お寿司
晩御飯はお寿司だった。彼女が祖父母と行ったがってん寿司をお土産にしてくれたのだ。
昨日の僕は朝昼どちらもご飯に何か乗っける系(卵、キムチ)だったから、夜は何がなんでもご飯以外にする!と、なぜか半ギレで意気込んでいたのだが、「お寿司のお土産買っていってもいい??」の言葉に二つ返事で「お願いします!!!」と言っていた。
これは僕の意思が弱いとかそういう問題ではない。ご飯に何か乗っける系の王様の登場に対して、頭を地に擦り付けてお辞儀をしただけにすぎない。
がってん寿司は今まで食べたことがなかった。大学生のとき家の近くにあったし、回転するみたいだから、正直舐めていて(ごめんなさい)、「それだったら100円の回転寿司行くわぁw」と、イキリ発言をしていたことはここで正直に白状しておく(本当にごめんなさい)。
その名残もあって若干疑っていたのも束の間、〆とろサバの破壊力によって僕は手のひらをマッハで返した。一口目で見事、がってん寿司のファンになりました。おめでとうございます。
新鮮で良質な油と醤油のマッチング、さらに分厚いネタの歯応えと旨味。1.5人前で14貫。頑張れば10分程度で食べてしまえる数を、焦らずにゆっくりと一貫一貫噛み締めた。「俺、これ一口でいっちゃうわ!」という誰も興味がないことを宣言して食べていた過去の自分を恥じるように、一噛に一回幸せを感じながら、食べ切った。
ほんとに贅沢な話だが、最近はお寿司のありがたみを感じられなくなっていた。学生の頃はなかなか足を運べなかった回転寿司も、社会人になりお金を持つようになってからは簡単に行けるようになっていたせいもあり、こんなに幸せをくれるものだってことをすっかり忘れてしまっていたのかもしれない。
最高な時間だった。
この感動を思い出させてくれた、彼女のじっちゃん、ばっちゃん、そしてがってん寿司に、またお寿司の200年の歴史に敬意を込めて。