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これじゃないけどそれでも良かった。

間違えた。

注文したものが想像していたものとだいぶ違っていて、
それはそれはなかなか落ち込んだ。



授業中に食べ物の話はしてはいけない気がする。

だってそれ以外考えられなくなりませんか。

今日はもうどうしても、
フライドポテトが食べたい。


春から夏にかけて二学期目を迎えているわたしは、
生活時間に変化をもたらすべく試しに授業時間を変更した。

二時間早めたので時間ができて良いじゃないかと思っていたけれど、
あれから1ヶ月経過した今は、想像以上に時間が余り過ぎるということ。

そして前後中途半端におなかが減る。

円安も相まって日本にいるときよりも倹約家になっているわたしは、安くて美味しい食事が好きだ。

コンビニで同じものを買うなら、
もうちょっと先へ行ったスーパーで買いたい。

それは日本でも変わらないけれど、またさらに意識するようになった。

選択によって果物なんかは買う場所によって倍以上の値段がする。だったらどうする?

なんてある意味ゲームのように日々を楽しんでいる。


授業が終わって指定の必修科目をさらに一時間受けて、今日はもう帰ろうかと思う。

マイペースに生きすぎているわたしはお誘いを頂かない限り、
大抵のんびりとおひとりさまを過ごしている。

例えていうなら屋上の施錠を外してグランドを眺めているタイプかもしれない。

方向性が決まらない団体行動がすこぶる苦手なだけなので特別でもなんでもない。


帰りにふと、立ち寄りたい場所ができてしまって、いつも乗る帰りのバスをとりやめてMRTに変えた。

MRT:台湾台北市内及び、その周辺の地域を結ぶ台北地下鉄。台北メトロとも。安くてとても便利。

Wikipediaより

途中下車して立ち寄った場所は、駅中の複合施設なので、
ぷらぷらと徘徊しているだけでも、いろんな人が行き交う様を見ているだけで面白いのでたまに来る。

ふと、順路の向こう側にフードコートが見えた。


そうだった。


呼び覚ますかのように思い出したのはフライドポテトの大いなる存在。

必修授業と授業の別枠でもってしてまでなぜ今日だけで2回も話題にのぼったのか。


振り返りたいがここは曲がりなりとも外国であって、語学を学んでいる者としては注文一つとってもエネルギーを使う。
正直ちょっと尻込みする時もある。

今日はもうちょっと頑張りますか。

フードコート内ざっと十店舗ほどあるなかで、渦中のポテトを取り扱っていそうなお店が4店舗ほど。

うち二つはフライドチキン店で、
あとはサブウェイと
モスバーガーっぽいバーガー屋さん。
どちらさまでしょう。

うっかりチキンを頼んで晩飯を食べれなくなるのは困るのでフライ専門店は除外する。あと啤酒(ビール)飲みたくなりそうなので。

サブウェイはサンド以外を注文するのは憚れそうなので除外。(個人的に)

となると。

さてと呼吸を整えてレジ前を偵察するとありがたいことにテイクフリーのメニューが用意されている。

商品写真があるにしろ、内容がちょっと判別しずらいものもある。
華語で品名が書いてあるのでなんとなく想像できるし、学びがてらに翻訳アプリもちょっとあててみる。

ポテトだけでいいのだとサイドメニューを見てみたら、チリポテトがあった。

だったらダントツでこれがいい!!と静かにテンションが上がる。
もしわたしに尻尾があるなら、ぱたぱたと隠せていなかっただろうに。

誰も並んでいなかったのですぐ注文に入る。

大学生ぐらいのレジスタッフさんが通常スピードで話しかけてくれたので、
わたし程度の留学生にはちょっと早かった。

会計後に反芻すると分かるのに、その瞬間になると聞きとれなかったりするのでちょっと落ち込む。仕方がない。まだまだこれからだ。

サイドメニューだけなのですぐ引き渡された。


待望のポテトからの、
さらに上位のチリポテトに胸を躍らせる。

値段の割にちょっと少ないかな、なんて思いながら
しっかりとフタがされた丸いカップの蓋を開ける。

チリミートソースで覆われた下面の方はよく見ていないが、軽くフォークでほぐして口へ運ぶ。

辛い。

ん、お肉?
これは…ささみ??


チキン付きのチリポテトかと、信じて疑わない私はもう一口いく。

うん、これは、ちがうな!

チリソースと思っていたものは青唐辛子と山椒が効いた醬ソースで、
割いてほぐしてボイルした鳥ささみの下にチーズもポテトもどこにもなかった。
レシートも確認してこれは誰の間違いでもないことを照らし合わせる。

チリポテトだと思っていたものはまったくの別物だった。

よくよくメニューを見ると、たしかにポテトを意味する単語はどこにもなかった。
ポテトの字も習って知っているのに。

どこで勘違いしたのかなぁと反省しながら、
ただおいしい、辛いソースがのっかった鳥ささみを楽しんだ。


これはこれでおいしいけれどコレジャナイ感は否めない。


深呼吸をするように、小さく溜息がもれたけど、
でもそれでも良かった。

きちんと自分で注文したんだから。

失敗して落ち込んだりもするけれど、
次もがんばって注文しようと思います。

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ロロ|【台湾】社会人留学生
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