法 第40条)

なお、免責特約は、売主と買主の双方が合意して初めて有効です。買主にとって著しく不利な内容の免責特約は、無効となる可能性があります。

売主が注意すべき点

免責特約の内容は、売買契約書に明確に記載する必要があります。また、免責特約を設定する場合でも、売主は物件の状況や不具合について買主に説明する義務があります。

売却する物件の状況も、正確に把握し、契約書に詳細を明記することが重要です。とくに、中古住宅では「雨漏り (外壁・屋根)、シロアリ被害、設備の不具合」などに対して注意が必要です。

インスペクション(建物状況調査)をおこない、物理的瑕疵を把握して、適切な修繕をおこなっておくことも有効な対策となるでしょう。

まとめ:不動産の売却前に契約不適合責任について理解しておこう

契約不適合責任のルールが設けられ「契約で決めた内容と違うものが相手に渡されたときに、売り手が責任を取らなければならない」というスタンスが明確になりました。

これまで以上に、売却する物件の状況把握や契約内容の整備、適切な免責特約の設定が大切になっています。ホームインスペクションや不具合の修理を実施しておくと、安心です。

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