プーチンのダマスコ解放論

聖夜に、「聖パウロ」のことを思う

プーチン・ロシア大統領が12月の定例会見
(参加ジャーナリストを通じて世界に発信されるもの)でのコメントに
ロシアのシリア進出は、軍事的侵攻による領土拡大狙いではなく、
現在のロシア正教会国(プーチンによれば、ソ連社会主義国ではなく、
ロシア正教会国を目指していると言いたそうだ)
モスクワが第三のキリスト教ローマの位置づけであり、
シリア・ダマスカス(聖書で言うダマスコ)が、テロリストたちによって
蹂躙されることに我慢がならない。許すわけにはいかない、正教会を含むキリスト教世界の「地ダマスコ解放の意味があるのだ」という。

どうなんだろうか?

聖パウロ(サウロ)、もともとトルコ系のユダヤ人で、
当初はキリスト信者たちを迫害する立場にあった。
キリストの信者たちには怖い迫害者として有名すぎるくらいの若者だった。
サウロが、エルサレムの北部にあるこのダマスコに信者が多く集まっていると聞きつけ早速迫害の旅に出るという。
このダマスコへの旅で、パウロ(サウロ)は眼がつぶれる事態が起こり
苦しんでいるところに「キリストの奇跡のひとつか?
弟子アナニアがキリストの指示でサウロのところに尋ね、パウロは
目から鱗が落ちる体験をする。パウロ改心につながった場所といわれる。
そこから聖パウロが
ヘレニズム世界(異邦人の世界)への大伝道の旅、
キリスト教の世界宗教化のグレート・ジャーニーへ繋がる。

キリスト教世界のお話、なかなかついていくのは容易ではない。
信ずる者たちの間では当たり前のことなのか。

プーチンが言う、シリア・ダマスカスは聖地であり、
今や正教会国の優等生であるロシア正教会国がダマスカスのあるシリア解放することは「大義は我にあり」と言いたそうだ。

地政学愛好者から見れば、
シリアはハシーム王国(隣のヨルダン王政と合わせシリア一帯にハシーム王政を考えていたが、軍部サダムフセイン(バース党)がクーデタをおこし社会主義を目指す、
西方の大国エジプト(ナセルの時代に社会主義を目指していたのは有名な話。今は軍部が掌握、背後にアメリカ帝国がいる)
ここに中東社会主義エリア建設が目指されていた。
ご存じのようにサダムフセインは、アメリカ帝国のブッシュ陰謀(生物兵器がありと言って侵攻、何も出なかった。国がボロボロ状態)、今はイランに近いシーア系が強い。
近代史を振り返れば、中東世界に、社会主義の国々を集め、背後にロシアの支援があるという体制樹立が目標であった冷戦構造 というのがより真実に近いのではないか。

ここに、キリスト教というお話を、大真面目に世界に発信するプーチンの作戦は、キリスト教世界に、あるいは世界中にアピールするのだろうか?

仏教神道禅宗民族である大和国民にはさっぱりわからないが、
キリスト教の先達から是非とも教えていただきたいものだ。
このクリスマス、
米国の友人たちは、今年のミズーリ州(中西部)はWHITE CHRISTMASではなかったという
欧州フランスの友人は、東部アヌシーは2-3日前から雪が降ってWHITE CHRISTMASを楽しんだと言います。

世界中が、より静かな時代を迎える新年になれと祈ります。

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