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アレック・ソスの個展に行ってきました
アレック・ソスの個展って?
この間、アレック・ソスの個展にいってきました。
神奈川県の葉山にある美術館で行われていて、かなり盛況のようでした。
アレック・ソスはこんな感じの人。
アレック・ソスは1969年生まれ、ミネソタ州を拠点とする写真家。緻密なコンセプトに基づいたプロジェクトとして国内外への旅を重ね、自然や人々をとらえた作品で国際的に高い評価を受けている。これまでウォーカー・アート・センター(ミネアポリス)における個展をはじめ各国での展覧会を多数開催し、『Sleeping by the Mississippi』(2004年、Steidl)など25冊以上の写真集を発表してきた。
大判のフィルムカメラを用いて撮影しているそうです。
うらやましい。
雑感
作為のあるスナップ
まず、直感的に思ったのは、ものすごく意図や作為性を感じる写真だったということです。
密林の中にミラーボールがあったり、壁に葉書のような写真が挟まっていたり、大自然の中に寂れたスクールバスがあったり…。
自然なものの中に違和感があり、そしてその違和感を意図的に作っているような感覚を覚えました。(もし本当にあったならごめんなさいアレックさん)
おそらくですが、ライティングもしっかりやっている気がします。主題が浮き立つように光を当てているような、そんな印象を受けました。
ただ、自然物の中に(これはNatureの自然ではなく、ナチュラルに存在しているものの意味)、遺失物を置くのはスナップにひと工夫与える手法としては有効です。私もよくやります。例えば、これもリンゴを作為を持って置いているわけです。
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アレックソスがすごいのは、その作為を絶妙に溶け込ませているところです。なんだか、本当にそんな景色があったのかもしれないと思わせる説得力がありました。
カメラは撮れる写真を決定する
アレックソスは大判のカメラを使用しているのだが、やはり被写体の張り詰めた緊張感がひしひしと伝わってきました。あの、写真館で撮られている時のような、レンズに全てを見透かされているような緊張感。
これはスナップ用の軽いカメラではなしえないことです。
三脚で固定し、撮影者は黒幕を被り、その空間には被写体とカメラしかいない。カメラは被写体だけを真摯に見つめている。その緊張感。大きくて制限の強いカメラだからこそ、全てを留めてしまうような強さを感じました。
それはきっと持ち運びがしにくくて、撮影までにとても時間がかかるからこそ撮れる写真だなと。今の時代、そういう尖ったカメラが本当に少ないなと思います。動画機と一緒にしようっていう動きあたりからカメラのバリエーションが減ったような気がしますね。
アレック・ソスのポートレートはそんなに好きじゃなかった
好きな写真も沢山ありましたが、その一方でポートレートにはそんなに惹かれるものはありませんでした。
スナップのような感じで撮られたポートレートや、被写体と十分な距離を取って撮られたポートレートには、緊張感はありつつもポートレートだけが写真を占めていない感じがして、惹かれるものはありました。
しかし、写真いっぱいに被写体が写っているもの(≒わりと近い距離で撮られたもの)は、被写体に緊張感がありすぎたり、被写体以外の情報が悪い意味でないなと感じてしまいました。被写体以外の情報がないと、被写体の緊張感ばかりが伝わってきて、表情が固く、肌の質感はやたら立体的な写真に見えてしまいました。
当然と言えば当然ですが、とても上手く撮れているがゆえに、被写体の瑣末さが浮き彫りになっているように思いました。(例えばですが、結婚式の花嫁が椅子に座ってた写真とかです)
葉山の美術館良かった!
とても空間として写真を撮りたくなる場所でした!
周りを少し散策して写真散歩したので見ていただけると幸いです。
撮影機材:
GFX50sⅱ
Gf80mmf1.7
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