学習ログ ADHD(注意欠如・多動症)
以下の文章は、
下山晴彦監修『公認心理師のための「発達障害」講義』北大路書房(2018)
に記載されている文章をまとめたものです。
【ADHDについて】
注意欠如・多動症(Attention-deficit / Hyperactivity disorder)とは、
以下の3つを含んでいるとされています。
・注意欠如・多動症
・他の特定されてる注意欠如・多動症
・特定不能の注意欠如・多動症
ADHDの症状は「不注意」「多動性ー衝動性」の2つである。
この2つが6か月程度続いた場合に診断される。
ADHDの診断の中で必ず確認しているのは、2つ以上の状況で困っているか否かである。
2つの状況とは、具体的に言えば家と学校の両方で不注意や多動性ー衝動性が見られないと、診断に踏み込むことは難しいということである。
この2つの状況が家か学校の片方だけの場合は、ADHDとは別の原因がある可能性が考えられる。
もう1つ確認すべきは、他の疾患で説明できない点である。
ADHDについては、統合失調症だけでなく、ASD(自閉スペクトラム症)で説明できないかという点を必ず評価すべきである。
実際の困難がASDなのに、ADHDと診断して支援が難しくなってしまう場合がある。
ADHDは今、過剰診断が問題になっている。
アメリカの精神科医曰く、自分はADHDであることを主張し、薬をとにかく貰いたがる患者が多くいて困っているという話がある。
また、ADHDの診断書によって試験時間を延長してくれる大学があり、そのためにADHDの診断書がほしいという人がたくさんいて困っているという話だ。
もちろん大多数は実際にADHDなのだが、過剰診断の可能性は否定できない。その背景には、ADHDの症状項目だけで診断が行われている点がある可能性はある。
【まとめ】
✓ ADHDの症状は「不注意」「多動性ー衝動性」の2つに大きく分けられる
✓ 症状だけみたADHDの過剰診断も問題だが、ADHDが見逃されるのも問題である。薬物療法による介入が行われているということもあり、ADHDの診断には慎重さが求められる。
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