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月曜日の朝。籠城。


体調を崩してしまった。

月曜日の朝だというのに、わたしはまだうだうだと寝ている。

「おばあちゃんにうつさないように、なるべく自室から出ないように」と、

明るい軟禁生活が始まってはや三日目。

長引くと言われたものの、確かになかなか調子が戻りづらい。

大人になってくれば、あらゆる経験をそれなりに、

威張れるほどでないにしろ、
知っての対処法を駆使してどうにかしようとしていたが、

今回はそうもいかないらしい。

もとより風邪らしいものも
一年にするかしないかの体質で、

ましてや衛生マスクのおかげか
三年近くこれといった不調がなかった事もあり、
ことのほか辛かった。



朝八時にもまだなっていない。
もう陽が高いし、今日もいい天気になりそうだ。

出勤時間帯なのでバイクの発進エンジン音と、
大きな声で誰かとの通話声が、
ベランダの向こう側から途切れ途切れに聞こえてくる。

ガリガリゴリゴリとあのへんでまだやってるリフォーム中の工事音は今はまだ穏やかだ。

授業はオンラインに切り替わるので、時間になるまで寝ていればいい。


午後から雨が降るらしい。


食欲なんてあまりないけど薬を飲むために起きないといけない。


差し入れにもらったタロ芋味の菓子パンがあったからあれは食べたい。


いまのわたしの部屋は、大きな窓がある少し日当たりが良い部屋で、

ベッドと洗面台とお手洗いがついた、台湾の一般家庭によくある寝室兼の広いだけの部屋だ。


おばあちゃんがわたしのために、
自分が使っていた広い一室を明け渡してくれた。

わたしは少し、居心地が悪かった。
追い出してしまったようで伐が悪かった。

おばあちゃんはというと、
留める家族の話しを聞いているように流して、

息子たちが使っていた
勉強机がある隣の小さな部屋に引っ込んでしまった。

幼い頃から知っているとはいえ、
知らない家でしばらくのあいだ住むのだからと、
少しでも居心地がいいようにと。



今朝になってよくよくわかる。

これまでの三日間の籠城も苦にならないほど、

この部屋はほどよく広くて居心地が良い。

ベランダに面しているから風も入るし、外の様子も感じられる。

どこかで猫がよく鳴いていたり、
鳥は少しにぎやかに過ぎるほどにさえずるし、
雨が降ればことのほか涼しい。

言葉がまだ通じなくてもあの人は、
精一杯、愛してくれている。



静かな午後。



寝たり起きたりを繰り返して、まどろみながら思い出した。

風邪で休む姉と妹が羨ましくて、
皆勤賞を潰してまで、ずる休みをしたことを。

今回は本当の体調不良。


そしてわたしは最愛の人を守るために、もうしばらく籠城をする。

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ロロ|【台湾】社会人留学生
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