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好きな風味のレタッチに近づけたい
レタッチの理想系
まず主に僕が使用しているカメラはFujifilmのGFXとXです。カメラによって自分の理想系は異なっています。
GFXはラージフォーマットのセンサーサイズを保有しているため、僕の理想系は中判フィルムになるべく近づけたいと思っています。中判フィルムはやはり高価なのもあり、なかなか手が出せないのですが、僕の理想の一つでもあるので、やはり追い求めたい部分ではあります。
一方で、Xシリーズはどちらかというとナチュラルで雑味のないイメージの方が好きです。デジタルらしさはありつつも、どこかアンニュイな雰囲気のある写真。人の名前を上げてしまうならば東京祐さんの写真の質感を追い求めていきたいと思っています。
※ 東京祐さんのお写真はこちらから見れます。これが無料とは…と思ってしまうほどのクオリティと質感です。
雑味のなさと雰囲気のある写真を狙う
今回はX-E4で撮影した写真をもとに、レタッチをしてみようと思います。
元写真はこちら。
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① いつものプリセット
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いつも僕が使っているプリセットを当てた上で微調整をしてみました。
頑張って調整しながら作ったものなので公開はちょっとできないんですけど、川内倫子さんとかをイメージしてます。
川内さんの写真って基本的に雑味がないんですよね。すごくクリーンで透き通ったような感覚を受ける。それでいて割と写真は解像度はしっかりとあるというか、粒子の感じとかはそんなに受けない。
光へのキャッチはとても敏感なので、光のある写真はハレーションを起こしたりしながら光をふんだんに取り入れた風味に仕上げてますよね。
全体の印象は寒色で、緑色も少し青に近い感覚。
コントラストはそこまで強くなく、影の部分もある程度は持ち上がっているんだけど、眠たい写真ではない。
こんな感じの印象です。Xf33mmの写真は結構透明感があるなと使っていて思うので、川内さんの写真との雰囲気が合うかも、と思い、川内さんに寄せたようなプリセットをいつもは使っています!
② レタッチしてみたもの
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こちらは数値は後ほど公開します。
変化球的側面が少しあるかもしれません。
ポイントとしては、マットな雰囲気にしたというところです。
マットな雰囲気は東さんの写真にもあるものなんですが、特徴はシャドウの感じによく出ると思います。
あとは、ピクチャープロファイルのビンテージ9というのを使ってみました。
色々試したらこれがよく当てはまったので。
少し癖がありそうなので使う場面は選びそうですが、結構雰囲気出してくれますね。
こちらの石川瑠華さんを東さんが撮影した写真を見ていただければと思います。
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壁の下の方にある影が暗いのにその部分が純粋な黒というよりは情報が残りつつ、灰色みたいな影になっていると思います。
僕は決してレタッチが上手いわけではないんですが、このマットな質感を出したいなと思ったときはトーンカーブで影の部分を持ち上げる形で作ります。
レタッチしてみた写真も画面右下の影の部分が同じように、暗くはあるんだけどベールをかけたような黒の具合が残っていると思います。
②の数値はこんな感じ。
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テクスチャ、明瞭度、かすみの除去を全て下げることで、レンズの解像感を奪っています。多分東さんの質感を目指すなら、高解像な透明感のあるレンズを使っていてはたどり着くのが難しいです。
緑色は結構気にするポイントで、今回は緑色を大きめに青側に振った上で、彩度と輝度を落として少し独特な色の緑にしています。
他の写真にも転用してみた
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転用してみた感じとしては、結構合わない写真もありました。
そりゃあ、逆光写真に作ったものと比べてしまえば当然といえば当然でしょう。
なので、逆光の写真に合わせてみたら結構ピッタリだったので、逆光専用の数値になってしまったかもしれません。
光のフワッと感と、粒子の感じ、色味の少し独特な感じ、好きかもしれません。
まとめ
この人みたいな雰囲気にしたい!と思ったとき、まずすべきは分析です。
影の濃淡は?特徴的な色味は?色被りは?解像感は?
分析してみた結果、川内さんのお写真は割と自分の持ってる機材の方向性と相性が良いことがわかったので、川内さんに近づけたようなプリセットをいつも使っています。
今回、東さんの感じにしたいと思って、頑張ってやってみたのですが、おそらく機材の段階から違う。
僕が今回使った写真はレンズの写りがかなり透明感があるものだったので、あまり曖昧な写りをしないものでした。やはりそうすると細かい部分の写りの差とかが結構再現するのが難しくて少し方向性を変えたわけです。
こういう風に憧れの写真があったときに、それをどうすれば近づけられるか分析した上で、実現できるのかできないのか、それは自分の実力の問題か機材の問題か、ここら辺を考えられると思い通りにできていくかもしれませんね。