珊瑚研究の聖地「喜界島」と喜界島サンゴ礁科学研究所
Re:Coral(リコーラル)です。
このnoteで扱う題材の一つとして、
珊瑚を守る活動をしている組織・団体を紹介しています。
前回の記事では、一般企業における珊瑚保全の活動内容についてご紹介しました。
今回は、企業ではなくNPO法人である喜界島サンゴ礁科学研究所をご紹介したいと思います。
この研究所、ただの研究所ではないんです。
2014年に設立されたばかりのこの研究所は、
日本で唯一、サンゴ礁に特化した研究を行っています。
これだけでも尖った組織だと言えますが、研究だけでなく、
教育・啓発にもすごく力を入れているんです。
どんな研究所なのでしょうか。さっそく見ていきましょう!
喜界島はどんな場所?
喜界島サンゴ礁科学研究所がある「喜界島」は、
鹿児島県の南方約380km(フェリーで11時間)、奄美大島の東に位置します。
また、喜界島は世界でも稀な隆起サンゴ礁(サンゴ礁地域の地盤が上昇することによって、海面より上に見られるサンゴ礁)でできているそうです。
喜界島の隆起速度は世界トップレベルで、50年以上前から研究されてきた国際的にも希少な島です。サンゴ礁研究のフィールドとして、パプアニューギニア(南太平洋)・バルバトス(大西洋)に並ぶ世界の3本指に入るサンゴ礁研究の聖地として知られています。
引用:喜界島サンゴ礁科学研究所・研究所概要*1
引用:南海日日新聞・喜界島でサンゴ礁シンポジウム(2016/8/6)
喜界島サンゴ礁科学研究所は何しているところ?
名前からもわかる通り、研究を中心に活動しています。
同研究所の研究成果は こちら のページに掲載されています。
研究調査以外にも、一般の方から若手研究者を対象にした
教育・啓発活動を提供しています。
フィールドワークなどの体験プログラムから実研究など、
珊瑚と関わることのできる、様々な取り組みをされています。
引用:KIKAI college for coral reef sciences*2
具体的には、このような教育プログラムを提供されています。
教育プログラム① KIKAIカレッジ
実際に研究活動を行い、その研究成果を論文にまとめて国際的な舞台で発表することを目指すプログラム。サンゴ礁研究実習、科学英語レッスン、サンゴ礁科学セミナーなど。
引用:KIKAI college for coral reef sciences・カレッジ
教育プログラム② サンゴ塾
(対象:小学校5・6年生〜中学・高校生)
科学的な知識や手法に触れながら、発見する力、理解する力、課題を見つける力を養うプログラム。日本語・英語で科学記事を読み、自分の意見が伝えられることも目指す。オンライン受講も可能。
教育プログラム③ 研究体験
喜界島で実際に研究活動体験ができるプログラム。
サマープログラム(サンゴ礁サイエンスキャンプ)、あるいは3日間・1週間の短期集中プログラムがある。
教育プログラム④ 島留学
(対象:中学・高校生)
放課後や週末はサンゴ礁科学研究所で学び、喜界高校または喜界中学校へ留学するという、若手研究者育成プログラム。
これはまだ新しいプログラムのようで、留学に興味のある方向けのオンライン座談会・説明会が開催されているようです。
教育プログラム⑤ インターンシップ
上述の「サンゴ塾」において、受講生の研究のサポートや教材作り・喜界島での科学や環境保全普及イベント実施をサポートするインターンシッププログラム。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
珊瑚教育・啓発の取り組みの一環として珊瑚の植え付け体験を提供している団体はよく見かけますが、
実際に珊瑚研究に携わることのできる実践型体験プログラムや島留学など、
ここまで先進的で多様な取り組みを実施している団体を筆者はこれまで見たことがありませんでした。
今回の記事を書いていて、筆者も喜界島サンゴ礁科学研究所に行ってみたくなりました!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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このnoteでは、珊瑚に関する研究の紹介や他団体の取り組み内容など、
珊瑚に関連する情報を発信していきます。
また、Re:Coralの活動に少しでも多くの方が関わっていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。興味のある方は是非ご連絡ください!
連絡先:recoral2020@gmail.com
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参考文献
*1:喜界島サンゴ礁科学研究所
*2:KIKAI college for coral reef sciences