赤黒ゼロフェニヘルボロフ【ニューゲイズカップ最終レジェンド達成】
デスザロストカップNDマスター&ニューゲイズカップ最終レジェンド達成。
デッキ構築の裏話とかに興味ない方は以下の目次を使っていただければ幸いです。
デッキを作ったきっかけ
(以下うろ覚え回想)
7月某日、とあるディスコードサーバーにて。
「ヘルボロフにゼロフェニって入れられますかね?」と発言した人がいた。
通知でそのことを知ったものの、とりあえず静観していた。議論はだんだん進んでいったが…
最終的には「純ヘルボのほうが絶対強いでしょw」みたいな感じであしらわれることとなった。
なんというか…デッキビルドの底力を知る人がそんなに多くないサーバーで、環境で結果を残していないこの「ゼロフェニ×ヘルボロフ」という組み合わせのポテンシャルは大いに軽視されていた。
…なんか納得いかなかったのでマスターに行った。
これが最初にこのデッキを作ったきっかけである。
環境初期に画期的なデッキを作ったと判断されたのか僕のデッキツイートの中で一番いいねが伸びた。
感謝。
デッキコンセプト
このデッキのやりたいことは単純で、《神滅翔天ポッポ・ジュヴィラ》を利用した《暗黒神羅鳳ゼロ・フェニックス》の即時究極進化である。
《ジュヴィラ》の進化元置換を利用して、墓地に落ちた進化クリーチャーを進化元に、《ゼロフェニ》を一手で降臨させるのだ!
勿論、それを狙うことは相手にも筒抜け。《ジュヴィラ》を場に維持させまいと除去を撃ってくる。
そこに《ヘルボロフ》《ウェルカム・ヘル》の蘇生を合わせてしつこく《ジュヴィラ》を出し続け、ついでに墓地を肥やして別の手も探る…というのがこの「ゼロフェニヘルボロフ」というデッキだ。
基盤が似ている「赤黒ゼロ・フェニックス」との違いはそのスタミナと対応力だろう。《ゼロフェニ》以外を軽減できない《ノワー・ルピア》をデッキから抜き、中〜大型のクリーチャーが多めに採用されたことで、《ゼロフェニ》以外のプランでもゲームを成立させることができるようになった。良いことばかりではないが、少なくとも差別化点にはなっているはず。
不便な頃のゼロフェニックス
実は《ゼロフェニ》実装直後のこの時期は、彼の仕様が若干異なっていた。
《ゼロフェニ》の墓地召喚条件は「盤面に火のクリーチャーと闇のクリーチャーがいること」。
このテキスト自体は実装直後から変更がないのだが、当時は火と闇を含むようにクリーチャーを2体並べなければこの条件を達成できていなかった。(赤黒多色クリーチャー一体では達成できなかった)
これは《ゼロフェニ》の枚数が少なく、墓地からの召喚を多用するこのデッキではかなり面倒な案件。
たとえば《ボーンおどり》→《ポッポ・ジュヴィラ》→《ゼロフェニ》と動く際には《ゼロフェニ》を手札からしか出せないし、《ヘルボ》→《カムヘル》→《ジュヴィラ》と動いても《ヘルボ》が消えると墓地からの召喚ができなくなってしまう。
それでもマスター到達までの道のりは問題なかったが、レート1600に乗せることはできなかった。
デスザロストカップ時点の構築
メインプランは前述。
《ブラッドレイン》→《ヴェイダー》の流れを重視して構築しているものの、それなりに採用されている呪文のせいで時々ドローが不発する。
またそのドローの純度も低く、有効でないカードを引き続けて《ニューゲイズ》などに押し切られるケースが目立つ構築だった。
トリガーも初動も薄いため《レッドゾーン》に轢かれたりするし、《シバカゲ斎》がないと満足に墓地を肥やせない。
《羅月 デス・フェニックス》の進化元も《シバカゲ》頼りである。
実は、この欠陥を解決するカード自体には心当たりがあった。《死神スクリーム・ハンド》だ。
確定除去のトリガーでありつつ、潤沢な墓地肥やしと墓地回収で強力な動きをサポートしてくれる。
…はずなのだが、このデッキのデーモン・コマンドは《ヘルボロフ》と《ブラックサイコ》の2種6枚で、《スクリーム・ハンド》の6枚肥やしで落とせる自信のある枚数とは言えない。
妥協で《インフェルノ・サイン》を採用してトリガーを増やしたものの、若干無理のある構築からは脱却できなかった。
レートは伸び悩み、レジェンドタッチのボーダーも遠ざかっていったので、ひとまずこのデッキの研究を終わることにした。
♪きっかけは いつも誰かの 思いつき
時は流れて9月。僕はチーム「All Yes」に体験加入できることになった。
…愉快なチームだった。
《超幻影 ワラシベイベー》を軸としたデッキで次々とランクインし、レート1700超えを複数人輩出している様を目撃した感想がこれだ。
あれほどネタカードというレッテルを貼られ続けた《ワラシベイベー》でこの環境を勝ち抜く様は、愉快でありながら痛快だとも思った。
そんなチームの一人が、自身の黒緑Bロマノフをいじっている最中に呟いた。
「スクリームハンドでデスマーチ回収したら強くない? レッドゾーンとかに効きそう」
・ ・ ・ その手があったか。
《死神スクリーム・ハンド》の追加効果の条件はデーモン・コマンドの回収だけではない。
「死神」の名を持つクリーチャーの回収でも満たせる。
回収は《死神術師デスマーチ》でもいいのだ。
元からデッキに採用されていた《デスマーチ》でも《スクリーム・ハンド》の破壊条件が満たせるのであれば、《スクリーム・ハンド》の効果の対象は《ヘルボロフ》《ブラックサイコ》《デスマーチ》の3種。採用しても問題ないのでは…?
ということで、《ゼロフェニ》の墓地召喚の条件が緩和されてから使っていなかったのもあり、再びこのデッキの調整をしてみることにした。
完成形
そうして出来上がったデッキがこれだ。
呪文である《スクリーム・ハンド》の採用に伴い、《ヴェイダー》を《ホネンビー》と入れ替えた。
これによりリソース源が確実なものになり、墓地回収によって特定のカードへのアクセス性も向上した。
さらには《シバカゲ》《ゲンセトライセ》といった墓地起動効果持ちを墓地に送りやすくもなり、結果的に《ヴェイダー》よりも質・量どちらも高いリソースを得られるようになったと言えるだろう。
《ゼロフェニ》基盤に囚われて《ヴェイダー》を採用していたが、断然こちらの方が良い。
また《ゲンセトライセ》を採用したことで、《ゼロフェニ》が離れた時の破壊効果をさらに利用しやすくなった。「ネロ・ソムニス」の《超復讐ギャロウィン》と合わせたときのようなイメージで使うことができるし、墓地に送ることでマナ送り・デッキバウンスなどの除去をケアしつつ、《ジュヴィラ》での再召喚で繰り返し盤面を荒らすコンボにもなる。
名付けて「ゼロフェニピンポンダッシュ」。
確定除去(もしくはスレイヤー)持ちのシールドトリガーが4枚から8枚に増えたことにより、「レッドゾーン」対面の勝率も劇的に改善。微不利から一気に有利対面にまでなった。
当然、上記のようにトリガー《スクリーム・ハンド》から《デスマーチ》を回収することで、がっちり防御を固めることもできる。
またデッキ内容にはそこまで関係のない話だが、5c対面に《魂喰いの魔狼月下城》を建築しつつブロッカーを用意すると《ニューゲイズ》の攻撃力を大きく削ぐ事ができると学んだため、5c対面の勝率が改善した。
ちょっとしたプレイング・裏技(随時追記)
多色は埋められる時に埋めること。
《デスゴロス》攻撃時に《ブラックサイコ》に侵略すると《デスゴロス》の効果で《ゼロフェニ》を自身の上に乗せることができる。100試合に一回くらいやるオシャレムーブ。
《ゼロフェニ》が見えない場合も、焦らず墓地肥やしを続けて引っ掛ける。「5cニューゲイズ」対面でも、相手の構築が頭に入っていれば問題なくコントロールできるはず。
刻むか待つかの判断は経験がモノを言うかもしれない…頑張ってほしい。
対面相性
多く当たった(気がする)対面から順番に。
5cニューゲイズ 有利
ブーストをハンデスで咎めることで動きを鈍らせコントロール。《ジュヴィラ》《ゼロフェニ》着地や、《カムヘル》《サイコ》を絡めたハンデスビートの動きも使って手早く追い込みたい。
《ミラミス》も《ニコル・ボーラス》を選べばそこまで困らない。また、トリガーした際もcip持ちでなければエンド時破壊で対処することもできる。《ヴィルヘルム》だけは勘弁。
《ニュゲ》もへっちゃら。そもそも《ゼロフェニ》は《ネバーエンド》に対するキラーカードである。《ガイハート》《エビデゴラス》も、《カムヘル》で釣れる《闇ジャック》が破壊できるため対応しやすい。
前述の《魂喰いの魔狼月下城》による対策もあり、最終的にはかなり戦いやすい相手になった。
赤黒ゼロ・フェニックス 有利
小型除去で相手にアドバンテージを与えずに立ち回る。特に継続的に墓地肥やしをされてしまう《ノワー・ルピア》、《ヴェイダー》は早めに処理しておきたい。
墓地肥やしかハンデス・盾焼却で《シバカゲ》、《ゲンセ》を落としてもらえれば貰ったも同然。
リソース差で圧倒しつつチャンプブロックや《ホワイティ》で相手の《ゼロフェニ》を抑え、こちらの《ゼロフェニ》で安全にフィニッシュ。
グレートメカオー 微有利
やはり小型除去に尽きる。《闇ジャック》《デスフェニ》で《サリア》を除去して後続の勢いを弱め、ハンデスでリソースを削り切りたい。
終盤になれば、《カムヘル》龍解に《ゼロフェニ》を巻き込むことでいくらでも盤面を処理して詰めていける。勿論トリガーケアも容易。
緑単サソリス 微不利
軽量ハンデスがないため、《ボアロパゴス》への龍解を止めるのが厳しい。
ハンデスや除去を撃ち続けても《アジサイ》や《オチャッピィ》でリソースを伸ばされ、いずれ《パゴス》へ龍解されてしまうので、《デスフェニ》《ゼロフェニ》でスムーズに盤面を荒らしながら攻めていきたい。
トリガーが薄いので、《ゲンセ》から《ヘルボ》を釣り、強引に《レッドゥル》でのジャスキルを仕掛けることも。
レッドゾーン 有利
8積みのトリガーを踏ませればよくなったため、格段にゲームを引き伸ばしやすくなった。
ゲームが伸びれば《シバカゲ》《ゲンセ》も絡みやすくなり、安定して勝てるように。
詰めには《ゼロフェニ》を使うため《クロック》《ホーリー》の心配も必要ない。
もつれてからのトップ《レッドゾーン》は《ゼロフェニ》《デスフェニ》が引き受けてくれるので、詰めに入ってから負けることもまずない。
赤白サムライ 有利
《闇ジャック》大活躍。クロスギアを含む全てを破壊し尽くせば、サムライができることはない。
《カムヘル》による蘇生も駆使して、何度だって《闇ジャック》を投げつけろ!
黒単ネロ・ソムニス 有利
やはり小型除去が刺さる。
また黒系統の宿命として《シバカゲ》《ゲンセ》を《タイガマイト》のハンデスで落としてくれることがあるので、それを利用してゲームを有利に進めることもできる。
トリガーはそこまで厚くないので、ケアができているなら刻んだりリーサルを取りに行くとよい。
黒単皇帝ヘルボロフ 不利
そりゃそうだ。
相手が墓地に《シバカゲ》を落とした時点で負けを覚悟するほど。
しかし、《滅殺刃 ゴートゥ・ヘル》を装備した《デュエにゃん皇帝》がシールドを攻撃した時に、《闇ジャック》を踏んだ瞬間だけは隙が生まれる。その効果で《ゴーヘル》をカチ割り、一気に立て直せれば捲れることも。
でも《ゲンセ》が落ちているとそれも効かない。SL機装パワフル南無ロック。
白緑天門 不利
ハンデスで《タイタニス》を踏むだけでかなりキツくなる。ハンデスはそこそこに《スクリーム・ハンド》、ゼロフェニピンポンダッシュなどで確定除去を繰り返し、じりじりと相手のリソースをら削っていくのが理想的。《プレミア厶・マドンナ》が2体くらい出てきてしまったら、ハンデスで《タイタニス》を引きずり出してのLOも視野。
《魂喰いの魔狼月下城》をうまく盤面トレードに活かせると強い。
《ゲンセ》で龍回避できない時に、安易に《デスゴロス》に龍解しないこと。どの対面でも言えることだが、この対面は特に。
ワラシベイベー(緑単キンコング) 微不利
《ブラッドレイン》からスタートして、小型でのビートダウンを狙いたい。できれば《キンコング》や《ワラシベイベー》の出力を下げるため、並行して小型除去も行う。
ノートリの型が主流なので、《デスフェニ》、《デスマーチ》、《ブラックサイコ》、《ニンジャリバン》《ヘルボロフ》からの《レッドゥル》など、即時打点として使えるものは何でも使って気合のジャスキルを作る。遅れれば《メサイヤ》の餌食だ。
革命2での《ギョギョウ》や、《ゴアラ》などを利用した侵略プランのケアは忘れずに。
《タイタニス》があるのでハンデスは最低限で。
モルトNEXT 不利
《バトライ閣》を建てられたらその次で基本的に終わる。そこまでにジャスキルを組むか、《モルネク》に繋がるカードを落とし切ることを祈る。
《ゲンセ》が落ちるとかなり勝ちやすい。まあここもお祈り。《ニコル・ボーラス》で落としてもらえることもあるので、《シバカゲ》《ゲンセ》はできれば抱えたい。
「ワラシベイベー」と同じく、即時打点を活かしてジャスキルを組みたい。違うのは「ハンデスをしてもらえること」、「ミツルギやトリガーブーストで計算が狂うこと」。
青緑アカシック・タレス たぶん有利
対戦数が少なすぎてわからない。
が、細かいハンデスでマナチャージのサイバー純度を少し落とせるのでその間に《ゼロフェニ》を組み立てていける。
《英雄奥義スパイラル・ハリケーン》によるバウンスを受けても、《デスマーチ》《ゼロフェニ》の究極進化速攻でクロックを進められる。
必要とあらばトリガーを割り切って刻む判断が必要なことも。緩急をつけた攻めを意識したい。
雑談
少し前に、「オリジナルデッキでマスターに到達したらnoteに残す」という誓いを立てた。
にも関わらずマスター到達時点でこのデッキをnoteに記さなかったのは、多分デッキの完成度に満足していなかったからなのだろう。それがヒント一つで最終レジェンドまでたどり着くデッキになろうとは…
今回、丁寧に目を通して、カードのことをしっかり理解しているつもりでも、見落としがあった。その事実を知ったこと、そして念願の初最終だけでもチームに参加した価値があった気がする。感謝。
しかし初最終にオリジナルデッキでの最終と、なんと名誉なことだろう…「最終グラフに使用者一人のデッキで載る」というのは、いずれ達成したいことの一つだったから嬉しい。達成しているかは記事作成時点では知らないが、赤黒ヘルボロフなんてデッキを使ってるランカーを見た覚えがないので多分達成してる。
願わくば次はこういった混ぜ物じみた構築ではなく、もっともっと珍しいカードやデッキタイプで結果を残してみたいと思う。仮に達成できなくとも、カードの可能性を広げられるようなプレイスタイルを心掛けたい。
いやだって…ワラシベイベー最終レジェンドに囲まれてたらあんまり珍しくも感じないじゃん…?
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