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柿次郎とヒラクと

いよいよ今日、自著が発売となりました。

魔法をかける編集」(しごとのわ)

別に何か特別なことがあるわけじゃないけれど、発売日ってのはやっぱりなんだかソワソワするもんで、落ち着かない気持ちを抑えるようにこうやってテキストを書いたりしています。

さて、7月19日は、待ちに待った小倉ヒラク&徳谷柿次郎とのイベント@心斎橋。
のんびりおじさん、ジモトをヒラク!

発売日が直近ってことと、2人が年上の僕を立ててくれて、これまで「魔法をかける編集」の出版記念的なムードを作ってくれたけど、このイベントはあくまでも、

小倉ヒラクの「発酵文化人類学」(木楽舎)
徳谷柿次郎の「ジモコロフリーペーパー
との合同リリース記念パーティーなので

ようやく自著の発売を経て、ここであらためて一緒にトークする2人のことを
書きたいなと思います。

ってことで、まずは小倉ヒラクから。

とにかくヒラクと会ったときの衝撃ったらなくって、思わずしばらく書いてなかった「note」にヒラクの記事を書いてアップしちゃったほど。

その記事はこちら「発酵デザイナー 小倉ヒラク」

僕にとっての彼は、まさにその名のとおり閉じた扉を次々ヒラクひと。

僕はよく、住所氏名年齢の「氏名」は「使命」の方がいい。って冗談みたいに言うのだけど、これ結構本気で思っていて、それこそ「名は体を表す」ヒラクのような人に出会うと一層その気持ちを強くします。

僕はずっとローカルをフィールドに編集者をしているので都会と違って、対する相手が著名人ではありません。何かしらわかりやすい評価を得ているわけではない、実直に生きる市井の人々への取材を繰り返してきた僕は、ふつうに生きている(と本人は思っている)人のスペシャルを世間にわかりやすく解放していくのが仕事みたいなところがあります。

そこにはまず大前提としての嗅覚とか、言葉で説明しずらいスキルが必要な気がするんだけど、何よりもその方が地道に培ってきたからこそのスペシャルな部分、つまりは誰彼と見せることのない書斎みたいなポイントを見つけたら次にその扉を開き、解放するチカラがとても重要なんですね。

小倉ヒラクという人は、天性としてそのチカラを持ってる。僕はそれを一つのスキルとして高めてきたけれどヒラクはそうじゃない。

家の近所のサイコーな居酒屋「吟座 糀屋」にヒラクを連れてったときに、店主の玉谷さんのこだわりの部屋の扉を一瞬で開いちゃったり(もはや比喩じゃなく、未知の冷蔵庫の扉が開いて、飲んだことない酒、いっぱい出てきた)

あと、初めて一緒に秋田の「新政」のお酒を飲んだ時なんかは、ヒラクが一瞬で杜氏さんの愛を感じちゃって、会ったこともない杜氏さんとお酒を通して語り出すもんだから、なんかもう神意を世俗に伝える巫覡(ふげき)の域かと。

微生物の世界で生きてると、そんな領域にいけるのか?!って、側で見てて驚きというより、惚れ惚れするわけです。

そして最近特に面白いと思うのが、それが個人を超えて、組織や、仕組みにまで及んでいること。

例えば、書籍流通の話なんかもそうで、「発酵文化人類学」の出版からその世界に触れ、瞬く間にそのブラックボックスを無邪気にヒラいて、見事に重版させた手腕は見事すぎる。

「発酵文化人類学」一週間で重版出来!の舞台裏。

とにかくそう、ヒラクの良さは【出会い頭に】ヒラいちゃうところにあるんです。

行動のタイミングを計ってるみたいなことを言い訳に、いつまでも悶々としてる人たちの背後を一瞬で駆け抜けて、気づけば一番先頭でのんびり酒飲んでる。

だから、ヒラクが今後また何の世界に出会い、そしてヒラクのか、僕はつねに楽しみで仕方がない。

そんな、友達。

あ〜、できるだけ簡潔に、って思うんだけど、やっぱりちょっと長くなっちゃうな。ま、仕方ない。


そして徳谷柿次郎

奇しくもローカルを軸に編集に携わっていることや、関西出身ってことなど、なんかもう黙ってても先輩後輩感がつきまとうし、実際、彼を見てると、なんだか他人事に思えないところがあって、そうなるともういよいよ可愛い後輩的な感じなんだけど、ぶっちゃけ僕はどれだけ彼から学ばせてもらってるかわかんない。

ヒラクの項で少し書いた、ローカルを編集する僕たちにとって重要な、市井の人々のスペシャルに気づく嗅覚をもちろん彼はしっかり持っているのだけど、そこに加えて彼の才を感じるのが例えばこの記事、

「金がないなら稼げ」元ヒモのマッドサイエンティスト農家が語る人類改造計画

実は偶然僕もこの取材現場に立ち会っていたんだけど、現場ですでにこの記事が出来上がっていくさまを「さすがやなあ〜」なんて思いながら眺めてました。

新著でも書いてるんですが、僕は自分なりの取材の心得に「現場で100とる」っていうのがあって、それについてはここで詳しく説明しないけど、とにかく柿次郎はそれが見事で、現場ですでに取捨選択と方向性のコントロール、つまりライブ編集がなされてるわけです。

これはっきり言って、めちゃめちゃクレバーな仕事だから、そんじょそこらの編集者にできることじゃありません。

だからこそ、とんでもない物量を柿次郎はこなすことが出来ていて、またそれゆえ、許容量を超えてパンクしそうになってて、そのパンク具合は、まるでかつての僕のようなところもあるんだけど、でもやっぱり柿次郎は、僕とは違う方法でそれを解決しようとするから、そこに僕は何度もハッとするんです。

だからほんと学びまくり。

とまあこれくらいにして、
そんな柿次郎とヒラクという僕が尊敬する2人とお喋りをする、7月19日19時半スタートのイベント。

のんびりおじさん、ジモトをヒラク!
~魔法をかける編集×ジモコロフリーペーパー
×発酵文化人類学リリースパーティ~

絶対いい夜になるから来てね♡


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