何者
たった数百文字で綴られた文章で
その人の何かを受け取った気になっている。
たった数百文字で抱いた感情や心情の揺れ動きを
綺麗に纏められた気になっている。
誰かと比べて自分を大きく魅せたい人
どこか自分を特別な存在だと思っている人
ドラマの主役の様に大志を掲げて
本能のまま生きているような人
常に人の陰で呟いて、分析し
一視点にのみ夢中になって
周りが見えていない人間から
距離をとった位置で
俯瞰している自分に酔いしれている。
本当は自分が1番
自分をこの世界の主人公だと思っている
にもかかわらず。
あの人に届いて欲しい。
あの人に本当に認められたい。
信頼できる評価軸があるはずなのに
現実は焦燥とプライドに飲まれ
いつの間にかできる限り多くの賞賛を求めて
溢れた欲望の中で迷子になってしまう。
向き合わなければ。
他人の言葉に踊らされる前に
現実にも欲望にも、陰でなく真正面から
たった数百文字なんかで収まらない言葉で。
何者でも無い自分を知ること。
されば、何者にでもなれる。