極月末にちょっと厳しいことを書きます(前編)

この極月は、春待月、来年に向け何を夢見ようか
世界の経済力規模は、建国以来世界一になりたがる米国という実験国家を除けば アジア 3 大国が順繰りにその存在を現出している。
1970-80 年代の日本国は、世界経済第二の地位まで上ったが、その後発展目覚ましい中国(共 産党政府)が その地位を2010 年にとって代わり、
米国の背中すぐそこまで追いつめている。
インドは、期待されているが、欧州の大国フランス、英国を抜きドイツの次の世界 5 位まで 射程に入ったがちょっと足踏み状態にある。中国に代わって世界大国を目指せるかはまだ 見えない。
インドは、世界一の民主主義国家・人口大国であるがゆえに時間がかかるのは仕方ないこと、 インド民族のいる亜大陸を眺めれば、トップの位置に固執することに意味を見出していな いのがインド流と見える。 インドの難しさには、「カースト制度のくびき」を考えざるをえまい。インド大陸へのアーリア部族の侵入から始まったカラーによる差別、大航海時代の欧州白人キリスト教民族による支配の手段となったカースト制度のくびきから抜け出せる日は来るだろうか。
カーストの一つである「ヴァルナ」のほうは、太古の昔から最上位ヴァラモン(僧)は下位のクシャトリア(王、軍人)に依存する社会になっておりそれぞれが持つ意味合いは変化してきたはず。
もう一つの「ジャーテイ(職業集団)」は、14 億以上の人口を支えていく社会集団のことであり、貧困層を中心に生活安定機能を果たしており、意味のある制度として今後も存続して いくことであろう。リキシャを運転する少年たちの屈託のない笑顔からはジャーテイの良さを感じる。
「カースト」を、極月の良き日にツラツラ考えてみた。 皆さんは国連人種差別撤廃委員会でも取り上げられない「カースト」があることをご存じでしょうか。
世界大国に躍り出た中国(共産党政府)と世界一帝国のアメリカ国における「カースト」の存在することを。
前者については、シカゴ大学の学者が著作 Invisible China で指摘した、「中国内陸部に戸籍制度の下に押し込められている 7 億人に上る善き中国の民」を指します。 戸籍制度を使った中国共産党政権による悪政というべきものであり、 中等教育、健康(保険)、福祉制度のすべてにおいて、「改革開放」の恩恵にあずかった沿岸 部・都市部の同じ中国人に比べて、圧倒的に劣悪条件の下に置かれて、忘れ去られている多 数の人たちのことだ。
白人キリスト教の著者殿は、これを「国家(共産党政権)によって作られた現代のカースト 制度」であると断罪した。
習近平氏は、この著作「Invisible China」を、目にすることはあるだろうか。 最近永世皇帝の地位を確かなものにした彼は、中国と世界に向かって大演説をした。 これからは第一に中国の「安全確保」、そして「共同富裕」のスローガン(これは毛沢東が 始めた政策の焼直し)、から社会主義現代化政策を目玉にした。
第一の安全とは何だろう。 客観的に見て、永世皇帝の自分のステータスを死守するための安全は明らか。最近世界中で大騒ぎになっている、中国「海外警察サービスセンター」という他国の主権侵害の 警察部隊による在外中国人の取り締まり行為は、短期的には自由と民主主義に加担する善き中国人の取り締まりにあるだろう。
同時に世界にばらまかれた留学生を通じた先進国の技術情報を盗ませる監視役にもあるだろうことは想像に難くない。
日本も学会と教育界は彼ら留学生の受け入れを厳しく監視せざるを得なくなることを意味 する。
第二の「共同富裕」と「社会主義現代化」の看板は結構なことだが、中国の総人口の半分にも上る「内陸部」の人民の劣悪状態を野放しにしている以上、習近平氏が胸を張る 「社会主義」の看板が泣くだろうに、内陸部の改革解放の声は聞こえてこない。
海外にスパイ役の警察部隊を派遣したり、各大学にスパイ目的の留学生を送り込む多額の予算があるなら。まず「内陸部」の鎖に繋がれた状態にある多くの善き中国の民を解き放つことに専念すべきだろう。 習近平氏の、一部のビリオネアを育てただけの「改革開放」を捨てる政策は結構だが、 それには本来の共同富裕である「内陸部」人民の解放と経済格差の撤廃が求められる、 それを進めることに体を張り、真の東洋の賢者の一人に名を連ねて欲しい。 自己と共産党政府関係者だけのための安全第一であっては、人類の営みに逆行する道を進むことになる。
世界経済が当面中国の経済力復活が必要な現状、それは世界経済にとっては、致命的な悪政になることに目覚めて欲しい。 私は大学では英米科卒業であり、アメリカ国のことについても話したい。

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