刀剣乱舞無双から思う「限定盤」の意味
はじめに
この記事を見ている人のほとんどは刀剣乱舞無双の豪華盤の云々は既に知っていることだと思います。(ここでは紹介しないのでもし知らない方がいたら検索すればすぐに出てきます。)
何が悪かったのか、どうすれば良かったのか、など考えても時間の無駄でしかありませんが、少し私の考えを書かせて頂きます。
なぜ今回の事件は起きたのか
単純に需要>>>>>供給です。
あくまで需要が高まっているのは豪華盤の方で、通常盤に関しては今現在でも余裕で予約できます。
じゃあなんで豪華盤を欲しがるの?ということになる訳ですが、ここで一旦豪華盤の特典の内容を確認しましょう。
・スペシャルドラマCD(名称未定)
・刀剣乱舞無双 ハードポーチ for Nintendo Switch 刀剣男士紋
・デザイン画集(名称未定)
・(一部店舗のみ)法人特典
パッと見だとよくある限定盤という印象ですね。そもそも他ゲーム、他映像作品で限定盤の価値がどれほどあるのか分かりませんが、少なくとも今回のように供給が少なすぎて炎上(と言っていいものなのか)するケースはごく稀でしょう。
元々刀剣乱舞のファン(=審神者)は割とグッズ等にはかなり熱心で単純に特典が付いてくる豪華盤が欲しいと言う人も多くいるでしょう。しかし今回の特典はそれ以上に大きな意味を持ちます。その中でも
・スペシャルドラマCD(名称未定)
、これが今回豪華盤の中で一番大きな意味を持つというか目玉でしょう。
正直ドラマCDなんて、と私も最初は思いましたが、このドラマCDがとても重要になってくるのです。以下公式ホームページより引用した説明です。
本作で活躍するすべての刀剣男士が登場するスペシャルドラマです。
前述譚を含む、約50分の物語が収録予定。
そう、刀剣乱舞無双という独特の世界観に対する前述譚がこの中に含まれているのです。
考えてみれば
審神者と刀剣男士らは平穏に暮らしていたが、
・・・・・・
本丸の要であった審神者の姿が消えた。
という説明文があったように、審神者がいること前提の元来の刀剣乱舞とは世界観が全く違うのです。それがこのドラマCDで明かされると言うのであれば、当然ゲームをプレイする人にとっては知っておきたい情報でしょう。
憶測とは言えこのドラマCDの中にしかない情報を手に入れる為には豪華盤を買うしか無い、裏を返せば豪華盤を買わない、買えなければ前述譚を知ることはほぼ不可能でしょう。実際に豪華盤を買えていない方の多くが、この部分を懸念されています。
ゲームを楽しむにあたって大切な情報が欠けてしまう、これが一番の問題であり事件の原因ではないでしょうか。
なぜ受注生産はできないのか
それなら受注生産すればいいじゃないか、そうすれば販売元も客もwin-winになる……
正直分かりません、内部の人間ではありませんし。
ただひとつ言えるのは「作りたくないから作らない」ではなく、「作りたいけど作れない」でしょう。
たくさん作れば当然儲かるし、ましてやバッシングを受けることもない(販売元のDMMはおろか、開発先の方にも飛び火しているらしい)ですし……。
あくまで他人の推測ですが
豪華盤の数の2倍を通常盤生産しなければならない
とか
特典に入っている Switchのケースが利権云々でめんどくさい
とか
そもそもやっぱり受注生産します!は法律だかなんだか的にアウト
とか色々聞きます。
もちろん必要な数だけ生産して必要な方全員に行き渡るのが理想ですが、現実はそう甘くありません。ビジネスって残念ながらそういうものなのかもしれません。
そもそも今回増産が決まったこと自体が奇跡らしいです、これがどれぐらい凄いことなのか私には分かりませんが……。
結局どうすれば良かったのか
ここまで燃えた原因に対してそれなら受注生産をすればヨシ、ではない……という話をしてきました。
じゃあ結局どうすれば平和的解決が望めるの?って聞かれたら
どうしようにもない
って答えます。強いて言うなら
そもそも豪華盤なんて作らなければ良かった
ですね。通常盤と豪華盤という選択肢を作らなければ余程のことがない限りパンクすることもなかったと思います。
ただ無双シリーズが特典モリモリにしがちだという話も聞いていたので、豪華盤の販売予定はずっと前からあったでしょうし、何なら買えない人も出てくることは想定していたでしょう。
また仮に豪華盤を買えなかったからといって、刀剣乱舞そのものから離れる人もいないだろう、って踏まれているかもしれません。
本当に仕方がない、で片付けるしかないと思います。
豪華盤は何のためにあるのか
先程豪華盤なんて作らなければいいと言いましたが、あくまでゲームソフトなので通常盤にグッズを盛り沢山、ということはほぼ不可能でしょう。そういった意味で豪華盤という立ち位置は必然的に生まれてくるのかもしれません。
またこれは本当に私個人の意見になりますが、「豪華盤」の様に名前を付けて通常盤と差別化することで、購買欲を煽るという考えは少なからずあると思います。
ではグッズを単品販売にしたらどうなのでしょうか。単品販売をするのであれば、しばらくの間生産を何度か繰り返すことになると思います。おそらくこれが一番難しいことなのでしょう。生産数を間違えたら大量に在庫を抱えることになりますし、そもそも Switchの商標が入っている製品(ケース)をNintendo以外が継続して生産しようとすれば、かなり莫大な費用がかかると思われます。
余談ですが、可能性としてはドラマCDと画集をセットにした「刀剣乱舞無双 設定集」といった本のような形にすればあるかもしれません。それでも豪華盤と全く同じ物を作ることはできませんが……。
おまけ(さらなる炎上)
最後におまけみたいな話を。ここまであまり話には出しませんでしたが、俗に言う転売厨も当たり前のように出てきています。
しかしDMMの公式通販からマーケットプレイスへと飛べますが、マーケットプレイスでは定価以上で販売することもできる、という半ば転売を容認、もっと言えば推奨するような環境を販売元が作ってしまっています。
そしてこのタイミングでDMMが組織として「同人誌を代行、転売して儲ける(みたいな内容)」という文書の発表からの謝罪、という事件も発生しました。
単純にタイミングが悪いと言ってしまえばそれまでなのですが、特にあまり良いイメージを抱いていない人からはもはや我慢の限界でしょう。当然だと思います。
ネットが当たり前となった今、転売厨を完全に消滅させることは無理でしょうし、転売厨から誰一人買わせないということも無理でしょう。ましてや大元の企業がこの感じであるならば尚更難しいと思います。
もはや何一つ良いことなくバッドエンドを迎えてしまいましたが、少しでも本当に欲しいと思う方の所へ届くことを願っています。
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