映画感想「ウォールフラワー」青春ロック尽くしの2時間
名作って言われる映画は、ただ観たってだけで終わらせたくない。なので純粋に楽しむというより、場面や登場人物の背景を想像しながら観る。それ踏まえながらラストまで閲覧。
あらすじ
舞台は高校。
引っ込み思案で友達が一人もいない主人公チャーリー。
クラスでもランチルームでもいつも一人ぼっち。教室ヒエラルキーで言えば一番下に位置する人間だろう。
おまけにチャーリは幼少期のトラウマを抱えており、時折そのフラッシュバックに悩まされている様子。これも友達ができない大きな要因の一つだ。
だが、ある生徒達との出会いで彼の生活は一変するーーーーーー
この映画の良い所
1.登場人物のキャラが立ってる
主人公チャーリーだけでなく、家族、友達、先生などみんなが立ち位置を確立している。ただ単にいい人・嫌な人というだけでなく、その背景を想像することができる。
チャーリーはいうなれば、割とどこにでもいる内向的な生徒だと思う。高校デビューに失敗し、周りに溶け込むことができず、ひとり寂しく学園生活を送る・・・・ぼっち学生だ(※個人的に共感できる)
だが、その友達がとても個性的だ。
特に親友のパトリックは底抜けに明るく、そして良い奴だ。僕も学生時代に彼の様な人間と出会い、友達になれたらなと思った。
2.音楽の良さ
この映画はほぼ青春ロックで構成されてると言って間違いないだろう!
性格がまるで正反対同士の彼らを強く結びつけたのは何か?
それは青春ロックだ。青春ロックという音楽を通して彼らは通じ合い、お互いを分かち合った。
これは個人的な意見だが、音楽で通じる仲というものは、
お互いの性格やしがらみを超えると思う。
もちろん趣向の違いはあれど、それが合致した際の嬉しさは何にも代えがたい。
良いなと思ったセリフ
「無限を感じる」
主人公チャーリーが友人たちとドライブしながら一言。
若い頃は何でも出来ると一度は思うだろう。不安もあるけどワクワクするような気持ちもあったあの頃。
そんな時代を思い起こさせるような台詞かな。
「自分に見合うと思ったから」
自分を傷つける男ばかり選んでしまうと嘆くヒロインのサムに対して。
なるほど的を得ていると思った。
表面的にはどんなに明るく、自信のあるように振る舞っていても、心の中では「自分なんてどうせ…」という低い自己評価が眠ってる時がある。
低い自己評価の裏返しで、表面上は自信のあるように振る舞っているのかもしれない。
自己評価が低すぎる人には、ぞんざいな扱いをしてくる相手が寄ってきやすい。そんな相手を自分に見合ってると思って選ぶという台詞だろう。
「その髪型、将来写真で見た時に後悔するよ」
パリピの女子達にチャーリーが放った一言。
何気ないワンシーンだけど、こういうパンチを効かせた台詞は好き。
「過去は変えられないけど未来は変えられる」
トラウマに苦しむチャーリーに対して、病院の先生が言った一言。
ありきたりではあるが、それまでの展開を見てると重みはあった。
この映画のオススメしたいところ
この映画は正直明るいものではない。青春時代がテーマではあるけど、主人公が王道のような活躍をするわけではないし、恋愛もそれほど上手くはいかない。
見てて胸のすくような展開もそれほどない。
特に、序盤にチャーリーがぼっちでいる場面は、見てる方も割と辛いものがある。
ただひたすらに青臭いのだ。
10代の複雑な精神状態が細か~く描写されてる。
人によっては「ああ、こんな時代もあったなあ」と思い起こすことが出来るんじゃないだろうか。
映画を観終わった後、10代の頃に聴いてた音楽を引っ張り出して聴くのも良いかもしれない。
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