最強の龍王アガピトス/デアリガズドルバロムD
ミラダンテカップAD/NDマスター。
最強の龍王アガピトス
皆さんは、少し前の「白単サザン・ルネッサンス』を使っていて疑問に思ったことがないだろうか?
「《龍王アガピトス》の踏み倒し、しょぼくね?」
と。
そう。《サザン》の《龍ピ》は、しょぼい。
《龍覇 エバーローズ》を踏み倒した時の出力は目を見張る物があるが、デッキにたった4枚しか入っていない《エバーローズ》を毎回引き当てられるわけではない。《アクロアイト》とか、《オリオティス》なんかを踏み倒すことも多いだろう。
そもそも《サザン》のコストは7。しかもサポート対象はコスト3以下。いかにもデザイナーズコンボみたいな見た目をしているが、《龍ピ》からしたら微妙に相性が悪いのだ。
もっと《龍ピ》からコストの高いクリーチャーを踏み倒して、最強の《龍ピ》を体感したい……!
よし、《サザン》抜いてみよう。
実は、以前にもやったことのあるアプローチだ。その時は《ヨーデル》《ワテライオ》《ミケランジェロ》《シール・ド・レイユ》《ライオネル》といった、場残りがよいカードを採用していた。《サザン》のドローに頼れなくなるから、盤面のリソースを重視したためである。
その経験を活かして作った初期型がこちら。
前回のデッキから6コストを大幅に増やすことができた。特にありがたかったのは《指令の精霊龍 コマンデュオ》と《夜警の精霊龍 ウィズローザ》。
《龍ピ》踏み倒し筆頭の《コマンデュオ》。
同じく《龍ピ》の踏み倒し先として優秀で、手出しも強いと採用していた《ヨーデル》を出すことができるのがとても強い。実質《サソリス》《ボアロ》《ミランダ》みたいな展開量だ。
《コッコルア》や《ララァ》から繋いで《コマンデュオ》《ヨーデル》と繋ぐと一瞬で5打点ができてしまう。無茶苦茶。
《ウィズローザ》も強いしありがたい。
《龍ピ》全振りデッキは《サザン》を抜くため、どうしても手札が枯れる。だが《ウィズローザ》を得たことで手札が回るようになったし、《ウィズローザ》自身が4コストのため微妙に《サザン》と合わないから《サザン》を抜く言い訳理由が増える。
トリガーまでついてるんだから至れり尽くせりだ。
《時間龍 ロッキンスター》はお試し枠。軽減クリーチャーから4マナで繋ぐことのできるクリーチャーとして採用していたが、革命2が生きることはめったになく、ただのパワーが高いエスケープブロッカーにしかならなかった。それでもまあまあ強いけどね。
《ミラダンテ》は進化クリーチャーが欲しいので採用。ここまで展開力が上がると、盤面が埋まりがちなのだ。革命0はそこまで意識していないが、《レッドゾーン》相手に《エバーラスト》と同時に並べれば詰ませることができた。全体フリーズなのも強力。《ウィズローザ》から引っ張ってくる突破枠としてもありがたく、コマンドが並ぶのでかなり軽量化できた。3点も偉い。
初期型・戦績
微妙。本当に微妙だった。
別に弱い訳ではなかったが、やはりネックになるのは《レッドゾーン》。軽減クリーチャーを持っていかれると動きが大きく鈍るし、折角の《ホーリー》もあんまり意味がない。勝率は伸び悩んだ。
実は《レッドゾーン》を対策することはそう難しくない…が、その対策には少し問題があった。
振り払えない《サザン》の影
《レッドゾーン》対策なんてたった1枚、《オリオティス》の採用で決着できる。
が、《オリオティス》をデッキに入れてしまった瞬間に《サザン》を入れない理由が減ってくるし、《龍ピ》のハズレ枠が増える。《オリオティス》の採用は、このデッキのアイデンティティの否定になりかねないのだ。
「入れればいいじゃん」と言われればまあ…そうなのだが。シンパシー元になるし、別に相性が悪いわけではない。だがそこですんなり入れられるならデッキビルダーなんてやってないのである。
《オリオティス》が《龍ピ》の邪魔にならないようにするにはどうすれば…
意外なような、そうでもないような
その苦悩を乗り越え、採用されたカードはこれだ。
《連珠の精霊アガピトス》。
《龍ピ》の踏み倒し先として理想的なコスト6…といよりは、《龍ピ》の「6コスト以下のクリーチャー」という踏み倒しの範囲はこのカードを意識して決められたのであろう。
《連ピ》はデッキから《オリオティス》を踏み倒せるので、《龍ピ》の出力を変えずに《オリオティス》を噛ませる事ができるのだ。また、攻撃的な《コマンデュオ》《ヨーデル》と違い、《連ピ》は防御的にも強く使える。場やトリガーの影響で出力が安定しない《エバーローズ》とも差別化ができ、立派に枠を勝ち取ってきた。今までの《連ピ》の問題は軽減が乗りにくいことだったが、それも《ララァ》が少しだけ解決してくれている。
完成形
そうしてデッキが完成した。嬉しいことに、デッキの1/3(14枚)を《龍ピ》の当たり枠としてキープすることができた。
《オリオティス》《アクロアイト》はとあるディスコードサーバーにて提案して頂いたアイデアなのだが、意識的に一部カードを排除していた頭をほぐしてくれた。
特に《アクロアイト》に関しては、以前組んだ《龍ピ》デッキの経験で不採用にしていたカードだったのでノーマークだった。いざ振り返ってみると、《トロワ・チャージャー》より《アクロアイト》のほうが断然いい。
デッキが完成さえしてしまえばあとは簡単、(※個人の感想です)マスターまで辛抱強く回すだけ。6コストを踏み倒しまくる最強の《龍王アガピトス》、あなたも体感してみてはどうだろうか。
デアリドルバロムD(eadman)
突然だが、筆者はウィクロスのアニメシリーズ「Selector」にズッブズブにハマっている。
(《アガピトス》2種のコラボバージョンを使っていたことからもわかるかもしれないが…)
今期はADで《アガピトス》を2種類も使ったし、折角ならNDでもコラボカードを使いたいと思った。
同じくコラボカードになっている《運命の選択》でのマスター到達を見かけて、というのも理由の一つである。
本当は筆者も《運命の選択》を使おうかと思ったのだが、この逆張り厨なんと《龍覇 グレンモルト》を2枚しか持っていない。意味わかんねえよ。
というわけで、別のコラボカードを使うことにした…
それが《悪魔龍王 ドルバロムD》である。
《ドルD》に目をつけた理由は、
・単色環境だから、出れば勝つ
・ドラグハート除去が有用である
の二つ。
環境にはびこるドラグハート・フォートレスをぶち壊して回れば、結構勝てるのではないだろうか。
ところで《ドルD》を使いたいなら「ヘルボロフ」を使えばいいじゃん、と思う人もいるかもしれない。まあ…それはそうなんだけど。どうせならこの際、《ドルバロムD》というカードに徹底的に向き合ってやろうと思って色々試した。もちろん楽しかった。
初期型・フェアリーホール
まず採用したのは、《龍覇 ザ=デッドマン》と《侵攻する神秘 ニガ=アブシューム》。
《ニガ=アブシューム》を設置することによりマナを染色し、《ドルD》のランデスを無効化することができるためだ。味方を巻き込んでしまう破壊効果も、置換してマナに送ってしまえばこちらのリソースが失われることはない。
さらに裏面の《ニガ=ヴェルムート》は、すべての文明を持つクリーチャーであるために《ドルD》の破壊に巻き込まれることがない。正直巻き込まれてくれたほうがリソース管理が楽だったが。
続いて、《偽りの王 ヴィルヘルム》。
もはや《デッドマン》とはニコイチのような関係だが、このデッキでは更に《ドルD》の進化元としての仕事もある。また、《ドルD》の前に置けていれば事前に黒マナを奪いつつ相手のマナ破壊に反応して大量のマナブーストをしてくれるし、《ドルD》の後に出せばマナを溜め直す相手を叩き潰す一手となる。
オーバーキルの権化みたいな使い方だが、がっちり噛み合っているのは書かねばなるまい。
ちなみに《ドルD》のコラボカードに描かれたキャラクターは、カードゲームを通して対戦相手の内面をズタボロにすることが大好き。
特に意図した訳ではないが、この邪悪なコンボなら同じく人の心を壊せてしまう気がするな…
そして最新カード《悪魔龍 ダークマスターズ》。
凶悪なハンデスで相手のテンポを奪い、そのまま《ドルD》の進化元になることができるカードだ。26弾「天魔命動」における、最高の《ドルD》強化パーツと見て間違いないだろう。
ちなみに《ダクマ》でも《ヴィルヘルム》が反応してブーストしてくれる。追い打ち好きだなアイツ。
またそこに接続するカードとして、《フェアホ》《勝利ガイアール》を採用した。
こちらも、進化元を用意しながらブースト・盤面処理を行うことができるムーブだ。マナ回収の《ザマン》も積めて安定するのだが…「お前のスピードじゃ届かない!」と言われたので次の型へ。
バージョン2・ミステリーキューブ
ヤケクソにも見える《ミステリー・キューブ》だが、そもそもデアリガズのドラゴンデッキでまともな受け札を積もうという時点で無理がある。
《オドル・ニードル》も既に限界まで積んでいたし…ヤケクソというよりは、深く深く考えた結果これしかないという結論に至っただけなのだ。
安定感をかなぐり捨てる代償には見合わなかったためこれも断念。
バージョン3・ネロティウス
「侵略をメタるなら革命だろ!」ということで、無理やり《ネロティウス》を突っ込んでみた。
《ネロティウス》で《ヘルミッション》を出しつつブーストして《星域》《ドルD》と言いたい。
というかこの「デアリドルバロムD」、最初期の構想時点では《星域》《ドルD》を狙っていた。
《ネロティウス》は《ボアロアックス》との相性も良好。が、革命2が発動することは一度もなかった。
悪魔と交わした代償に
ところで、今までのリストに意図的に採用されていないカードがあることは気づいているだろうか?
それは《メンデルスゾーン》だ。
《メンデルスゾーン》を入れると、デッキに大きな制約がかかる。《星域》なんて入れられなくなるのはすぐにわかるだろう。デッキの基盤も「モルトNEXT」に近くなるので、なんとなーく嫌だった。
しかし、ここまで戦えないのではそんな贅沢は言っていられない。しぶしぶ《メンデルスゾーン》を使って戦うことにした。
最終形・メンデルスゾーン
悪魔に魂を売って採用した《メンデルスゾーン》。言うまでもなく強かった。4ターン《ダクマ》の再現性が爆発的に上がり、《デッドマン》《ヴィルヘルム》までリソースが続くようになった。
「《メンデルスゾーン》は《エナジー・ライト》」
という持説を語らせていただくと、《メンデル》の最大の強みは2→5へのマナジャンプではなく、
ドラゴンデッキなのに1枚で2枚分のアドバンテージを生み出してしまう点だと思っている。しかも
《エナジー・ライト》より軽い2マナで。インチキ。
また最終形になるにあたって、初期型に入っていた《ジャックポット・エントリー》が帰ってきた。
これは、《メンデル》採用にあたって初動に赤マナが欲しくなったことと、《メンデル》と合わせた2枚初動での4ターン《ダクマ》が成立し得るという理由での出戻りだ。単純に《デッドマン》の早出しから《ヴィルヘルム》と繋ぐのも相当強い。
そういえば昔の「ジャックポット」では《デッドマン》の採用は見受けられたが、その後「コスト8以下のドラゴン」に縛られているお相手を結構見た。このデッキのように《ドルD》《ヴィルヘルム》などの超大型ドラゴン(当時なら《VAN》が強かったか)を採用していれば、もっと相手に脅威を与えられたのではないかと思ったりした。
ボアロは偉大
最終形では、《ボアロアックス》を《ニガ=アブシューム》並みに多用した。
《ダクマ》と《デッドマン》と《ミツルギ》の
7+8+5=20で龍解することができ、以降何度でも《ミツルギ》の火力を使えるからだ。
暇な時に《ディグルピオン》を出すのも強かった。
さらにどいつもこいつもデカいので、盤面に余裕を残した状態での《ヴェロキボアロス》への龍解も容易だ。
たとえ3D龍解時に盤面がパンクしていても、攻撃時にマナから《ドルD》を発射することで、盤面を空けつつアタックをキャンセルすることができた(本人は龍回避で場に残り、再び龍解できる)。
なんでもできるな、コイツ。
最終形にてようやく採用となった、
《熱血提督 ザーク・タイザー》も紹介しよう。
有り体に言えば赤マナなのだが、《メガマグマ》でないのは1枚しか持っていないから盤面は《ドルD》で吹き飛ばせるから。カラーリング的にも手札が切れやすいので、その弱点を埋めてくれる存在でもある。また、3強の中で一番の狙い目である「皇帝」に対しての勝率に貢献してくれる。
無敵の詰め筋《オドル・ニードル》
さあ、トリはなんと《黒神龍オドル・ニードル》!
最初から最後まで不動の4確枠だった彼に称賛を。
このデッキは、《ドルD》を叩きつけはするものの、トリガー封殺手段は持たない。シールドを追加することもできず、ブロッカーも入っていないため、シールドがない時には《ザウルピオ》に防御を頼る…なんてことはない。
そう、《オドル・ニードル》がいるからだ!
今一度、デッキリストを見返していただこう。
そう…このデッキ、シングルブレイカーがとても少ない。そのため、
「よし、バイク対面に《ドルD》でマナ飛ばして、さらに《ザウルピオ》作ったし、殴って勝ちだ!」
なんて言って《クロック》《吸い込む》を同時に踏んだらダサいことこの上ない負け方をするぞ!!
そこで《オドル・ニードル》の出番がやってくるというわけだ。
マナを丁寧に潰しつつ《オドル・ニードル》で1点ずつシールドを小突けば、絶対に負けない。
《クロック》も《ホーリー》も関係ないのだ!
そもそも《ザウルピオ》を立てるには盤面の空きが二つ必要で、それが厳しい状況もよくある。そんな状況でも《ニガ》《ヴェロキ》から拾って立てれば強固な壁となる《オドル・ニードル》。
このデッキの《オドル・ニードル》とは、トリガー付きの《ボルメテウス》と言っても過言ではないレベルで強力な詰め筋だった。
あと地味にネバーエンドにも強かったよ、いぶし銀だねぇ…
オマケ
WIXOSS第二弾コラボカードといえば、もう1枚…ド派手なのに目立っていないカードがある。
《甲型龍帝式 キリコ³》。どんな呪文も唱えてしまう、ド派手なクリーチャー…なんだけど、進化元に恵まれなければ(比較的)、NDには撃ったら勝てるような呪文もないということでなかなか不遇な扱いを受けているカード。
実は特殊弾にて、とある噂がまことしやかに囁かれている。それは、《オールデリート》の実装だ。
《キリコ³》で「オールデリート」を撃てば、相手の手札と盤面とシールドを全て消し飛ばす事ができる…だけでなく、残りの呪文でスピードアタッカーを用意してトドメを刺すことすらも可能。さて、ここで《勝利ガイアール》と言っても問題ないが、僕としては別のカードを挙げたい。―――そう、
――《運命の選択》だ。
「Selector」というシリーズタイトルにもある通り、WIXOSSの最初のアニメのテーマは「選択」。その流れで、文明が誰とも合ってないどころか一切のシナジーもないのに《運命の選択》になったと、筆者も考えていたのだが。
シナジーは、あった。
というかえげつないコンボがあった。
以下、少々のネタバレを含む…といっても、Selectorシリーズ自体のネタバレではないが、警告を挟む。
実はこの《キリコ³》に描かれたキャラクターは、シリーズを跨いで続いてしまった憎しみの連鎖を断ち切ることになる。そういう「選択」をする。
そのキャラクターに《運命の選択》を使わせて、ゲームに勝てるように運営が仕組んだと言うのなら……デュエプレ運営を讃えざるを得ない。
やるじゃねーか…!
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